更新等のお知らせ 令和4年度(2022年度)

 

 

令和3年8月24日(火曜)

本試験選択式の分析

本試験、大変な1日でしたが、本当にお疲れさまでした。

受験をされて、なんとか無事に帰宅されたというだけでも大変だったと思います。まずは疲れをとって頂き、心身を十分ケアして頂ければと思います。

 

ただし、記憶が鮮明に残っている間に、今回の本試験の分析をどこかの時点で行って頂くのはとても有益です。

ここでは、選択式について、簡単に分析しておきます。

 

選択式の全体的な印象ですが、かなり厳しかったです。昨年度に比べて難化しており、どの科目も細かい箇所からの出題がありました。

とりわけ、労働一般の選択式は、非常に厳しいです。おそらく基準点が引き下げられると思いますが、基準点が1点であっても良いレベルであるようにも見えます(従来、労働一般の基準点引き下げは厳格ですので、多分2点になると思われますが。社会一般なら、平成25年度に1点に引き下げられたことがありました)。

詳しくは後述し、以下、科目ごとにみていきます(各科目ごとのパスワードをご使用下さい)。

(なお、以下は、メールしました内容を再整理して掲載しています。)

 

 

1 労基法・安衛法

安衛法の2つの空欄が結構厳しいため、基準点の引き下げがあるかどうか微妙ですが、さしあたりはあまり期待しないほうが良さそうです。

 

 

(1)労基法

 

(ⅰ)空欄Aの「賠償予定の禁止」については、労基法で頻出の「労働憲章」からの出題であること、また、類問が【択一式 平成28年問2C(こちら)】で出題されていることから、ぜひとも正解が欲しいところです。ここを間違えますと、労基法・安衛法での基準点確保が厳しくなります。

当サイトでは、こちらで記載しています。

 

対策としては、「労働憲章」からは出題されると想定して、まず条文を十分読み込んで頂くこと、そして、今回のように条文だけでなく関連知識も出題されるため、当サイトを含むテキストをよく熟読して頂くこととなります。

 

(ⅱ)空欄のB及びCは、【国際自動車事件=最判令和2.3.30】からでした。

この判例については、「直前対策講座」の「その6」の【問1】で取り上げており(こちら直前対策講座のパスワード)、空欄のBについては的中しました。

空欄のCについては、直前対策講座で空欄を作成できていず、この直前対策講座や本文中でも太字に留まっており、対応が甘かったでした。

この空欄のCの部分は、同じような論点(使用者側が割増賃金であると主張する部分が割増賃金に当たる部分であることが必要であるという要件)を取り上げている【日本ケミカル事件=最判平成30.7.19】で言及されていない判示であるため、直前対策でも空欄にすべきでした。

 

 

(2)安衛法

 

(ⅰ)空欄のDは、安衛法第62条の「中高齢者等についての配慮」(安衛法のこちら)からです。

この「中高齢者等についての配慮」の条文について一読したことがある方は、「心身の条件」というキーワードも記憶に残っていたかもしれません。

ただ、なにしろ安衛法も政省令を含めますと膨大なエリアがあり、典型的な出題論点である安全衛生管理体制とか健康診断等ではない箇所から出題されますと、苦しいことは事実です。

もっとも、この空欄Dは、安衛法(法律)からの出題であり、規則からの出題ではありません。

選択式がある科目については、法律条文については、きちんと読み込む必要があります。

安衛法自体は、それほど条文が多くないですから(本則だけなら123条しかありません)、安衛法の条文をきちんと読み込むことが対策になります。

もちろん、ただ条文を読んでも記憶に結びつきませんから、条文内容(条文の解説)を当サイトで確認して頂き、内容とともに自然に記憶に残っていくという形がよろしいと思います。

 

なお、今回の選択式では、労働一般も含め、「中高齢者」(就職氷河期世代)をひとつのテーマにしていたふしがあります。

 

 

(ⅱ)空欄のEについては、当サイトの本文ではかなりマークしていました。

こちらで、「高さが2メートル以上」、「作業床」について太字の赤字にしています。墜落等による危険の防止は、近時の改正事項があり、注意が必要でした。

 

令和2年度の選択式(こちら)においても、「墜落、飛来崩壊等による危険の防止」から、規則第526条の「昇降するための設備の設置等」が出題されていました(「1.5」メートルが空欄でした)。

この令和2年度の選択式のメール解説の際は、上記本文で「高さが2メートル以上」である点を強調していることから、「1.5」メートルの正答は無理である旨を述べていましたが、今回は「2メートル」が出題されました。

前回のメール解説をお読みだった方は、あるいはかすかに脳裏に残っておられた方もおられるかもしれません。

 

いずれにしましても、今回の安衛法について、直前対策で取り上げることができず、当サイトの力不足でした。

空欄AとBを正答する他、安衛法の2つの空欄のいずれかを正答するか、空欄Cを正答することによって、基準点をなんとか確保したいという内容でした。

 

 

2 労災保険法

労災保険法も、結構微妙です。

 

(1)空欄A及びBは、今回から出題対象となった複数事業労働者・複数業務要因災害に関する出題です。

最新の改正事項が出題されました。ここ最近の傾向(労働法では、直近の改正事項の出題は少なくなっていました)とは異なります。

 

まず、空欄Bについては、「直前対策講座」(労災保険法)の【問2(こちら)】において、択一式ではありますが、一応、的中しました。

この空欄のAとBは、知らないと全く解けない箇所ですので、これを直前対策講座でチェックして頂いていれば、結構、ヒットであったと思われます。

 

空欄Aについては、サイト本文のこちら以下などで掲載しています。もう少し記載を強調しておくべきでした。

 

(2)空欄Cの支給停止期間(本文のこちら)は、基本的な箇所であり、押さえておく必要がありました。

 

(3)遺族補償年金の遺族の要件に関する空欄のDとEについては、Eは簡単です。

一方、空欄のDは、出題として問題があります。

正解は、一応、⑥の「60」歳なのですが、⑤「55」歳と紛らわしいです(55歳でも、実際の結論としては間違っているわけではありません)。

 

この設問は、第16条の2第1項そのままの出題ですから(右リンク先の条文をご覧下さい)、空欄のDも、当該条文の通り、「60」歳とすることになります。

また、「55」歳というのは、あくまで「特例」(若年支給停止者です)に過ぎず(本文のこちら以下の特に「(2)若年支給停止者」の箇所で触れています)、本問のように、本則と特例がある場合に空欄となっているケースは、通常、「本則」を解答することになっています。

 

それにしましても、本問の場合は、設問中に、例えば「第16条の2第1項によると・・・」といった記載もなく、紛らわしい箇所を空欄にしており、1年かけて学習した側の立場に立てば選択式の出題としては不適切といえます(労災保険法では、時々、この類の問題が発生します)。

空欄のAとBを十分学習していなかった場合、この空欄Dで決まった可能性もあり、疑問の残る出題です。

 

いずれにしましても、当サイトで学習されていた場合は、空欄BとC、さらにEを正解することは可能であり、なんとかクリアーして頂けたものと思われます。

 

なお、この遺族(補償)等年金の遺族の問題については、複数業務要因災害としてですが、直前対策講座のこちらのDで取り上げており、本問の遺族の要件(「60(55)歳」)についても解説で触れています。

 

 

3 雇用保険法

雇用保険法は、設問の2の空欄3つが、かなり厳しいです。

 

(1)設問の1は、算定対象期間からの出題であり、割合基本的な問題です(当サイトのこちら以下)。

設問中、「原則算定対象期間」という「行政手引」が使用する用語を用いていますので(当サイトも使用しています)、条文だけでなく、「行政手引」を参照して設問を作成していることになります(【行政手引50151】以下。こちらの29ページ以下)。

 

空欄Bの「30」日以上については、「直前対策講座」の【問8】(設問1の空欄B。こちら)で的中しました。

この「30」は、こちらのゴロ合わせで一発です。

このように、重要な数字については、ゴロ合わせなどによって確実に記憶して下さい。

ゴロを作ったり、記憶することは大変ですが、いったんこの作業をすると、この空欄Bのように「サービス問題」となります(逆に、この空欄Bを落としますと、合格が厳しくなりかねません)。

 

なお、次の設問2で判明しますが、雇用保険法は「行政手引」からの出題が頻出です。

しかし、皆様が「行政手引」をわざわざチェックされる必要はありません。

当サイトで、出題対象となる「行政手引」は網羅していますので、当サイトをお読み頂くことが、雇用保険法攻略のポイントとなります。

 

 

(2)設問の2が問題です。

 

本問は、求職活動の確認に関する基準についての「行政手引」からの出題です。本文は、こちら以下です。

この求職活動実績に基づく失業の認定は、結構出題が多く、前回の令和2年度の択一式においても、2肢出題されています(【問2A(こちら)】と【問2E(こちら)】)。

 

本問は、自己の責めに帰すべき重大な理由により解雇され(=重責解雇)、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職したことによる給付制限(離職理由による給付制限)のうち、「初回支給認定日以外の認定日」についての「求職活動実績に基づく失業の認定」の基準に関する問題です。 

 

今回は、離職理由による給付制限満了後の「失業の認定の対象となる求職活動実績の基準」について、運用上の改正があり、その周辺部分を狙ってきました。

本問は、当該改正のうち、「初回支給認定日」以外の認定日に係る失業の認定に関する問題であり、通常の「失業の認定の対象となる求職活動実績の基準」と同じ考え方となるケースであり、非常に紛らわしいことになっています。

「行政手引」(こちら)の186頁であり(【行政手引51254 ロ】)、以下、該当箇所を引用します。

 

 

〔引用開始。〕

 

b 法第33条の給付制限を行う場合の取扱い

 

(a)法第33条の給付制限〔=離職理由による給付制限〕(給付制限期間が1か月となる場合を除く。)満了後の初回支給認定日については、当該給付制限期間と初回支給認定日に係る給付制限満了後の認定対象期間をあわせた期間に求職活動を原則3回以上(給付制限期間が2か月の場合は、原則2回以上)行った実績を確認できた場合に、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定を行う。

 

〔※ 上記(a)のかっこ書の「(給付制限期間が2か月の場合は、原則2回以上)」という箇所は、離職理由による給付制限における令和2年10月1日施行の運用の改正(「正当な理由がない自己都合退職」に係る給付制限期間は、原則として、2箇月に緩和されました)に伴い、追記されたものです。〕

 

(b)(a)の給付制限期間中の求職活動実績の要件は、初回支給認定日に係る認定対象期間のみを対象とするものであり、それ以外の認定日については、aの基準〔=次に説明します〕によって判断する。

 

〔引用終了。〕

 

 

上記の「aの基準」とは、 原則の「失業の認定の対象となる求職活動実績の基準」のことであり、この行政手引を引用しますと、次のとおりです(当サイトのこちら以下です)。

 

〔引用開始。〕

 

ロ 求職活動実績に基づく失業の認定 

 

(イ)失業の認定の対象となる求職活動実績の基準

 

a 求職活動の回数 

 

(a)基本手当に係る失業の認定日において、原則として前回の認定日から今回の認定日の前日までの期間(法第32条〔=紹介就職拒否等による給付制限〕の給付制限の対象となっている期間を含む。以下「認定対象期間」という。)に、求職活動を行った実績(以下「求職活動実績」という。)が原則2回以上あることを確認できた場合に、当該認定対象期間に属する、他に不認定となる事由がある日以外の各日について失業の認定を行う。

 

(b)ただし、次のいずれかに該当する場合には、上記(a)に関わらず認定対象期間中に行った求職活動実績は〔=空欄のC〕回以上あれば足りるものとする。

 

ⅰ 法第22条第2項に規定する厚生労働省令〔=施行規則第32条〕で定める理由〔=就職困難者に係る理由。こちら〕により就職が困難なもの(50304参照)である場合

 

ⅱ 基本手当の支給に係る最初の失業の認定日(以下「初回支給認定日」という。)における認定対象期間(待期期間を除く。)である場合

 

ⅲ 認定対象期間の日数が14日未満となる場合

 

ⅳ 求人への応募を行った場合(当該応募を当該認定対象期間における求職活動実績とする。)〔=空欄のDを参考〕

 

ⅴ 巡回職業相談所〔=空欄のE〕における失業の認定(51901~51950参照)及び市町村長の取次ぎによる失業の認定(51951~52000参照)を行う場合

 

〔引用終了。〕

 

 

厳密には、行政手引では、空欄Dに相当する上記「ⅳ」は、前掲の通り、「求人への応募を行った場合(当該応募を当該認定対象期間における求職活動実績とする。)」となっており(当サイトでも、このように記載しています)、空欄Dの正解肢(「求人への応募処理の郵送」)は、この行政手引を具体化した内容となっており、その意味でひねりも加えられています。

さらに、空欄Eは、非常に難しいです(当サイトでは、太字にもしていませんでした)。

 

このように、設問の2は、非常にややこしい箇所を出題してきました。

空欄のCについては、選択肢中の「1」回、「2」回又は「3」回、のいずれが正解であるのか、かなり迷う箇所になります。

本問は、空欄のAとBを正答することが必要であり、その上で、CかDを正答できれば、ということになります。嫌な出題でした。

 

 

4 労働一般

労働一般は、非常に厳しいです。

 

(1)設問の1(空欄のA)は、労働施策総合推進法第9条の「募集及び採用における年齢制限の禁止」に関する例外の問題です。

前年度の改正事項である「就職氷河期世代に係る暫定措置」からでした(労働一般のこちら)。

 

本文中では、「35歳以上55歳未満」という年齢要件についても赤字で強調はしていますが、「直前対策講座」で取り上げることができず、当サイトの力不足でした。これは、やはり取り上げておくべきでした。誠に申し訳ございません。

この空欄Aを正解しませんと、本問は苦しくなります。

 

ちなみに、就職氷河期世代については、「令和2年 厚生労働白書」でも取り上げられており、当サイトも「白書対策講座」のこちら以下の【設問15】及び【設問16】(こちら以下(白書対策講座のパスワード))では、設問化していましたが、本空欄のAとは直接結びつきにくい内容でした。

 

 

(2)設問の2(空欄のB以下)は、「令和2年版 厚生労働白書」の254頁からの出題です(当サイトの「白書対策講座」の「令和2年版 厚生労働白書」のこちらです)。

この「白書対策講座」では、一応、助成金の名前は太字にしていますが、設例を作成していず、ウェイトを置いていませんでした。

 

この設問2は、厚生労働白書からの出題とはいっても、その実質は雇用保険法の雇用保険二事業助成金の問題です。

近時、雇用保険法から、雇用保険二事業(助成金等)の出題が多く、おそらく、今回のこの労働一般の出題も、従来、雇用保険二事業に関する出題をしてきた試験委員による出題なのではないかと思われます。

 

当サイトの雇用保険法の雇用保険二事業の方でも、これらの助成金については十分な説明をしていません。

雇用保険法のこちら以下の「3 65歳超雇用推進助成金」、「6 特定求職者雇用開発助成金」及び「8 中途採用等支援助成金」において、空欄のB・D・Eの助成金名は挙げていますが、改正事項についてごく簡単に触れているだけであり、それらのリンク先の助成金の解説中でも十分な説明はしていません。

なお、空欄Eの「40歳以上」については、前記の「白書対策講座」では触れていますが、太字にもなっていず、雇用保険法の方では触れていません。

 

以上より、空欄のB~Eは、正答することが非常に厳しいです。

強いて言いますと、空欄Bについては、「65歳以降」や「66歳以上」とあることから、「65歳超雇用推進助成金」を選択することが可能ではあり、おそらく、B以降の空欄では、このBがもっとも正答しやすいのではないかと思います。

空欄のC(「(公財)産業雇用安定センター」)については、正答することは、厳しいです。空欄のDについては、「60歳以上の高年齢者等を雇い入れた事業主に対して」支給されるとありますから、選択肢中、「雇用継続」とある「①高年齢者雇用継続助成金」は除外しやすいかもしれません(「高年齢者雇用継続助成金」などは、存在しませんが)。

そして、「60歳以上の高年齢者等」と限定されていることからは、「特定求職者」であると結びつけることは可能ではあります。

 

結論として、今回の労働一般の選択式は、空欄Aの就職氷河期世代の年齢要件について、思考をめぐらせてなんとか正解する他に、BかDのいずれかを正解し、あるいはEの「中高齢者等」について、常識から選択肢の①「40歳以上」か②「45歳以上」であると絞って正解する、といったように、かなり運が左右しかねないものとなっています。

 

ちなみに、高年齢者雇用安定法では、「中高年齢者」の年齢要件を「45歳以上」としており(同法施行規則第2条労働一般のこちら以下)、これを思い出してしまうと間違えることになります。

 

今後の対応として、まず、従来と同様に、厚生労働白書と労働経済白書は重視する必要があります。

 

これらから直接出題されなくても、これらを読み込むことによって、一般常識の基礎力が養われます(ただし、白書には、例えば、「ゲノム医療」とか、「福祉・介護人材」といった社労士試験には関係しない事項の記載も少なくないため、内容を取捨選択してお読み頂く必要があります。当サイトの「白書対策講座」をお読み頂ければ、基本的な対応は可能です)。

厚生労働白書などは、紙の本を購入して頂いても良いと思います(ちなみに、当サイトでは、毎年購入しています)。

 

さらに、雇用保険法の問題ですが、雇用保険二事業については、助成金の基本的な内容は押さえる必要が出てきました。それに加え、直近の改正箇所をチェックする必要があります。

この点は、毎年度4月に助成金の内容が大きく変わりますので、基本的には来年4月以降から本格的に学習するということになります。

 

なお、今回の労働一般の選択式も、前年度に引き続き、労働経済のデータからの出題ではありません。現在、コロナ禍のもとで、統計値が変容しているといった影響もあるのかもしれません。

ただ、労働一般の択一式の方では、依然としてデータから出題されており、選択式においても、基本的にはこれまでと同様の準備が必要です。

データについては、後述の通り、今回も、当サイトの「白書対策講座」では結構、的中しているないし論点を捉えているものがあり、今後も「白書対策講座」をベースに、その他、市販の雑誌等も利用して、労働経済に関する設問を多く解いて頂き、設問からデータに馴染んで頂くことが有用です。

 

 

5 社会一般

社会一般も、かなり厳しいです。

ただし、当サイトの「直前対策講座」で、空欄Aと空欄Dは的中しています。

 

(1)空欄のAとB

 

まず、設問の1は、国民健康保険法の保険料に関する第76条第1項(社会一般のパスワード)からの出題です。

「直前対策講座」の社会一般の【問10】(こちら直前対策講座のパスワード)の空欄Aにおいて、本問の空欄A(「国民健康保険事業費納付金」の納付)が的中です。

この空欄Aが取れますと、空欄Bについても、文意から「国民健康保険事業に要する費用」を選択しやすく、2つの空欄を正解できることになります。

 

選択肢中の⑫に「国民健康保険給付費等交付金の交付」とあり、この「給付費等交付金」を空欄Aに入れないことがポイントです。

「納付」されたものをもとにして「交付」する、という関係になるのが一般です(例えば、高齢者医療確保法における「前期高齢者交付金と前期高齢者納付金等」についても同じです。社会一般のこちらの下部の図を参考です)。

 

本問では、市町村が①「事業費納付金」を都道府県に「納付」して、都道府県は、それを原資として、各市町村に給付費を賄うために②「保険給付費等交付金」を「交付」する、という関係になります。

そして、市町村は、①の納付金等の費用に充てるため、被保険者の属する世帯の世帯主から国民健康保険の保険料を徴収する(国民健康保険税を徴収する場合は除く)、というのが設問の1の概要です。

この設問1の事業費納付金については、社会一般のこちらで詳しく説明しています。

 

この設問1は、ある程度国民健康保険法をきちんと学習していないと解けませんが、正答できないような部類の出題ではありません。保険料に関する第76条第1項という重要条文からの出題であり、この条文はマスターが必須なものです。

ただし、引っかかることがありえ、簡単な問題とはいえません。

 

 

(2)空欄のC

 

空欄のCは、船員保険法の行方不明手当金からです。

当サイトでは、社会一般のうち、まだ船員保険法だけはテキストができていません(今年度作成の予定です)。

ただ、本問の行方不明手当金は、船員保険法に特有の給付であるため、比較的ウエイトを置いて学習されることが多く、得点しやすい空欄といえます。

 

 

(3)空欄のD

 

空欄のDは、児童手当法の支給期間からの出題であり、関連箇所が択一式の【平成25年問10ウ(社会一般のこちら)】で出題されています。

この「15」日以内については、直前対策講座の【問3】の空欄C(こちら)で的中しました。

この児童手当法の直前対策は、完成が本試験日直前となってしまったことが残念でした。

本文は、こちらです。

 

 

(4)空欄のE

 

空欄のEは、確定給付企業年金法です。今回は、確定給付企業年金法は選択式、確定拠出年金法は択一式と振り分けてきました。

この空欄Eは、正確に記憶していないと厳しい箇所です。正解の3年のほか、5年と迷うかもしれません。

本文は、こちらで記載しており、一応、「3年」が赤字になっていますが、ゴロ合わせが記載されているわけではなく、微妙です。

 

いずれにしましても、当サイトの会員の方は、本問では基準点を確保できた可能性がありますが、一般の受験生の場合、基準点を取れた内容であるかどうかは、結構微妙です。

 

 

6 健康保険法

健康保険法は、設問の2は典型論点です。この設問2(等級区分の上限(最高等級)の改定)の空欄DとEの数字を覚えていたがポイントです。
当サイトでは、この等級区分の上限の改定の数字をゴロにより押さえていました(健保法のこちら以下)。
過去にも、健保法の平成21年度の選択式(厚年法のこちら厚年法のパスワード)で掲載)で狙われている箇所であり、必須知識といえました。

 

空欄のA~Cについては、一般保険料率のうち特定保険料率に焦点をあてた問題です。

空欄のA(特定保険料率)は、基本的な知識です(本文は、こちら以下)。
空欄のBについては、やや考えるところでしょう。
特定保険料率は、いわば他の制度に加入する高齢者の医療給付等に充てられる保険料に係る率です。
この特定保険料率を保険者が定める際は、保険者が他制度に納付すべき高齢者の医療給付等に当てられる費用の額(=前期高齢者納付金等の額及び後期高齢者支援金等の額)を考慮する必要がありますが、これらの額については、協会管掌健保等において国庫補助された分が通常含まれており、この補助された分は、かかった費用からは控除しなければならないというものです。

 

いずれにしましても、この空欄のBのような問題については、やはり、条文(第160条第4項)や条文をベースとした説明(前掲の当サイトのこちら以下を熟読しておく必要があるということになります。

 

空欄のCは、少し迷うところです。これも、日頃から条文に馴染んでおかれると有利ですが、本問については、空欄Cができなくても、空欄のAのほか、DとEを正解することができ、基準点はクリアーできそうです。

 

 

7 厚生年金保険法

厚年法は、割と易しいです。

 

空欄のAは、正解必須です。

 

空欄のCについては、「直前対策講座」の【問23(こちら)】で的中しました。Bについても正答しやすいです。

 

空欄のD・Eは、一括適用事業所の問題であり(厚年法のこちら)、基礎的な知識です。

当サイトでは、「一括しようは当然一括」(「承」認と「船」舶)というゴロがあり、このゴロで、これらの空欄2つはバッチリでした。

 

 

8 国民年金法

設問1は、「年金額の調整、調整期間」からの出題です(第16条の2)。本文は、こちら以下です。

平成18年度の選択式で出題されており(こちら)、その際にも、「給付の支給」と「調整」が出題されています。

このように、過去の選択式(特に古いもの)については、再度出題されることが多く、十分チェックすることが対策となります。

 

設問の2は、公課の禁止の第25条です(こちら以下)。

空欄のDについては、やや微妙ですが、公課の禁止は各法で基本的に共通するものであり、当サイトでは、「金銭」と「金品」という用語の使い分けが行われていることについてはしばしば言及しています。ここから、空欄Dが「年金額」ではなく、「金銭」であることを導いて頂くと良かったです。

また、「標準」については、当サイトのこちらでその内容を説明しています。

 

 

以上、選択式の分析でした。

このように、今回の選択式についても、当サイトをベースに学習して頂ければ、基本的には、基準点をクリアーできたといえます。

ただし、労働一般の選択式については、かなり厳しかったです。

 

 

なお、択一式については、現在、社会保険の分野を分析中です(労働分野は終わりました)。

労災保険法の択一式は、かなりきついです。平成29年の択一式でも、非常に厳しい出題がなされましたが、今回も、労災保険の7問のうち、平均3~4問程度の正解状況となるかもしれません。

 

今回の試験では、択一式も、全体的に難しいといえます。

要点だけを押さえて丸暗記していくような学習方法では、厳しいです。労基法の択一式をみましても、即答できるような単純な問題が少ないといえます。

テキストを十分読み込み、日頃から「考える」学習をしていることが必要といえそうです。

そして、細かい知識が出題されているため、論点に絞ったような学習では足りず、広い範囲についてチェックしておくことが必要です。

当サイトのテキストは、このような傾向に適応しているといえます。

 

なお、労働一般の択一式ですが、結構、「白書対策講座」から的中があります。

労働一般択一式の問1の「令和元年版 労働経済白書」からの出題についても、「白書対策講座」で取り上げています(こちら以下。もっとも、これは、本年の7月頃、作成したものでして(昨年の夏に眼の病気をして入院したため、作成できなかったものを作成したものです)、設問化を十分するなどはしていず、あまり役に立たないでしょう)。

 

しかし、問2の「令和元年 就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」については、久しぶりの公表であるため力を入れており、肢のBとCについては論点を当てています(「白書対策講座」の【設問1(こちら)】と【設問2(こちら)】)。

 

また、問10の「令和2年 厚生労働白書」については、肢Aについて、直前対策講座の「令和2年 厚生労働白書」の「その8」の【設問1】(こちら)で取り上げており、近年、「第1号被保険者と第3号被保険者は減少しており、第2号被保険者は増加している」旨を解説しています。

 

また、肢Dについては、「その4」の【設問30】(こちら)で的中しています。

 

肢Bの「年金生活者支援給付金支給法」については、試験直前にテキストが完成し(こちら社会一般のパスワード)、「白書対策講座」の「厚生労働白書」ではこちらで掲載しています。

 

なお、【問4】の労働関係法規については、労働一般の直前対策講座において、肢イ(こちらの肢B)と肢ウ(こちらの肢A。解説中で、中小事業主に関する特例についても触れています)を取り上げています。

 

以上のように、「直前対策講座」や「白書対策講座」は、それなりに健闘しています。

今回の「直前対策講座」の冒頭で、「直前対策講座は、当サイトが最も力を入れている講座です」と記載しましたが、今後も、「当てること」には重きをおいていきます。

 

 

 

令和3年8月23日(月曜)

令和4年度版の「更新等のお知らせ」は、このページに記載致します。

 

現在、本試験問題の分析中です。

 

なお、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&Aが、7月に改定されています。

労働一般のこちらで掲載しています。