【平成28年度版】

 

平成28年度版 直前対策講座

平成28年度版の直前対策講座です。

主に、改正事項について、重要知識の再整理や選択式問題の練習等をしていきます。

 

まずは、安衛法からです。

 

 

安衛法

安衛法における平成28年度試験の範囲に関する改正事項のうち、ストレスチェック制度と特別安全衛生改善計画はとりわけ重要です。

ストレスチェック制度から見ていきます(特別安全衛生改善計画はこちら)。

  

§1 ストレスチェック制度

まず、一問一答形式で、いくつか質問をします。一問一答形式は、択一式と選択式の両者をカバーできるメリットがあります。

質問の事項について、記憶が薄れていて思い出せないような場合、直ちに解答を見るのではなく、その質問に関連して思いつく周辺知識をできるだけ思いおこしてみて下さい。

このように記憶を喚起する作業をある程度行ってから解答を確認して頂く方が、記憶が鮮明に残る可能性があります。

 

なお、ほとんどの事項を思い出せなくても、まだ試験まで時間はあります。テキストを徹底的に反復すればよいだけであり、落ち込んでいる時間はありません。

 

 

一問一答の後は、こちらで選択式の問題を出題しています(一問一答の後にすぐ選択式を解きますと、答えが簡単にわかってしまいますので、やや日にちを空けて解いて頂いたほうがよろしいです)。

 

 

〔1〕一問一答

〈1〉心理的な負担の程度を把握するための検査等の実施

 

1.事業者は、ストレスチェック制度として、どのような労働者に対して、どのような頻度で、どの時期に検査をしなければならないのか。→ 解答

 

2.ストレスチェック制度の実施が義務である事業場の要件は。→ 解答

 

3.ストレスチェックを実際に実施する者は、医師のほかに誰か。→ 解答

 

4.ストレスチェックの実施事務に従事できないのは、どのような地位にある者か。→ 解答

 

5.ストレスチェックの費用は、誰が負担するのか。→ 解答

 

6.事業主は、労働者がストレスチェックを受けるのに要した時間に係る賃金を支払わなければならないのか。→ 解答

 

7.派遣中の労働者に関し、ストレスチェックについて事業者としての責務を負うのは、派遣元事業者・派遣先事業者のどちらか。→ 解答

 

 

〈2〉面接指導

 

8.事業者が面接指導(ストレスチェックに係る面接指導をいいます。以下、このページにおいて同じ)を実施する義務を負うのは、どのような要件を満たす労働者についてか。→ 解答

 

9.事業者が面接指導について禁止される不利益取扱いとは。→ 解答

 

10.面接指導は、医師のほかに誰が行うことができるか。→ 解答

 

11.ストレスチェックに係る検査を行った医師等は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう何をすることができるか。→ 解答

 

12.事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを何年間保存しなければならないか。→ 解答

 

13.心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(ストレスチェックと面接指導の検査結果等報告書)について、どのような事業者が、どのような頻度で、どの時期に、所轄労働基準監督署長に提出しなければならないのか。→ 解答

 

 

一問一答は、以上です。続いて、選択式です。複数の出題(4問です)をする関係上、解答が重複するようなケースがありますが、ご了承下さい。

 

 

〔2〕選択式

【問 1】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

事業者は、常時使用する労働者に対し、 、次に掲げる事項について法第66条の10第1項に規定する の程度を把握するための検査を行わなければならない。

一 職場における当該労働者の の原因に関する項目

二 当該労働者の による心身の自覚症状に関する項目

三 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

 

選択肢

①その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際に 

②6月以内ごとに1回、定期に 

③2年以内ごとに1回、定期に 

④1年以内ごとに1回、定期に 

⑤その雇入れの際、当該業務への配置替えの際及び当該業務に就いた後6月以内ごとに1回、定期に 

⑥当該労働者の希望する時期に ⑦心理的な負荷 ⑧精神的な負担 ⑨過重負荷 ⑩心理的な負担 ⑪脳血管疾患及び虚血性心疾患等 ⑫精神障害 ⑬心理的な重荷 ⑭精神的な負荷

⑮心理的な障害

 

※ 解答はこちら

 

 

【問 2】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、 による を把握するための検査を行わなければならない。

 

選択肢

①医師、保健師

②医師、保健師又は看護師 

②医師、保健師又は検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師 

③医師、保健師、看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士 

④医師、保健師又は検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師 

⑤医師、保健師又は検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを受講した看護師若しくは精神保健福祉士

⑥医師、保健師又は検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師若しくは精神保健福祉士

⑦心理的な負荷 

⑧精神的な負担 

⑨過重負荷の程度

⑩心理的な負担の程度

⑪心理的な負荷の程度

 

※ 解答はこちら

 

 

【問 3】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

事業者は、いわゆるストレスチェックに係る検査を行った医師等から当該検査の結果の通知を受けた労働者であって、が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するものがを受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、を行わなければならない。

 

選択肢

①検査の結果

②検査の内容

③検査による結果の概要

④精神的な負担 

⑤ストレスの程度

⑥心理的な負荷 

⑦心理的な負担 

⑧心理的な負担の程度

⑨医師からの意見聴取

⑩医師又は保健師からの意見聴取

⑪医師による診察

⑫医師又は保健師による面接指導

⑬医師による面接

⑭医師又は心理療法士による面接指導

⑮医師による面接指導 

 

  

※ 解答はこちら

 

 

【問 4】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

事業者は、いわゆるストレスチェックを受けた労働者に対する の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。

事業者は、当該医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、 等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

  

①意見聴取

②通知

③診察

④健康診断個人票

⑤検査結果等報告書

⑥面接指導

⑦所定外労働の制限

⑧時間外労働の制限

⑨深夜業の制限

⑩深夜業の回数の減少

⑪所定労働時間の短縮措置

⑫始業終業時刻の変更

⑬産業医

⑭総括安全衛生管理者

⑯安全管理者衛生管理者

労使委員会

⑱労働委員会

⑲労働時間等設定改善委員会

⑳安全衛生推進者

 

 

※ 解答はこちら

 

 

 

 

一問一答の解答:

1.事業者は、「常時使用する」労働者に対し、「1年以内ごとに1回」、「定期に」、所定の事項について心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければなりません(規則第52条の9)。(「安衛法」のこちら以下

 

(1)なお、「常時使用する労働者」とは、次の①及び②のいずれの要件をも満たす者であることが必要です(すでに学習しました「定期健康診断」の対象となる「常時使用する労働者」の意義(こちら)と同様です。定期健康診断については、【択一式 平成27年問10ア】で出題)。

 

期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年以上である者並びに契約更新により1年以上使用されることが予定されている者及び1年以上引き続き使用されている者を含む。)であること。

 

②その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

 

(2)なお、労働者ストレスチェックを受ける義務ありません。ただ、原則として、全ての労働者がストレスチェックを受けることが望ましいとされます。

 

以上、一問一答の1の解答でした。 

 

 

 

2.ストレスチェック制度は、常時50人以上労働者を使用する事業場(=産業医の選任義務のある事業場)については、その実施が義務となりますが、常時50人以上の労働者を使用する事業場(=産業医の選任義務のある事業場)以外の事業場については、当分の間、その実施は努力義務となります(法附則第4条)。

 

※ 常時50人以上:

なお、安全衛生管理体制の問題で、「常時50人以上の労働者を使用する事業場が選任(設置)しなければならないもの」についても思い出しておいて下さい。次の通りです(請負組織については除いておきます)。

 

・安全管理者(ただし、いわゆる「屋外・工業的業種(1号業種)」と「屋内・工業的業種(2号業種)」のみであり、「屋内・非工業的業種(3号業種)」については、選任は不要です。

・衛生管理者

・産業医

・安全委員会(ただし、「1号業種(一部を除く)」及び「一部の2号業種(製造業等)」の場合です)

・衛生委員会

 

 

 

3.ストレスチェックを実際に実施する者は、医師のほか、次の者です(第66条の10第1項、規則第52条の10第1項)。

 

保健師

・検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師又は精神保健福祉士

 

※ ゴロ合わせは、こちらで確認。

 

 

※【追記】

実際に出題された内容は、次の通りでした。

 

・【選択式 平成28年度】

設問:

「4 労働安全衛生法第66条の10により、事業者が労働者に対し実施することが求められている医師等による心理的な負担の程度を把握するための検査における医師等とは、労働安全衛生規則第52条の10において、医師、保健師のほか、検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師又はとされている。」

 

解答:

E=精神保健福祉士

 

 

 

4.ストレスチェックの実施事務に従事できないのは、検査を受ける労働者について解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者です(規則第52条の10第2項)。(こちら

ストレスチェック結果が労働者の意に反して人事上の不利益な取扱いに利用されることがないようにする趣旨です。

 

 

 

5.ストレスチェックの費用は、事業者が負担します(【平成27.5.1基発0501第3号】(以下、「平成27年基発第3号」といいます)の第1の4)。面接指導の費用についても、同様です。(以上については、こちら。なお、健康診断の受診費用については、こちら。)

安衛法は事業者にストレスチェック及び面接指導の実施を義務づけており、事業者がこれらの実施に要する費用も負担することを当然の前提としているものと解されます。

 

 

 

 

6.事業主は、労働者がストレスチェックを受けるのに要した時間に係る賃金を当然に支払う義務は負いません(労使の協議によります)。面接指導についても同様です。

ノーワーク・ノーペイの原則が重視されています。(上記5のリンク先を参考)

 (なお、健康診断の受診に要した時間に係る賃金支払義務については、こちら

 

 

 

7.派遣中の労働者に関し、ストレスチェックについて事業者としての責務を負うのは、派遣事業者です(「平成27年基発第3号」の第1の4)。

派遣労働者の雇用期間中は、同一の事業者の下で、ストレスチェック等の実施、結果の管理及び必要な措置を行うことが妥当だからです。

 

※ 以上の5~7については、長時間労働に関する面接指導の場合(こちら)と同様の結論になります。

 

 

 

8.事業者が面接指導を実施する義務を負うのは、検査の結果、心理的な負担の程度高い者であって、面接指導を受ける必要があると当該検査を行った医師等が認めた労働者についてです(第66条の10第3項前段、規則第52条の15)。(こちら

なお、労働者が面接指導を受けることを希望する旨を申し出ることが必要です。

 

 

 

9.事業者が面接指導について禁止される不利益取扱いとは、労働者が面接指導の申出をしたことを理由とする不利益取扱いです(第66条の10第3項後段)。

 

 

 

 

10.面接指導は、医師のみ行えます。ストレスチェックと異なり、保健師等が行うことができない点は注意です(長時間労働に関する面接指導(健康診断実施後の面接指導)の場合(こちら)と同様です)。

 

 

 

 

11.ストレスチェックに係る検査を行った医師等は、面接指導の対象となる労働者の要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう「」することができます(規則第52条の16第3項)。(こちら

 

※ 安衛法において、他に「勧奨」が登場する主要なケース(3か所)も思い出して下さい。

 

(ⅰ)長時間労働に関する面接指導(健康診断の実施後の面接指導)における産業医による勧奨

産業医は、面接指導の要件に該当する労働者に対して、面接指導の実施の申出を行うよう勧奨することができます(規則第52条の3第4項)。(こちら

 

(ⅱ)特別安全衛生改善計画作成変更指示した場合の厚生労働大臣による安全衛生診断の受診意見聴取の勧奨(第80条第1項)

 

(ⅲ)安全衛生改善計画の作成を指示した場合の都道府県労働局長による安全衛生診断の受診意見聴取の勧奨(第80条第2項)。

 

・(ⅱ)と(ⅲ)は、ともに(特別)安全衛生改善計画に関する安全衛生診断及び意見聴取の勧奨である点は共通しますが、勧奨を行うもの(厚生労働大臣か都道府県労働局長か)や勧奨を行う対象(計画の作成のみか、変更も含むか)といった違いがあります。

のちの「特別安全衛生改善計画」の直前対策の個所でも触れます。

 

 

 

 

12.事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを「5年間」保存しなければなりません(第66条の10第4項、規則第52条の18第1項)。

 

※ ストレスチェックの検査結果の記録の保存義務期間(こちら)と同じです。

また、健康診断個人票の保存義務期間こちらや長時間労働に関する面接指導の結果記録の保存義務期間(こちら)とも同じです。

 

 

 

 

13.心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書(ストレスチェックと面接指導の検査結果等報告書)について、「常時50人以上の労働者を使用する」事業者は、「1年以内ごとに1回」、「定期に」、所轄労働基準監督署長に提出しなければなりません(規則第52条の21)。(こちら

 

 

 

 

 

 

 

選択式の解答:

【問 1】解答(設問はこちら

 

A=④1年以内ごとに1回、定期に 

 

B=⑩心理的な負担

 

※ 次の規則第52条の9からの出題です。

 

【規則】

規則第52条の9(心理的な負担の程度を把握するための検査の実施方法)

事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回定期に、次に掲げる事項について法第66条の10第1項に規定する心理的な負担の程度を把握するための検査(以下この節において「検査」という。)を行わなければならない。

 

一 職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目

 

二 当該労働者の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目

 

三 職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目

 

 

【問 2】解答(設問はこちら

 

A=⑥医師、保健師又は検査を行うために必要な知識についての研修であって厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師若しくは精神保健福祉士

 

B=⑩心理的な負担の程度

 

※ 第66条の10第1項(こちら)及び規則第52条の10第1項(こちら)からの出題です。

 

 

Aについては、登場する4者を記憶しておいた方がよいです。

第66条の10第1項では、「事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者(以下この条において「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査を行わなければならない。」と規定されています。

この「その他の厚生労働省令で定める者」について、規則第52条の19第1項が次のように規定しています。

 

 【規則】

規則第52条の10(検査の実施者等)

1.法第66条の10第1項の厚生労働省令で定める者は、次に掲げる者(以下この節において「医師等」という。)とする。

 

一 医師

 

二 保健師

 

三 検査を行うために必要な知識についての研修であつて厚生労働大臣が定めるものを修了した看護師又は精神保健福祉士

 

2.検査を受ける労働者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない。

 

 

ちなみに、あまり関係はありませんが、健保法の「訪問看護療養費」において登場します訪問看護を行う「看護師その他厚生労働省令で定める者」とは、「看護師、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士」の7者です。

ゴロは、「訪問は、管理原簿を作って、順序良く」でした。

 

 

上記のBについては、前問【問1】のBとかぶっており、容易に解答できたと思いますが、初めにこちらの【問2】から解いた場合には、やや迷ったかも知れません。

簡単なキーワードであってもいざ出題されると解答に確信が持てなくなるというのが、選択式の怖いところです。テキスト読みの際に、選択式を意識してキーワードをチェックしながら再度熟読して下さい。

 

 

【問 3】解答(設問はこちら

 

A=⑧心理的な負担の程度

 

B=⑮医師による面接指導 

 

※ 面接指導の次の第66条の10第3項からの出題です。

 

【条文】

第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

 

 

〔第2項までは、省略。〕

 

3.事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であつて、心理的な負担の程度労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令〔=施行規則第52条の15〕で定める要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令〔=施行規則第52条の16〕で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

 

〔第4項以下は、省略。〕

 

 

 

Aの「心理的な負担の程度」というキーワードは、ストレスチェック及び面接指導において必ず記憶が必要です。

Bの「面接指導」については、実施できるのは医師のみである点はくれぐれも注意です。

設問(こちら)の選択肢中の「⑨医師からの意見聴取」については、次の【問4】で出題しています。

 

 

【問 4】解答(設問はこちら

 

 

A=⑥面接指導

 

B=⑩深夜業の回数の減少

 

C=⑲労働時間等設定改善委員会 

 

※ ストレスチェックに係る「面接指導の実施後の医師からの意見聴取」(第66条の10第5項及び第6項)からの出題です(こちら以下)。

BとCは、少し難しかったかもしれません。下記の条文をよく読んでおいて下さい。

基本的には、「長時間労働に関する面接指導等の実施後の問題」(こちら)とパラレルな取り扱いになっています(第66条の8第4項及び第5項参考)。

 

※ なお、「健康診断の実施後の措置」としての「労働条件の変更等の就業上の措置」(第66条の5。こちら)については、【選択式 平成26年度 E】において、「衛生委員会若しくは安全衛生委員会」という個所が出題されています。

 

 

 

【条文】

第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査等)

 

 

〔第2項までは、省略。〕

 

3.事業者は、前項の規定による通知を受けた労働者であつて、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令〔=施行規則第52条の15〕で定める要件に該当するものが医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした労働者に対し、厚生労働省令〔=施行規則第52条の16〕で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない。この場合において、事業者は、労働者が当該申出をしたことを理由として、当該労働者に対し、不利益な取扱いをしてはならない。

 

4.事業者は、厚生労働省令〔=施行規則第52条の18〕で定めるところにより、前項の規定による面接指導の結果を記録しておかなければならない。

 

5.事業者は、第3項の規定による面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令〔=施行規則第52条の19〕で定めるところにより、医師の意見を聴かなければならない。

 

6.事業者は、前項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。

 

〔第7項以下は、省略。〕

 

 

 

ちなみに、設問の選択肢の中にある⑦所定外労働の制限、⑧時間外労働の制限、⑨深夜業の制限、⑪所定労働時間の短縮措置及び⑫始業終業時刻の変更〔始業時刻変更等の措置〕は、「育児介護休業法」でおなじみのキーワードです(育児介護休業法第第16条の8以下)。

育児介護休業法は、この「直前対策講座」の第3回目で取り扱う予定です。

 

 

 

最後に、ストレスチェック制度の全体のイメージ図を掲載しておきます(厚労省作成の図を改編しています)。

 

次に、これも新設事項である特別安全衛生改善計画について、直前対策をします。

 

 

§2 特別安全衛生改善計画

重大な労働災害繰り返す企業に対して、厚生労働大臣が「特別安全衛生改善計画」の作成(変更)を指示することができることになりました(第78条。平成27年6月1日施行)。

当該計画の作成の指示に従わない場合等においては、厚生労働大臣は勧告し、勧告に従わない場合はその旨を公表することができます。

従来の「安全衛生改善計画」(第79条)との異同に注意です。

 

以下、まず選択式、続いて択一式を掲載しておきます。

 

 

〔1〕選択式

【問 1】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

 は、 として厚生労働省令で定めるものが発生した場合において、 の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、 を作成し、これを  に提出すべきことを指示することができる。

 

選択肢

①都道府県労働局長

②厚生労働大臣

③労働基準監督署長

④重大な業務災害

⑤労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があるもの

⑥快適な職場環境の形成を阻害するもの

⑦重度の健康障害を生じるおそれのあるもの

⑧重大な労働災害

⑨繰り返された労働災害

⑩安全又は衛生に係る診断に関する改善計画(「安全衛生診断改善計画」という。)

⑪快適な職場環境の形成に関する改善計画(「職場環境改善計画」という。)

⑫その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「安全衛生改善計画」という。)

⑬その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「特別安全衛生改善計画」という。)

⑭その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「作業環境改善計画」という。)

 

※ 解答はこちら

 

 

【問 2】

 

次の文中の    の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

厚生労働大臣は、 の作成又は変更の指示を受けた事業者がその指示に従わなかった場合又は  を作成した事業者が当該  を守っていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを  することができる。

 

選択肢

①安全衛生改善計画

②安全衛生診断改善計画

③安全管理改善計画

特別安全衛生改善計画

⑤特定安全衛生改善計画

⑥特別安全衛生管理計画

⑦勧奨

⑧指示

⑨助言

勧告

⑪公表

⑫行政指導

 

※  解答はこちら

 

 

 

 

 

選択式の解答:

【問 1】解答(設問はこちら

 

A=②厚生労働大臣

 

B=⑧重大な労働災害

 

C=⑬その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「特別安全衛生改善計画」という。)

 

解説は、択一式の解説の個所で行います。

 

 

【問 2】解答(設問はこちら

 

A=④特別安全衛生改善計画

 

B=⑩勧告

 

Aについては、前問と同じですので、問題ないはずです。

Bは、「勧奨」ではありません。「勧奨」は、安全衛生診断(第80条)で登場します。

なお、「安全衛生診断」の「勧奨」については、今回の改正の前ですが、平成26年度の選択式で出題されており、今回の選択式では出題しにくいかもしれません。

 

 

特別安全衛生改善計画の全体像は、次の図の通りです(厚労省作成の図をベースに筆者が細部は改編しています)。

図の次に、択一式を2問出題していますので(特別安全衛生改善計画に関する知識をほぼ網羅しています)、そこで細かい知識を確認して下さい。

 

 

 

 

〔2〕択一式

【問 1】

 

労働安全衛生法に定める特別安全衛生改善計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

ア 厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(以下本問において「重大な労働災害」という。)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「特別安全衛生改善計画」という。)を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができる。

 

イ 特別安全衛生改善計画の作成を指示する場合の厚生労働省令で定める重大な労働災害とは、労働災害のうち、労働者が死亡したもの又は労働者が負傷し、若しくは疾病にかかったことにより、労働者災害補償保険法施行規則別表第1の第1級の項から第3級の項までの身体障害欄に掲げる障害のいずれかに該当する障害が生じたもの又は生じるおそれのあるものをいう。

 

ウ 特別安全衛生改善計画の作成を指示する場合の要件の一つとして、重大な労働災害を発生させた事業者が、当該重大な労働災害を発生させた日から起算して5年以内に、当該重大な労働災害が発生した事業場以外の事業場において、当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害を発生させたことが要求されている。

 

エ 特別安全衛生改善計画の作成を指示された事業者は、当該指示があった日から起算して3か月以内に所定の事項を記載した特別安全衛生改善計画を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

 

オ 事業者は、特別安全衛生改善計画を作成しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者(以下、本肢において「過半数労働組合等」という。)との書面による協定で定められた事項については、過半数労働組合等の同意を得なければならない。

 

※ 解答はこちら

 

 

【問 2】 

 

労働安全衛生法に定める特別安全衛生改善計画及び安全衛生改善計画に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

ア 厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示を受けた事業者がその指示に従わなかった場合又は特別安全衛生改善計画を作成した事業者が当該特別安全衛生改善計画を守っていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを助言又は指導することができる。

この場合、当該助言又は指導を受けた事業者がこれに従わなかったときは、厚生労働大臣は、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

 

イ 厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画が重大な労働災害の再発の防止を図る上で適切でないと認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該特別安全衛生改善計画を変更すべきことを指示しなければならない。

 

ウ 厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、特別安全衛生改善計画の作成又は変更について、これらの者の意見を聴くべきことを勧告することができる。

 

エ 特別安全衛生改善計画の作成を指示された事業者は、特別安全衛生改善計画作成指示書に記載された提出期限までに次の(1)から(5)に掲げる事項を記載した特別安全衛生改善計画を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

(1)氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2)計画の対象とする事業場

(3)計画の期間及び実施体制

(4)当該事業者が発生させた重大な労働災害及び当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害の再発を防止するための措置

(5)前記(1)から(4)に掲げるもののほか、(4)の重大な労働災害の再発を防止するため必要な事項

 

オ 厚生労働大臣は、事業場の施設その他の事項について、労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるとき(第78条第1項の規定により厚生労働大臣が同項の厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「安全衛生改善計画」という。)を作成すべきことを指示することができる。

 

 

※ 解答はこちら

 

 

択一式の解答

【問1】解答(設問はこちら

 

正解は、アです。以下、解説を行います(基本的に、1肢ごとに設問も再掲しています)。

 

ア このアは、第78条第1項の条文通りの出題であり、正しいです。

この第78条第1項において、特別安全衛生改善計画の作成についての基本的内容が規定されています。 

即ち、厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(この「厚生労働省令」の内容を次の設問イで出題しています)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合(この「厚生労働省令」の内容を設問ウで出題しています)に該当すると認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(「特別安全衛生改善計画」)を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができます。

 

 

 

イ このイは、「特別安全衛生改善計画の作成を指示する場合の厚生労働省令で定める重大な労働災害とは、労働災害のうち、労働者が死亡したもの又は労働者が負傷し、若しくは疾病にかかったことにより、労働者災害補償保険法施行規則別表第1の第1級の項から第3級の項までの身体障害欄に掲げる障害のいずれかに該当する障害が生じたもの又は生じるおそれのあるものをいう。」という設問です。

 

本肢は、上記の赤字の部分が「第3級」となっている点が誤りであり、正しくは「第7級」となります(つまり、障害補償年金の支給対象となる障害等級に該当することが必要になるということです)。規則第84条第1項からの出題です。難しかったかもしれません。

 

ちなみに、「労働者災害補償保険法」施行規則の別表第1が問題になっているのであり、「労働基準法」施行規則の別表第1ではありません。

「労働基準法」施行規則の別表第1は、労働基準法の災害補償のうち、障害補償の障害等級を定めています。

 

 

 

ウ このウは、「特別安全衛生改善計画の作成を指示する場合の要件の一つとして、重大な労働災害を発生させた事業者が、当該重大な労働災害を発生させた日から起算して5年以内に、当該重大な労働災害が発生した事業場以外の事業場において、当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害を発生させたことが要求されている。」という設問です。

 

「5年以内に」ではなく、「3年以内に」が正しいです。

 

 

※ ここで、厚生労働大臣が特別安全衛生改善計画の作成を指示することができる要件を整理しておきます。

 

〇要件

重大な労働災害として厚生労働省令で定めるものが発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として、厚生労働大臣が厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるとき(第78条第1項)。

 

(1)重大な労働災害〔この(1)が、上記の肢イの出題個所です。〕

「重大な労働災害」とは、労働災害のうち、次の(ⅰ)又は(ⅱ)のいずれかに該当するものです(規則第84条第1項)。

(ⅰ)労働者が死亡したもの

(ⅱ)労働者が負傷し、又は疾病にかかったことにより、労働者災害補償保険法施行規則別表第1〔=障害等級表〕の第1級から第7級までの身体障害が生じたもの又は生じるおそれのあるもの

 

(2)重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合〔この(2)が、上記の肢ウの出題個所です。〕

「重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合」とは、次の(ⅰ)又は(ⅱ)のいずれにも該当する場合です(規則第84条第2項)。

(ⅰ)重大な労働災害を発生させた事業者が、当該重大な労働災害を発生させた日から起算して3年以内に、他の事業場において、当該重大な労働災害と再発防止措置が同様である重大な労働災害を発生させた場合

(ⅱ)当該事業者が発生させた複数の重大な労働災害が、いずれも安衛法等安全又は衛生に係る関係法令の規定(※1)に違反して発生させたものである場合

 

※1 条文上は、要旨、「安衛法、じん肺法若しくは作業環境測定法若しくはこれらに基づく命令の規定又は労働基準法第36条第1項ただし書〔=坑内労働その他特に有害な業務の労働時間の延長の制限〕、第62条第1項若しくは第2項〔=年少者の危険・有害業務の就業制限〕、第63条〔=年少者の坑内労働の禁止〕、第64条の2〔=妊産婦等の坑内業務の就業制限〕若しくは第64条の3第1項若しくは第2項〔=女性の危険有害業務の就業制限〕若しくはこれらの規定に基づく命令の規定に違反して発生させたものである場合」と定められています。

上記の労基法の各規定については、あとで簡単に復習しておいて下さい。

 

 

肢の解説に戻り、次はエです。

 

エ このエは、「特別安全衛生改善計画の作成を指示された事業者は、当該指示があった日から起算して3か月以内に所定の事項を記載した特別安全衛生改善計画を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。」という設問です。

 

赤字の部分が誤りであり、正しくは、「特別安全衛生改善計画作成指示書に記載された提出期限までに」となります(規則第84条第4項柱書)。

なお、特別安全衛生改善計画に記載する所定の事項については、【問2】の エで出題しています(この記載事項までは覚える必要はないでしょう)。

 

 

オ このオは、「事業者は、特別安全衛生改善計画を作成しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者(以下、本肢において「過半数労働組合等」という。)との書面による協定で定められた事項については、過半数労働組合等の同意を得なければならない。」という設問です。

 

赤字の部分が誤りであり、正しくは、「の意見を聴かなければならない。」となります。

即ち、過半数労働組合等の意見の聴取義務であり、例えば、労基法の就業規則の作成(又は変更)の際の意見徴収義務(労基法第90条第1項)等と同様です。

 

以上、かなり細かい内容の設問が多かったですが、本問の【問1】と次の【問2】で、特別安全衛生改善計画についての重要知識はほぼ網羅されています。

これらの問題を解いた後、再度、テキストで確認しておいて下さい。

 

次は、【問2】です。

 

  

 

 

【問2】解答(設問はこちら

 

正解は、エです。

 

ア このアは、「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示を受けた事業者がその指示に従わなかった場合又は特別安全衛生改善計画を作成した事業者が当該特別安全衛生改善計画を守っていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを助言又は指導することができる。

この場合、当該助言又は指導を受けた事業者がこれに従わなかったときは、厚生労働大臣は、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。」という設問です。

 

上記赤字の3か所が誤りです。

「助言又は指導」ではなく「勧告」に、「勧告」ではなく「公表」に置き換えれば正しい内容になります(第78条第5項、第6項)。

こちらの図の右下の「勧告」と「公表」の問題です。 

 

 

イ このイは、「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画が重大な労働災害の再発の防止を図る上で適切でないと認めるときは、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該特別安全衛生改善計画を変更すべきことを指示しなければならない。」という設問です。

 

赤字の部分が誤りです。「しなければならない」ではなく、「することができる」です。

 

 

ウ このウは、「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタントによる安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、特別安全衛生改善計画の作成又は変更について、これらの者の意見を聴くべきことを勧告することができる。」という設問です。

 

赤字の部分が誤りです。「勧告」ではなく、「勧奨」です。

「勧奨」については、こちらで学習しました。

 

 

エ このエは、「特別安全衛生改善計画の作成を指示された事業者は、特別安全衛生改善計画作成指示書に記載された提出期限までに次の(1)から(5)に掲げる事項を記載した特別安全衛生改善計画を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。

(1)氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2)計画の対象とする事業場

(3)計画の期間及び実施体制

(4)当該事業者が発生させた重大な労働災害及び当該重大な労働災害と再発を防止するための措置が同様である重大な労働災害の再発を防止するための措置

(5)前記(1)から(4)に掲げるもののほか、(4)の重大な労働災害の再発を防止するため必要な事項」という設問です。

 

規則第84条第4項で規定されている内容であり、正しいです。

記載事項を細かく覚える必要はありません。この【問2】は、本肢のエについて受験生が「知らない」ことを前提にしており、本肢以外の他の肢から消去法的に解答を導くことを想定して作成されています。

 

 

 

オ 最後のオは、「厚生労働大臣は、事業場の施設その他の事項について、労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるとき(第78条第1項の規定により厚生労働大臣が同項の厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く。)は、厚生労働省令で定めるところにより、事業者に対し、当該事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「安全衛生改善計画」という。)を作成すべきことを指示することができる。」という設問です。

 

本肢のみは、「安全衛生改善計画」の問題です。

安全衛生改善計画は、「厚生労働大臣」ではなく「都道府県労働局長」が当該計画の作成を指示することに注意です。よって、本肢も誤りです。

(なお、かっこ書の「(第78条第1項の規定により厚生労働大臣が同項の厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く。)」の第78条第1項とは、特定安全衛生改善計画の作成に関する規定です。)

 

「安全衛生改善計画」については、今回の改正前の内容と基本的に同様です。

次の条文を再確認しておいて下さい。

 

 

【条文】

第79条(安全衛生改善計画)

1.都道府県労働局長は、事業場の施設その他の事項について、労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるとき(前条第1項〔=特別安全衛生改善計画の作成の指定〕の規定により厚生労働大臣が同項の厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く。)は、厚生労働省令〔=規則第84条の3〕で定めるところにより、事業者に対し、当該事業場の安全又は衛生に関する改善計画(以下「安全衛生改善計画」という。)を作成すべきことを指示することができる。

 

2.前条第2項〔=過半数労働組合等の意見聴取義務〕及び第3項〔=計画の順守義務〕の規定は、安全衛生改善計画について準用する。この場合において、同項中「第1項」とあるのは、「次条第1項」と読み替えるものとする。 ※1

 

※1 上記第2項は、特別安全衛生改善計画の第78条の第2項及び第3項を準用しています。そこで、次のように、意見聴取義務と計画遵守義務の規定が準用されます。

 

・事業者は、安全衛生改善計画を作成しようとする場合には、当該事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときにおいてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときにおいては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない(第78条第2項の準用)。

 

・事業者及びその労働者は、安全衛生改善計画を守らなければならない(第78条第3項の準用)。

 

 

以上で、択一式の解説を終わります。

 

これにて、直前対策講座の第1回目の安衛法を終わります。次回は、派遣法の改正点についての問題練習をします。

【平成28年6月14日】