【平成28年度版】

 

国民年金法 その1(平成28年度版 直前対策講座)

平成28年度直前対策講座の第6回目は、国民年金法です。

国民年金法は、保険料関係の改正が多く、かなり厄介です。改正事項を中心に直前対策をします。

 

まず、このページでは、選択式の前半部分を出題します。次のページでは、選択式の後半部分、さらにその次のページでは択一式です。

 

 

〔1〕選択式

国民年金法の選択式について、保険料関係の改正に関する事項(「付加保険料の納付等の特例=特定付加保険料の制度」及び「特定事由に係る保険料の納付等の特例」)は要注意です。

これらの事項以外にも、改正された個所で出題対象となり得るものが少なくなく、以下、順に見ていきます(当サイトの体系順に紹介します)。 

全部で7問あります(本ページは4問)。

 

【問1】

 

次の文中の    の部分(A及びB)を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、 、地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団に行わせることができる。

 

2 なお、国民年金法において、とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

 

 

選択肢

➀地方職員共済組合 ②特定独立行政法人 ③国家公務員共済組合 ④全国市町村職員共済組合連合会 ⑤年金保険者たる共済組合等 ⑥厚生年金保険の実施者たる共済組合等 ⑦実施機関たる共済組合等 ⑧被用者年金各法の共済組合等 

 

※ 解答はこちら

 

 

【問2】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

厚生労働大臣は、滞納処分等その他の処分に係る納付義務者が滞納処分等その他の処分  その他の政令で定める事情があるため保険料その他厚生年金保険法の規定による徴収金の効果的な徴収を行う上で必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、 に、当該納付義務者に関する情報その他必要な情報を提供するとともに、当該納付義務者に係る滞納処分等その他の処分の権限の全部又は一部を委任することができる。

 

上記の「政令で定める事情」は、次の1~4のいずれにも該当するものであることとする。

1 納付義務者が厚生労働省令で定める月数( 月)分以上の保険料を滞納していること。

2 納付義務者が法第109条の5第1項に規定する滞納処分等その他の処分  

3 納付義務者の前年の所得(1月から厚生労働省令で定める月(6月)までにおいては、前々年の所得)が厚生労働省令で定める額( 円)以上であること。

4 滞納処分等その他の処分を受けたにもかかわらず、納付義務者が滞納している保険料その他法(第10章(基金及び連合会)を除く)の規定による徴収金の納付  。

 

 

選択肢

 

➀「の執行を免れる客観的に蓋然性のある行為を行うこと」 ②「の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあること」 ③「の執行を避ける目的でその財産について隠匿しているおそれがあること」 ④「の執行を免れる意図でその財産について隠避しているおそれがあること」 ⑤厚生労働大臣 ⑥国税庁長官 ⑦財務大臣 ⑧国税局長 ⑨12 ⑩13 ⑪14 ⑫15 ⑬573万 ⑭850万 ⑮1千万 ⑯3千万 ⑰を怠ったこと ⑱を遅滞していること ⑲について速やかに納付するものと認められないこと ⑳について誠実な意思を有すると認められないこと

 

 

※ 解答はこちら

 

 

【問3】

 

次の文中の    の部分(A~C)を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

第3号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに  に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項(厚生労働省令で定めるものを除く。)を厚生労働大臣に届け出なければならない。 

当該届出は、厚生労働省令で定める場合を除き、厚生年金保険法第2条の5第1項第1号に規定する第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である  ものとし、同項第2号に規定する第2号厚生年金被保険者、同項第3号に規定する第3号厚生年金被保険者又は同項第4号に規定する第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である  ものとする。

  

選択肢

➀種別の確認 ②資格の確認 ③資格の変更 ④種別の変更 ⑤第2号被保険者を使用する事業主が行う ⑥第2号厚生年金被保険者を使用する事業主を経由して行う ⑦第2号厚生年金被保険者を使用する事業主が設立する健康保険組合を経由して行う ⑧第2号被保険者を使用する事業主を経由して行う ⑨第2号厚生年金被保険者を組合員又は加入者とする共済組合等を経由して行う ⑩第2号被保険者を組合員又は加入者とする実施機関たる共済組合等を経由して行う 第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合又は地方公務員共済組合を経由して行う ⑫第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して行う

 

 

※ 解答はこちら

 

 

【問4】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 年金たる給付(以下「年金給付」という。)を受ける権利を裁定する場合又は年金給付の額を改定する場合において、年金給付の額に  未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、 の端数が生じたときは、これを  に切り上げるものとする。 

 

2 年金給付の支払期月における支払額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。

の間において当該切り捨てた金額の合計額(1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを  の支払期月の年金額に加算するものとする。

 

選択肢

➀50円 ②1円 ③100円 ④50銭 ⑤50円以上100円未満 ⑥100円未満 ⑦1円未満 ⑧50銭以上1円未満 ⑨毎年4月から翌年3月まで ⑩毎年7月から翌年6月まで ⑪毎年3月から翌年2月まで ⑫毎年1月から翌年12月まで ⑬当該3月 ⑭当該6月 ⑮当該2月 ⑯当該12月

 

 

※ 解答はこちら

 

 

以下、出題は、次のページに続きます。

次に、問1から問4までの解答です。

  

 

選択式の解答

 

【問1】の解答(設問はこちら

 

A=④「全国市町村職員共済組合連合会」

 

B=⑦「実施機関たる共済組合等」

 

 

(解説)

(1)Aの空欄を含む設問の1の部分は、共済組合等による国民年金事業の事務の一部の実施の問題です(第3条第2項)。

被用者年金一元化法による改正は行われていない規定からの出題です。

 

第3条を掲載しておきます。

 

【条文】 

第3条(管掌)

1.国民年金事業は、政府が、管掌する。

 

2.国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合(以下単に「共済組合」という。)、国家公務員共済組合連合会全国市町村職員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法 (昭和28年法律第245号)の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団(以下「共済組合等」という。)に行わせることができる。

 

3.国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が行うこととすることができる。

 

 

この第3条第2項は、覚えやすくはないのですが、それでも国家公務員共済組合連合会(いわゆる「KKR〔KKRを誤記していましたので、訂正しました〕)、地方公務員共済組合連合会(いわゆる「地共連」)及び日本私立学校振興・共済事業団(いわゆる「私学事業団」・「共済事業団」)というあたりは、何とか思い出すことができるでしょう。

一番、思い出しにくそうな「全国市町村職員共済組合連合会」(いわゆる「市町村連合会」)が出題個所になっています。

平成19年の択一式においても、次のような出題があります。

 

・【平成19年問5A】

設問:

国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団にのみ行わせることができる。

 

(「全国市町村職員共済組合連合会」が抜けています。)

 

 

全国市町村職員共済組合連合会は、指定都市職員共済組合、市町村職員共済組合及び都市職員共済組合から構成されており(地方公務員等共済組合法第27条第1項。国年法第94条の4

参考)、これらの構成組合に係る基礎年金拠出金の納付主体となっています(基礎年金拠出金については、次の2で触れます)。

「指定都市職員共済組合」は、平成27年から全国市町村職員共済組合連合会の構成組合に追加されました。

このような構成組合についてまで出題されるかとなりますと微妙ですが、最近の国年法は厳しい出題も多いです。

そこで、余力のある方は、「指定都市職員共済組合」の名称を見たことがある程度に記憶しておくと安全かもしれません。

ただし、まずは、国民年金事業の事務の一部を実施する共済組合等に「全国市町村職員共済組合連合会」が含まれている点を覚えておいて下さい。

 

 

(2)Bの空欄を含む設問の2の部分は、被用者年金一元化法による改正個所です(第5条第9項)。

 

(ア)実施機関たる共済組合等

まず、第5条の第8項と第9項を掲載しておきます。「実施機関たる共済組合等」というキーワードに注意です。 

 

【条文】

第5条(用語の定義)

 

〔第7項まで省略。〕

 

8.この法律において、「政府及び実施機関」とは、厚生年金保険の実施者たる政府及び実施機関たる共済組合等をいう。

 

9.この法律において、「実施機関たる共済組合等」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

  

 

上記第5条の第8項は、基礎年金拠出金の納付主体が「政府及び実施機関」であること(後掲の第94条の2)に関係します。

即ち、基礎年金拠出金とは、基礎年金(老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金のことです(第85条第1項第1号かっこ書))の給付に要する費用(給付費)に充てるため、厚生年金保険制度から国民年金制度(基礎年金勘定)に拠出されるものです。

つまり、厚生年金保険制度は、毎年度、基礎年金の給付費のうち、第2号被保険者及び第3号被保険者の負担分について、基礎年金拠出金として負担又は納付します。

そこで、厚生年金保険制度の実施者である「政府及び実施機関たる共済組合等」が基礎年金拠出金の納付主体になるのです(第94条の2)。

 

※ ちなみに、被用者年金一元化法の施行前は、基礎年金拠出金の納付主体は「被用者年金保険者」といいました(現在の「政府及び実施機関」に相当します)。

そして、改正前は、この「被用者年金保険者」のうち共済組合等に係るものを、「年金保険者たる共済組合等」といいました。この「年金保険者たる共済組合等」が現在の「実施機関たる共済組合等」に相当します。

被用者年金一元化法による改正に伴い、厚生年金保険制度に共済年金制度が統合され、この厚生年金保険制度の保険者は政府であり、共済組合等は保険者ではなくなりましたので、「年金保険者たる共済組合等」が「実施機関たる共済組合等」という表現に改められたものです。 

 

※ なお、国年法の「実施機関」と厚年法の「実施機関」(厚年法第2条の5第1項)は微妙に異なることには注意です。

国年法の「実施機関」とは、上記第5条の第8項及び第9項の通り、「実施機関たる共済組合等」のことを指していますが、厚年法の「実施機関」はより広い概念です。

例えば、厚年法の「実施機関」の場合は、第2号厚生年金被保険者に関する事務については、「国家公務員共済組合」及び「国家公務員共済組合連合会」が実施機関となりますが(厚年法第2条の5第1項第2号)、国年法の「実施機関たる共済組合等」には「国家公務員共済組合」は含まれていません。

 

国年法の「実施機関」は、上述の通り、基礎年金拠出金の納付主体である共済組合等の意味で使用されているものですが、厚年法の実施機関は、厚生年金保険事業の事務を行う機関の意味で使用されているものです。従って、両者は異なる趣旨に基づく概念であるため、両者の「実施機関」の内容も一致しません。

厚年法の「実施機関」について、国年法の「実施機関たる共済組合等」と対比する形で内容を覚えておく必要があります(厚年法のこちらを参考)。 

 

なお、念のためですが、上記の第5条の第9項の「実施機関たる共済組合等」には、全国市町村職員共済組合連合会は含まれていません。

基礎年金拠出金の納付主体としては、地方公務員共済組合連合会が市町村職員共済組合連合会の上位団体という位置づけになっています。

 

 

(イ)基礎年金拠出金の納付主体

一方、上記で引用しました基礎年金拠出金の納付主体に関する次の第94条の2も、表現が改正されており、要注意です。

 

【条文】 

第94条の2(基礎年金拠出金)

1.厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金負担する。

 

2.実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金納付する。

 

3.財政の現況及び見通し作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担し、又は実施機関たる共済組合等納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。

 

上記の第94条の2は、平成17年度の選択式において、次のカギかっこ部分の5か所が出題されています。

 

・厚生年金保険の「実施者たる政府」(出題当時は、「管掌者たる政府」です)

・「基礎年金の給付」

・「基礎年金拠出金」

・「実施機関たる共済組合等」(出題当時は、「年金保険者たる共済組合等」です)

・「財政の現況及び見通し」  

 

第1項の「負担」と第2項の「納付」という表現にも要注意です。両者を逆にしてはいけませんし、「拠出」とか「支出」といった表現でもありません。

(「厚生年金保険の実施者たる政府」の場合は、同じ国庫の主体(政府)間の拠出の問題であるため、基礎年金拠出金を「負担」すると規定されていますが、「実施機関たる共済組合等」の場合は、国庫と国庫以外の主体との拠出の問題であるため、基礎年金拠出金を「納付」すると規定されています。実質的には、「拠出」という点で違いがないのですが、試験対策上は、重要な表現の違いとなります。)

 

以上で、【問1】の解説は終了です。

 

 

【問2】の解答(設問はこちら

 

A=②「の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあること」

B=⑦財務大臣 

C=⑩13

D=⑮1千万

E=⑳について誠実な意思を有すると認められないこと

 

(解説) 

本問は、厚生労働大臣の滞納処分等の権限の財務大臣への委任の問題です(第109条の5)。

 

1 趣旨等

滞納処分等は、基本的には、厚生労働大臣の権限に係る事務の委任(第109条の4第1項第23号~第25号)として機構が行いますが、厚生労働大臣も、一定の場合は、自ら滞納処分等の権限を行うことができます(第109条の4第2項以下)。

そして、滞納処分等に係るこの厚生労働大臣の権限の全部又は一部は、滞納処分等の強化を図る見地から、「政令で定める事情」があるときは、「財務大臣」に委任できます(第109条の5第1項)。(財務大臣を通じて国税庁等が関与してきます。)

 

設問の前段(空欄のAとB)は、この財務大臣への権限の委任の全体の仕組みの概要に関するものであり、設問の後段(C以下)は、「政令で定める事情」に関するものです。 

 

2 A及びB

設問のBについては、「財務大臣」と入れられると思います。

Aについては、このように空欄にしてしまいますと難しくなるのですが、「執行を免れる目的」と「隠ぺい」がキーワードです。

 

3 C以下

C以下は、「政令で定める事情」に関する設問であり、平成27年10月1日施行の改正がありますので、注意です。

 

この「政令で定める事情」とは、以下の(ア)~(エ)いずれにも該当することです(施行令第11条の10、施行規則第105条、第106条)。

ここは、数字等の暗記が必要です。

 

◆政令で定める事情:

 

(ア)納付義務者が厚生労働省令で定める月数〔=13月分以上保険料を滞納していること。→この「13」月が空欄のCになります。 

 

(イ)納付義務者が法第109条の5第1項に規定する滞納処分等その他の処分(以下、「滞納処分等その他の処分」といいます)の執行を免れる目的でその財産について隠ぺいしているおそれがあること。

 

(ウ)納付義務者の前年の所得(1月から厚生労働省令で定める月〔=6月〕までにおいては、前々年の所得)が厚生労働省令で定める額〔=1千万円以上であること。

→この「1千万」円が空欄のDになります。

 

(エ)滞納処分等その他の処分を受けたにもかかわらず、納付義務者が滞納している保険料そ

の他国民年金法(第10章〔=基金及び連合会〕を除く)の規定による徴収金の納付について誠実な意思を有すると認められないこと。

→この「について誠実な意思を有すると認められないこと」が空欄のEになります。

 

 

※ 上記の(ア)について、平成27年10月1日施行の改正により、従来の「24月」から「13月」に改められています。

  

※ なお、厚年法健保法等においても財務大臣への権限委任の規定が定められています。

しかし、厚年法や健保法の場合は、上記の(ア)は、「24月分以上の保険料滞納であり、また、上記の(ウ)は、「納付義務者が滞納している保険料等の額が、厚生労働省令で定める金額〔=5千万円以上であること」に代わります(この「5千万円」については、今回の改正により、従来の「1億円」から引き下げられました)。

 

財務大臣への権限委任については、厚年法の択一式の平成26年度(問2)において1問(正しくない組み合わせを選ぶ難しい問題)出題されています(厚年法のこちら)。

出題されたばかりですが、今回は改正がありますので、厚年法・健保法も含めてカバーしておく必要があります。

数字等をどうしても覚えきれていないような場合は、次のゴロでも利用して下さい。

 

【ゴロ合わせ】

・「財務大臣は、結構、不審な5千万を、国民を通さないで隠ぺいした

 

→「財務大臣は、結・構(=「健」保法・「厚」年法)、不審(=「24」月分以上の保険料滞納)な、5千万(=健保法・厚年法の場合、滞納保険料等額が「5千万」円以上)を、

国民(=「国民」年金)を、通さ(=「13」月分以上の保険料滞納)ないで、隠ぺ(=「隠ぺい」)・い(=国年法の場合、前年所得が「1」千万円以上)・した」

 

 

※ 補足

上記の厚年法平成26年の過去問で出題がない部分について、若干、補足しておきます。

 

財務大臣は、本件の厚生労働大臣からの委任に基づき、滞納処分等を行ったときは、厚生労働省令で定めるところにより、滞納処分等その他の処分の執行の状況及びその結果を厚生労働大臣に報告するものとされます(第109条の5第2項)。

この報告は、6月に1回、所定の事項(財務大臣が行った差押え等の件数や財産の換価等により徴収した金額等に関する事項)について行うものとされます(施行規則第107条)。(国年法のこちら

 

この「6月に1回」についても、念のため、押さえておきます。

「財務(6)大臣」ですから、6月です。

 

以上で、【問2】の解説を終わります。

 

 

【問3】の解答(設問はこちら

 

A=④種別の変更

B=⑧第2号被保険者を使用する事業主を経由して行う

C=⑫第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して行う

 

(解説) 

本問は、第3号被保険者が行う届出の手続に関する問題です(本文はこちら以下)。

この第3号被保険者が行う届出の手続の規定(第12条第6項等)については、被用者年金一元化法により改正されていますが、実質的な内容は改正前と違いがありません。

ただ、表現が改められており、条文に慣れておかないと、時間を浪費しかねません。

 

1 概要 

要点は、次の通りです。

 

第3号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければなりません(ただし、氏名及び住所の変更に関する事項であって厚生労働省令で定めるものについては、この限りでありません)。(第12条第5項)

具体的には、当該事実があった日から14日以内に、所定の事項を記載した届書又は光ディスク(原則)を、その配偶者である第2号被保険者使用する事業主又はその配偶者である第2号被保険者組合員等とする国家公務員共済組合等経由して、日本年金機構に提出することによって行わなければなりません(第12条第6項以下等)。

 

条文に即して表現しますと、第1号厚生年金被保険者である第2号被保険者被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を使用する事業主経由して提出し、第2号厚生年金被保険者、第3号厚生年金被保険者又は第4号厚生年金被保険者である第2号被保険者被扶養配偶者である第3号被保険者にあっては、その配偶者である第2号被保険者を組合員又は加入者とする国家公務員共済組合地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団経由して提出しなければなりません。

 

全体のイメージ図は、次の通りです。

 

2 空欄の解説

(1)空欄のAについては、「種別の変更」であり「種別の確認」でないことに要注意です(両者を混乱させるような択一式の出題が少なくありません)。

種別確認の届出については、別途、規定されています(施行規則第6条の3)。

 

※ 種別確認の届出については、今回の選択式においては取り上げていませんが、表現が改正されていますので、その概要と条文の表現(こちら)について改めてチェックしておいて下さい。

 

(2)空欄のBとCについては、表現がややこしいことになっているのですが、要するに、第3号被保険者の配偶者が「第1号厚生年金被保険者かそれ以外の厚生年金被保険者(共済組合の組合員等である厚生年金保険の被保険者)であるか」によって、経由する者が異なるということに過ぎません。

第3号被保険者の配偶者が第1号厚生年金被保険者である場合は、その者を使用する事業主を経由し、他方、第3号被保険者の配偶者が第2号から第4号までの厚生年金被保険者である場合は、その者を組合員等とする国家公務員共済組合、地方公務員共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団を経由して届出を行うということです。

これを前提としたうえで、設問のように条文をベースに出題されたときも対応できるように最終チェックをして下さい。

 

その他、第3号被保険者が行う届出に関する知識については、択一式において出題します。

 

 

以上で、【問3】の解説を終わります。

 

 

【問4】の解答(設問はこちら

 

A=④50銭

B=⑧50銭以上1円未満

C=②1円

D=⑪毎年3月から翌年2月まで

E=⑮当該2月

 

(解説)

端数処理に関する問題です。被用者年金一元化法により改正された個所です(第17条第1項、第18条の2)。

端数処理については、厚年法においても、国年法と同様の改正が行われており、どちらかの科目で何らかの形で出題される可能性がありそうです。

 

端数処理の全体像は、次の(1)~(3)となります(条文順に見ておきます)。

 

(1)裁定・額の改定における端数処理(第17条第1項)

まず、年金給付を受ける権利を裁定する場合、又は年金給付の額を改定する場合の端数処理の問題があります。設問の1です。

この場合は、年金給付の額の50銭未満の端数は切り捨て、50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げることになりました(第17条第1項)。

(以下、この端数処理について、当サイトでは、「1円未満の端数の四捨五入」と表現します。)

 

一元化法による改正前は、上記の「50銭」は「50円」と、「1円」は「100円」と規定されており、「100円未満の端数の四捨五入」により処理していました。

 

(2)年金給付額の計算過程における端数処理(第17条第2項、施行令第4条の3)

また、今回の設問としては取り上げていませんが、年金給付の額を計算する過程において、1円未満の端数が生じたときは、1円未満の端数の四捨五入をすることができます(即ち、50銭未満の端数が生じたときは、これを切り捨て、50銭以上1円未満の端数が生じたときは、これを1円に切り上げることができます)。

 

(3)各支払期月における支払額の端数処理(第18条の2)

さらに、各支払期月における支払額の端数処理が問題です。これが、設問の2です。

 

(ⅰ)原則

各支払期月ごとの支払額1円未満の端数が生じたときは、当該端数は切り捨てます(第18条の2第1項の新設)。

 

(ⅱ)2月期支払の年金の加算 

◆ただし、毎年3月から翌年2月までの間において前記(ⅰ)により切り捨てた金額の合計額(この合計額に1円未満の端数が生じたときは、これを切り捨てた額)については、これを当該2月の支払期月の年金額に加算することになりました(第18条の2第2項)。

 

※ 従来は、上記(ⅰ)の端数処理について、国年法(厚年法)では直接規定がなく、「国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律」第2条第1項を適用して、同じ結論を導いていました。 

しかし、被用者年金一元化法による改正によって、上記(ⅰ)の端数処理を明記すると共に、例外である上記(ⅱ)の「2月期支払の年金の加算」の制度を新設しました。従来の共済年金の制度にそろえたものです。

 

 

・【具体例】

平成28年度の満額の老齢基礎年金のケースを例とします。

 

(ⅰ)老齢基礎年金の額

=「780,900円×改定率(0.999)」=780,119.1円→100円未満の端数の四捨五入により、780,100円

 

※ 老齢基礎年金の「満額」についての端数処理は、「1円未満の端数の四捨五入」ではなく、「100円未満の端数の四捨五入」になることに要注意です。

条文上(第27条柱書本文)、老齢基礎年金の満額についての端数処理は「100円未満の端数の四捨五入」になる旨が規定されているからなのですが、このように、「1円未満の端数の四捨五入」になる場合と「100円未満の端数の四捨五入」になる場合の実質的な見分け方については、国年法のこちら以下を再チェックして下さい。

それぞれの端数処理の具体例については、下記に図を再掲しておきます(厚年法の端数処理の個所で掲載した図と同様です)。

上記の具体例の続きに戻ります。

 

(ⅱ)各支払期月における支払額

=780,100円÷12×2=130,016.666・・・→1円未満の端数の切り捨てにより、130,016円

 

(ⅲ)6期分の合計額

=130,016円×6=780,096円

 

(ⅳ)上記の(ⅲ)と(ⅰ)との差額(=切り捨てた金額の合計額)

=780,100円ー780,096円=4円

 

(ⅴ)2月期支払の年金額 

=130,016円+4円=130,020円

 

 

 

端数処理の問題の最後に、厚年法も含めて、「1円未満の端数の四捨五入」になる場合と「100円未満の端数の四捨五入」になる場合の代表例をまとめておきます。 

 

例えば、択一式において、上記表の例から5つが出され、そのうち「1円(又は100円)未満の端数の四捨五入」になる場合を選ぶといったような出題もあり得ます。

 

以上で、問4の解説を終了します。次のページで、選択式の問5から再開します。いよいよ保険料関係の改正に入ります。