【平成27年度版】

 

平成27年度版 選択式 予想練習問題

若干の科目について、平成27年度の選択式の予想問題を掲載しておきます。

労働基準法、健康保険法、厚生年金保険法及び国民年金法になります(また、労働一般についても、以前に掲載した問題をリンクしておきます)。

この中から多少でも似通った問題が出題されればよいのですが・・・

 

全体的には、かなり難しい問題になっています。正解できたかどうかより、万が一出題されたときのためにポイントを記憶しておくという姿勢でお取り組み下さい。

厚生年金保険法と国民年金法は、どちらの科目でも出題されうる「一粒で二度おいしい」問題が含まれています。

 

 

 

労働基準法

次の文中の  の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

〔※ なお、労働一般においての出題も視野に入れ、労働安全衛生法に関する部分は省略し、労働基準法だけで5問(5つの空欄)を作っていますので、ご注意下さい。〕

 

 

最高裁判所は、いわゆる男女雇用機会均等法第9条第3項と労働基準法65条3項の規定による他の軽易な業務に転換したこととの関係について、次のように判示した。

 

「ア 均等法は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することをその目的とし(1条)、女性労働者の母性の尊重と職業生活の充実の確保を基本的理念として(2条)、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業その他の妊娠又は出産に関する事由であって厚生労働省令で定めるものを理由として解雇その他不利益な取扱いをしてはならない旨を定めている(9条3項)。そして、同項の規定を受けて、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則2条の2第6号は、上記の「妊娠又は出産に関する事由」として、労働基準法65条3項の規定により他の軽易な業務に転換したこと(以下「軽易業務への転換」という。)等を規定している。

上記のような均等法の規定の文言や趣旨等に鑑みると、同法9条3項の規定は、上記の目的及び基本的理念を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止するとして設けられたものと解するのが相当であり、女性労働者につき、妊娠、出産、産前休業の請求、産前産後の休業又は軽易業務への転換等を理由として解雇その他不利益な取扱いをすることは、同項に違反するものとしてというべきである。

イ 一般に降格は労働者に不利な影響をもたらす処遇であるところ、上記のような均等法1条及び2条の規定する同法の目的及び基本的理念やこれらに基づいて同法9条3項の規制が設けられた趣旨及び目的に照らせば、女性労働者につき妊娠中の軽易業務への転換を降格させる事業主の措置は、原則として同項の禁止する取扱いに当たるものと解されるが、当該労働者が軽易業務への転換及び上記措置により受ける有利な影響並びに上記措置により受ける不利な影響の内容や程度、上記措置に係るその他の経緯や当該労働者の意向等に照らして、当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる、又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営や人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして、上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するときは、同項の禁止する取扱いに当たらないものと解するのが相当である。」

 

 

選択肢

①取締規定 ②任意規定 ③強行規定 ④政策的規定 ⑤違憲であり、無効なもの ⑥違法であり、一部無効である ⑦違法であり、無効である ⑧民法90条に抵触する限度において違法であり、無効である ⑨理由として ⑩原因として ⑪契機として ⑫根拠として ⑬代替措置の有無 ⑭事業主による代替措置の内容 ⑮事業主による説明の内容 ⑯労使双方による協議の状況等 ⑰蓋然性があるとき ⑱合理的かつ相当な理由が存在するとき ⑲合理的な理由が疎明されたとき ⑳合理的な理由が客観的に存在するとき

 

解答は、こちらです。

 

 

健康保険法

70歳未満の者に係る高額療養費の高額療養費算定基準額について、次の文中の  の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 療養のあった月の標準報酬月額がの被保険者又はその被扶養者に係る高額療養費算定基準額は、と、一部負担金等の額の合算額等に係る療養につき厚生労働省令で定めるところにより算定した当該療養に要した費用の額(その額がに満たないときは、)からを控除した額に100分の1を乗じて得た額(この額に1円未満の端数がある場合において、その端数金額が50銭未満であるときは、これを切り捨て、その端数金額が50銭以上であるときは、これを1円に切り上げた額)との合算額とする。ただし、高額療養費多数回該当の場合にあっては、140,100円とする。

 

2 療養のあった月の標準報酬月額がの被保険者又はその被扶養者(一定の低所得者を除く。)に係る高額療養費算定基準額は、とする。ただし、高額療養費多数回該当の場合にあっては、44,400円とする。

 


選択肢

①530,000円以上830,000円未満 ②530,000円未満 ③830,000円以上 ④267,000円以上 ⑤252,600円 ⑥80,100円 ⑦167,400円 ⑧44,400円 ⑨558,000円 ⑩842,000円 ⑪845,000円 ⑫554,000円 ⑬280,000円未満 ⑭290,000円未満 ⑮250,000円未満 ⑯44,400円未満 ⑰35,400円 ⑱93,000円 ⑲57,600円 ⑳24,600円

 

解答は、こちらです。

 

 

 

厚生年金保険法

※ 厚生年金保険法は、2問出題しておきます。

 

〔1〕問題 その1

 

次の文中の  の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 被保険者又は被保険者であった者は、厚生年金保険原簿に記録された 特定厚生年金保険原簿記録( その他厚生労働省令で定める事項の内容をいう)が 、又は厚生年金保険原簿に 特定厚生年金保険原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができる。

 

2 厚生労働大臣は、特定厚生年金保険原簿記録の訂正の請求に係る厚生年金保険原簿の訂正に関する を定めなければならない。

厚生労働大臣は、この を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、 なければならない。

 

3 厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をする旨を決定しなければならず、当該決定をする場合を除き、訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をしない旨を決定しなければならない。

厚生労働大臣がこれらの決定をしようとするときは、あらかじめ、 なければならない。 

  

選択肢

①資格の取得及び喪失に係る ②自己の年金個人情報に係る ③自己に係る ④自己の利害関係に関する年金個人情報に係る ⑤被保険者の資格の取得及び喪失の原因、標準報酬 ⑥被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬月額 ⑦被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬 ⑧真実に反する ⑨事実に相違する ⑩事実でない ⑪事実と著しく異なる ⑫指針 ⑬大綱 ⑭方針 ⑮要綱 ⑯社会保険審査会に諮問し ⑰労働政策審議会の意見を聴か ⑱社会保障審議会の答申を受け ⑲社会保障審議会に諮問し ⑳社会保障審議会の議を経

 

解答は、こちらです。

 

 

〔2〕問題 その2

 

次の文中の  の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1  とは、解散(代議員会の議決による解散(平成25年改正前厚生年金保険法第145条第1項第1号)又は事業継続不能による解散(同条同項第2号)によるものに限る。)をしようとする存続厚生年金基金であって、当該解散をしようとする日において (老齢年金給付、脱退一時金、障害給付金及び遺族給付金(改正前厚成年金保険法第130条第1項から第3項までに規定する給付。以下「老齢年金給付等」という。)に充てるべき積立金をいう。)の額(将来期間に係る代行返上の認可を受けた存続基金が、解散の認可等の前に責任準備金相当額を前納した場合(平成25年改正法附則第10条第1項)は、当該前納された額を加えて得た額。)が を下回っていると見込まれるもののことをいう。

 

2  は、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、 の減額を可とする旨の認定を申請することができる。 

当該認定の申請は、平成25年改正法の施行日(平成26年4月1日。以下「施行日」という。)から起算して を経過する日までの間に限り行うことができる。 

 

3  及びその設立事業所の事業主は、それぞれ、 のうち自らが納付すべき額について、その を作成し、厚生労働省令で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出して、当該 について適当である旨の承認を受けることができる。 

この承認の申請は、施行日から起算して を経過する日までの間において、当該 及びその設立事業所の事業主が同時に行わなければならない。

 

選択肢

①自己解散型基金 ②清算型基金 ③自主解散型基金 ④自主清算型基金 ⑤積立金 ⑥保有資産 ⑦最低積立金 ⑧年金給付等積立金 ⑨代行部分の額 ⑩責任準備金相当額 ⑪減額責任準備金相当額 ⑫最低責任準備金相当額 ⑬5年 ⑭1年 ⑮3年 ⑯6か月 ⑰健全化に関する計画(「健全化計画」という) ⑱分割支払に関する計画(「分割支払計画」という) ⑲減額に関する計画(「減額納付計画」という) ⑳納付に関する計画(「自主解散型納付計画」という)

 

解答は、こちらです。

 

 

国民年金法

次の文中の  の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

調整期間とは、財政均衡期間(財政の現況及び見通しが作成される年以後おおむね100年間をいう。)にわたり国民年金事業の財政の均衡を保つことができないと見込まれる場合に、年金たる給付( は除く。)の額を調整するために政令で定める期間のことをいい、調整期間に限りマクロ経済スライドが行われる。

マクロ経済スライドとは、年金額の改定において、賃金や物価の変動をそのまま年金額に反映させるのではなく、 という年金財政にとってマイナスになる要素も調整率として年金額に反映させることにより、保険料の負担の範囲内で給付が行えるように給付水準を自動的に調整し、財政の均衡を図る改定方法である。

マクロ経済スライドは、平成27年度から発動され、平成27年度における調整率は とされた。なお、同年度における改定率は である。

 

選択肢

①寡婦年金 ②付加給付 ③付加年金 ④死亡一時金 ⑤労働力人口の減少 ⑥就業者数の減少 ⑦被保険者数の減少 ⑧被保険者数及び被扶養者数の減少 ⑨合計特殊出生率の低下 ⑩平均余命の伸び ⑪少子高齢化の進行 ⑫生産年齢人口割合の減少 ⑬マイナス0.8% ⑭マイナス1% ⑮プラス0.9% ⑯マイナス0.9% ⑰マイナス0.2% ⑱マイナス0.1% ⑲プラス0.2% ⑳マイナス0.01%

 

解答は、こちらです。

 


労働一般

労働一般については、以前に作成したこちらの問題を参考にして下さい。

 

 

 

 

解答

◆労働基準法 解答

A=③強行規定

B=⑦違法であり、無効である

C=⑪契機として

D=⑮事業主による説明の内容

E=⑳合理的な理由が客観的に存在するとき

 

◆解説

平成26年10月23日に下されたいわゆるマタニティ・ハラスメントに関する最高裁判決からの出題です。

ここでは、労働基準法の問題としましたが、労働一般の出題対象にもなります。

詳細な解説はこちらでしていますが、時期が時期ですから、細かな解説を読むより、この設問の判決のキーワードを記憶に残しておくことに力を入れて下さい。


なお、通常、労働基準法の選択式は3問(空欄が3つ)出題になります。

そして、今回の設問の判決文はアとイの部分から構成されていますが、このどちらも重要です。

従って、今回の判決文をもし労基法の選択式として出題するのなら、アとイの両者から空欄を3つ作るのが自然だと考えられます(つまり、例えば、アの部分だけが出題されて、このアだけから3つの空欄が作られるという可能性は高くはないということです)。

筆者の個人的印象では、今回のアにあたる部分では、設問のCの「契機として」が最も出題対象になりうるキーワードだと考えています。

設問のイの「当該労働者につき自由な意思に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するとき、又は事業主において当該労働者につき降格の措置を執ることなく軽易業務への転換をさせることに円滑な業務運営人員の適正配置の確保などの業務上の必要性から支障がある場合であって、その業務上の必要性の内容や程度及び上記の有利又は不利な影響の内容や程度に照らして、上記措置につき同項の趣旨及び目的に実質的に反しないものと認められる特段の事情が存在するとき」という個所は、太字部分のどこが出題されてもおかしくないですので、何度も熟読しておいて下さい。

 

 

◆健康保険法 解答

A=③830,000円以上

B=⑤252,600円

C=⑩842,000円

D=⑬280,000円未満

E=⑲57,600円


 

◆解説

平成27年1月1日施行の改正による「70歳未満の者に係る高額療養費の高額療養費算定基準額」に関する問題です。

覚えていなければお手上げの問題であり、このような問題が最も怖いです。覚えていない方は、今からでも暗記して下さい(ゴロ合わせ等を利用しないと覚えきれないかもしれません)。

高額療養費算定基準額についての問題は、選択式として出題されなくても、択一式の計算問題として出題されるような可能性もありますので、十分な準備が必要です。

 

ちなみに、今回の出題は、次の図の右側の①と④を題材としたものです。

上記解答のA~Cが次の図の①のケース、上記解答のD及びEが次の図の④のケースになります。

次の図の左側の「70歳以上の者に係る高額療養費算定基準額」についても、忘れていないか、再チェックが必要です。

 

 

 

◆厚生年金保険法 解答

〔1〕厚生年金保険法 その1 解答

 

A=③自己に係る

B=⑦被保険者の資格の取得及び喪失の年月日、標準報酬

C=⑩事実でない

D=⑭方針

E=⑲社会保障審議会に諮問し

 

◆解説 

平成27年3月1日に施行された「特定厚生年金保険原簿記録の訂正請求の制度」からの出題です。

国民年金法においても、「特定国民年金原簿記録の訂正請求の制度」として、基本的には同様の制度が新設されています。

 

1 前記設問の1の部分(こちら)は、次の厚年法28条の2第1項から出題しています。この規定は熟読しておいて下さい。

 

第28条の2(訂正の請求)

1.被保険者又は被保険者であつた者は、前条の原簿(以下「厚生年金保険原簿」という。)に記録された自己に係る特定厚生年金保険原簿記録(被保険者の資格の取得及び喪失の年月日標準報酬その他厚生労働省令〔=施行規則第11条の2〕で定める事項の内容をいう。以下この項において同じ。)が事実でない、又は厚生年金保険原簿に自己に係る特定厚生年金保険原簿記録が記録されていないと思料するときは、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、厚生年金保険原簿の訂正の請求をすることができる。

 

〔第2項以下は、省略。〕

 

 

 

2 また、前記設問の2の部分こちらは、次の厚年法第28条の3から出題しています。

 

【条文】

第28条の3(訂正に関する方針)

1.厚生労働大臣は、前条第1項(同条第2項及び第3項において準用する場合を含む。)の規定による請求(次条において「訂正請求」という。)に係る厚生年金保険原簿の訂正に関する方針を定めなければならない。

 

2.厚生労働大臣は、前項の方針定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会諮問しなければならない。

 

 

社会保障審議会(社保審)や労働政策審議会(労政審)については、念のため、次の一覧表でチェックしておいて下さい(細かく見る必要はなく、大まかな項目をざっと眺めれば足ります)。

 

・社会保障審議会→こちら

・労働政策審議会→こちら

 

 

3 前記設問の3の部分こちら)は、次の厚年法第28条の4からの出題です。

 

【条文】

第28条の4(訂正請求に対する措置)

1.厚生労働大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、当該訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をする旨を決定しなければならない。

 

2.厚生労働大臣は、前項の規定による決定をする場合を除き、訂正請求に係る厚生年金保険原簿の訂正をしない旨を決定しなければならない。

 

3.厚生労働大臣は、前2項の規定による決定をしようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会諮問しなければならない。

 

 

4 今回取り上げられなかった「特定厚生年金保険原簿記録の訂正請求の制度」に関するその他の注意問題は、次の通りです。以下の赤字部分については、念のため、用心しておいて下さい。

 

(1)前掲の第28条の4の厚生労働大臣の権限は、「政令」で定めるところにより、地方厚生局長に委任することができ(第100条の9第1項かっこ書)、これにより地方厚生局長に委任された権限は、「政令」で定めるところにより、地方厚生支局長に委任することができます(同条第2項かっこ書)。

(他の第100条第1項及び第2項の「地方厚生局長等に対する委任」の場合と異なり、「厚生労働省令ではなく「政令」で定めることが必要です。

内閣が制定する「政令」に基づいて委任することにより、当該権限の委任の適正化を重視したものといえます。)

 (なお、以上の「地方厚生局長等に対する委任」について、具体的には、新設された施行令第4条の4の2において規定されていますが、ここでは詳細は省きます。)

 

 (2)前記の(1)により訂正請求に係る厚生労働大臣の権限が地方厚生局長等に委任された場合には、上記第28条の4第3項の「社会保障審議会」とあるのは、「地方厚生局に置かれる政令で定める審議会」とされます(第100条の9第3項)。

この審議会は、「地方年金記録訂正審議会」とされました(厚生労働省組織令第153条の2.平成27年4月10日施行の新設規定)。この「地方年金記録訂正審議会」についても、どこかで見た記憶がある程度に覚えておいて下さい。

 

 

 

〔2〕厚生年金保険法 その2 解答

次に、「厚生年金保険法 その2」(こちら)の解答です。

 

A=③自主解散型基金

B=⑧年金給付等積立金

C=⑩責任準備金相当額

D=⑬5年

E=⑳納付に関する計画(「自主解散型納付計画」という)

 

 

自主解散型基金に関する問題です。存続厚生年金基金は学習しにくい個所であるため、難問だったと思います(実際にこのような問題が出題されたら、基準点を割り、2つの空欄が正解できれば可となる余地もあるかもしれません)。

 

厚生年金基金については、従来、かなり細部に至るまで出題されていたのですが、基金関係の大改正後の昨年度は、存続厚生年金基金に関する出題がなくなってしまい、今年度の見通しも不透明です(当サイトでは、従来通り、かなり細かく学習しましたが)。

少なくとも新設された制度についてはチェックしておいた方がよく、今回の出題を参考にして下さい。

 

存続厚生年金基金の解散については、大別しますと、従来の「通常解散の制度」及び平成25年改正法により新設された5年間の時限措置である「特例解散の制度」(従来の特例による解散の制度(特定基金の制度)を見直したもの)があります。

この特例解散の制度には、自主解散型清算解散型清算型解散の2タイプがあります(原則は、自主解散型です)。それぞれの特例解散に係る基金を自主解散型基金及び清算型基金といいます。

そして、特例解散の制度は、5年間の時限措置であるため、基金が特例解散を行う場合は、平成25年改正法施行日(平成26年4月1日)以後5年以内(平成31年3月31日まで)に行うことが必要です(平成25年改正法附則第11条第2項、第19条第2項)。

 

自主解散型は、解散しようとする日において代行割れ年金給付等積立金責任準備金相当額(代行部分の給付を行うために必要な額)を下回っているもの)であることが見込まれる存続厚生年金基金(自主解散型基金)が申請して厚生労働大臣認定を受けることにより、当該自主解散型基金が解散する場合に責任準備金相当額納付(返還)の特例の適用等が認められるものであり、これにより基金の解散の容易化を図るものです(平成25年改正法附則第11条)。

対して、清算解散型清算型解散)は、事業継続が著しく困難な一定の存続厚生年金基金に対し、厚生労働大臣が、あらかじめ社会保障審議会意見を聴いて、「清算型基金」に指定することにより、その早期解散を実現する強制的解散を図る)ものです(平成25年改正法附則第19条)。

 

以上が、特例解散の制度のごく大まかなアウトラインですが、今回の出題は、自主解散型基金に関するものです。

自主解散型基金の問題は、大別しますと次のように整理できます。

 

(1)自主解散型基金の要件の問題(平成25年改正法附則第11条)

(2)責任準備金相当額の減額に係る認定の問題=納付額特例の問題(平成25年改正法附則第11条)

(3)責任準備金相当額の納付計画の承認による納付猶予(分割納付)の特例の問題(同附則第12条)

 

今回の出題は、設問(こちら)の1は上記の(1)に対応し、設問の2は上記の(2)に対応し、設問の3は上記の(3)に対応しています。

とりあえずは、今回の設問の範囲のキーワードをしっかり押さえておいて下さい。

 

ちなみに、清算型基金についても、自主解散型基金の場合とパラレルに、大別して次の問題があります。

 

(1)清算型基金の指定の問題(平成25年改正法附則第19条)(清算型基金の要件の問題になります)

(2)責任準備金相当額の減額に係る認定の問題=納付額特例の問題(平成25年改正法附則第20条)

(3)責任準備金相当額の清算型納付計画の承認による納付猶予(分割納付)の特例の問題(同法附則第21条、第22条)。

 

この清算型基金の(2)の「責任準備金相当額の減額に係る認定(納付額の特例)」の問題と(3)の「責任準備金相当額の納付計画(清算型納付計画)の承認による納付猶予(分割納付)の特例」の問題については、基本的には、自主解散型基金の場合と同様の取扱いになることが多いです。

 

 

(参考までに、自主解散型基金における上記の(1)及び(2)は、次の平成25年改正法附則第11条の第1項と第2項に規定されています(次の条文は、一応、全文を掲載しています)。

また、上記の(3)は、後掲の平成25年改正法附則第12条の第1項と第2項に規定されています。

日頃条文を読んでいる方は、以下の条文も太字部分をチェックする形ですっと読めるのですが、あまり条文を読んでいない方は、この時期に以下の条文を無理して読む必要はまったくありませんので(難しいです)、スルーして下さい。)

 

 

【平成25年改正法附則第11条】

平成25年改正法附則第11条(自主解散型基金が解散する場合における責任準備金相当額の特例)

 

1.附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第145条第1項第1号〔=代議員会の議決による解散〕又は第2号〔=基金の事業継続不能による解散に掲げる理由により解散をしようとする存続厚生年金基金であって、当該解散をしようとする日において年金給付等積立金附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第130条第1項から第3項までに規定する給付〔=老齢年金給付、脱退一時金、障害給付金、遺族給付金〕(以下「老齢年金給付等」という。)に充てるべき積立金をいう。附則第40条第2項第3号及び第3項第3号、第53条、第55条第1項、第60条、第70条第2項並びに第71条第2項を除き、以下同じ。)の(前条第1項〔=将来期間に係る代行返上の認可を受けた存続基金が、解散の認可等の前に責任準備金相当額を前納する場合〕(第9項若しくは次条第10項又は附則第19条第10項、第20条第5項若しくは第21条第9項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定により前納された場合にあっては、当該前納された額加えて得た額。以下同じ。)が責任準備金相当額下回っていると見込まれるもの(以下「自主解散型基金」という。)は、厚生労働省令〔=平成26年整備省令第11条〕で定めるところにより、厚生労働大臣に対し、責任準備金相当額減額を可とする旨の認定申請することができる。 

 

2.前項の規定による認定申請は、施行日から起算して5年経過する日までの間に限り行うことができる。 

 

3.第1項の規定による認定の申請をした自主解散型基金は、次に掲げる給付について、当該申請をした日属する月翌月からその全額につき支給を停止しなければならない。 

 

一 附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第130条第1項の規定により支給する同項に規定する老齢年金給付(附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第132条第2項に規定する額〔=代行部分の額〕(改正後厚生年金保険法第44条の3第1項〔=老齢厚生年金の支給の繰下げ〕の規定による申出をした者に当該自主解散型基金が支給する老齢年金給付(附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第130条第1項に規定する老齢年金給付をいう。附則第19条第4項、第36条第1項及び第40条第1項第1号において同じ。)については、附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第132条第4項に規定する額〔=代行部分の額に繰下げ加算額を加算した額〕)に相当する部分除く。)

 

〔※ つまり、老齢年金給付のうち、代行部分の額に相当する部分を除く部分(=上乗せ部分)が支給停止されます。〕

 

二 附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第130条第2項〔=脱退一時金〕の規定により支給する一時金たる給付 

 

三 附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第130条第3項〔=障害給付金又は遺族給付金〕の規定により支給する年金たる給付又は一時金たる給付 

 

4.第1項の規定による認定の申請をした自主解散型基金は、当該申請取り下げたとき、又は厚生労働大臣が次項の認定をしない旨の決定をしたときは、当該取下げをした日の属する月の翌月又は当該決定があった日の属する月の翌月から、前項の規定による支給の停止解除しなければならない。 

 

5.厚生労働大臣は、第1項の規定による認定の申請があった場合において、当該申請をした自主解散型基金が当該申請の日までに業務の運営について相当の努力をしたものとして政令〔=平成26年経過措置政令第9条〕で定める要件に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。 

 

6.厚生労働大臣は、前項の認定をしようとするときは、あらかじめ社会保障審議会意見を聴かなければならない。 

 

7.政府は、第5項の認定を受けた自主解散型基金附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた平成25年改正前厚生年金保険法第145条第1項第1号〔=代議員会の議決による解散〕又は第2号〔=基金の事業継続不能〕の規定により解散したとき(当該解散した日における年金給付等積立金の額が責任準備金相当額を下回る場合に限る。)は、附則第8条〔=政府は、存続厚生年金基金が解散したときは、その解散した日において当該存続厚生年金基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っている者に係る責任準備金相当額を当該存続厚生年金基金から徴収する〕の規定にかかわらず、責任準備金相当額に代えて、減額責任準備金相当額(存続厚生年金基金の加入員及び加入員であった者が加入員でなかったとしたときに年金特別会計の厚生年金勘定の積立金が増加する額として政令〔=平成26年経過措置政令第10条〕で定めるところにより算定した額又は当該存続厚生年金基金の年金給付等積立金の額のうちいずれか大きい方の額をいう。附則第27条第2項及び第30条第1項を除き、以下同じ。)を、当該自主解散型基金から徴収する。この場合において、附則第34条第4項〔=解散した存続厚生年金基金残余財産は、規約で定めるところにより、その解散した日において当該存続厚生年金基金が年金たる給付の支給に関する義務を負っていた者に分配しなければならない〕の規定は適用せず、附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第138条第6項〔=基金が解散した場合の掛金の一括徴収(基金が解散する場合において、当該解散する日における年金給付等積立金の額が、政令で定める額を下回るときは、当該基金は、当該下回る額を、設立事業所の事業主から掛金として一括して徴収する)〕の規定の適用については、同項中「政令で定める額」とあるのは、「公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号)附則第11条第7項に規定する減額責任準備金相当額」とする。 

 

8.厚生労働大臣は、前項の規定により政府が当該自主解散型基金から減額責任準備金相当額徴収するときは、次に掲げる事項を公表するものとする。 

 

一 当該自主解散型基金の名称 

 

二 当該自主解散型基金の責任準備金相当額及び減額責任準備金相当額 

 

三 その他厚生労働省令で定める事項 

 

9.第1項の規定による認定の申請をした自主解散型基金について前条〔=将来期間に係る代行返上の認可を受けた存続基金が、解散の認可等の前に責任準備金相当額を前納する場合〕の規定を適用する場合においては、同条第1項中「存続厚生年金基金」とあるのは「次条第1項に規定する自主解散型基金であって、同項の規定による認定の申請をしたもの」と、「次の各号に掲げる認可又は承認前においても、当該各号に定める」とあるのは「第1号に掲げる認可前においても、同条第7項の」と、「責任準備金相当額」とあるのは「減額責任準備金相当額(同項に規定する減額責任準備金相当額をいう。第3項において同じ。)」と、同条第3項中「責任準備金相当額」とあるのは「減額責任準備金相当額」とする。 

 

 

【平成25年改正法附則第12条】

平成25年改正法附則第12条(自主解散型納付計画の承認) 

1.自主解散型基金及びその設立事業所附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第117条第3項に規定する設立事業所をいう。以下同じ。)の事業主(当該自主解散型基金を共同して設立している場合にあっては、当該自主解散型基金を設立している各事業主。次項及び第7項において同じ。)は、それぞれ責任準備金相当額のうち自らが納付すべき額について、その納付に関する計画(以下「自主解散型納付計画」という。)を作成し、厚生労働省令〔=平成26年整備省令第22条〕で定めるところにより、これを厚生労働大臣に提出して、当該自主解散型納付計画について適当である旨承認を受けることができる。 

 

2.前項の承認申請は、施行日から起算して5年経過する日までの間において、当該自主解散型基金及びその設立事業所の事業主同時に行わなければならない。 

 

3.自主解散型基金の自主解散型納付計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 

 

一 附則第5条第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた改正前厚生年金保険法第145条第1項第1号〔=代議員会の議決による解散〕又は第2号〔=事業継続不能による解散〕に掲げる理由により解散をしようとする日 

 

二 当該自主解散型基金納付すべき年金給付等積立金 

 

三 第1項の承認の申請の日までの業務の状況に関する事項 

 

四 その他厚生労働省令〔=平成26年経過措置省令第23条第1項〕で定める事項 

 

4.自主解散型基金の設立事業所の事業主の自主解散型納付計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。 

 

一 当該事業主納付すべき額 

 

二 当該事業主が納付の猶予を受けようとする期間及び額 

 

三 その他厚生労働省令〔=平成26年経過措置省令第23条第2項〕で定める事項 

 

5.第1項の承認の申請を行う場合において、当該自主解散型基金の自主解散型納付計画に記載された第3項第2号に掲げる額〔=当該自主解散型基金が納付すべき年金給付等積立金の額〕と当該自主解散型基金の設立事業所の事業主の自主解散型納付計画に記載された前項第1号に掲げる額〔=当該事業主が納付すべき額〕(当該自主解散型基金の設立事業所の事業主が当該自主解散型基金を共同して設立している場合にあっては、当該自主解散型基金を設立している各事業主の自主解散型納付計画に記載された同号に掲げる額の合計額)とを合算して得た額は、当該自主解散型基金の責任準備金相当額でなければならない。 

 

6.前条第3項〔=上乗せ給付の支給停止〕及び第4項〔=当該申請を取り下げたとき、又は厚生労働大臣が認定をしない旨の決定をしたときは、当該取下げをした日の属する月の翌月又は当該決定があった日の属する月の翌月から、上乗せ給付の支給停止を解除しなければならない〕の規定は、第1項の承認の申請をした自主解散型基金について準用する。この場合において、同条第4項中「次項の認定」とあるのは、「次条第1項の承認」と読み替えるものとする。 

 

7.厚生労働大臣は、第1項の承認の申請があった場合において、当該申請が次に掲げる全ての要件に適合すると認めるときは、その承認をするものとする。この場合において、当該自主解散型基金及びその設立事業所の事業主の自主解散型納付計画の承認は、同時に行うものとする。 

 

一 当該自主解散型基金が当該申請の日までに業務の運営について相当の努力をしたものとして政令〔=平成26年経過措置政令第12条〕で定める要件に適合するものであること。 

 

二 当該自主解散型基金の設立事業所の事業主が第1項の規定により提出した自主解散型納付計画が、第4項第2号に掲げる納付の猶予を受けようとする期間5年以内5年以内に納付することができないやむを得ない理由があると認められるときは、10年以内)であることその他当該事業主が同項第1号に掲げる額を確実に納付するために必要なものとして厚生労働省令〔=平成26年経過措置省令第24条〕で定める要件に適合するものであること。 

 

8.厚生労働大臣は、前項の規定により承認をするに当たり、当該自主解散型基金が、当該承認の申請の日までに業務の運営について著しく努力をし、かつ、当該承認の申請の日においてその事業の継続が極めて困難な状況にあるものとして政令〔=平成26年経過措置政令第13条〕で定める要件に適合すると認めるときは、その旨の認定をするものとする。 

 

9.厚生労働大臣は、第7項の規定により承認をしようとするとき、及び前項の認定をしようとするときは、あらかじめ社会保障審議会意見を聴かなければならない。 

 

10.第1項の承認の申請をした自主解散型基金について附則第10条〔=将来期間に係る代行返上の承認を認可を受けた基金の責任準備金相当額の前納〕の規定を適用する場合においては、同条第1項中「存続厚生年金基金」とあるのは「次条第1項に規定する自主解散型基金であって、附則第12条第1項の承認の申請をしたもの」と、「次の各号に掲げる認可又は承認前においても、当該各号に定める」とあるのは「第1号に掲げる認可前においても、附則第13条第1項の」と、「責任準備金相当額」とあるのは「年金給付等積立金の額(次条第1項に規定する年金給付等積立金の額をいう。第3項において同じ。)」と、同条第3項中「責任準備金相当額」とあるのは「年金給付等積立金の額」とする。

 

 

 

◆国民年金法 解答

A=③付加年金

B=⑦被保険者数の減少

C=⑩平均余命の伸び

D=⑯マイナス0.9%

E=⑱マイナス0.1%


 

◆解説

A~Cは、解答できる必要があります。

D及びEも、是非、記憶しておいて下さい。

 

 

以上で、選択式問題の解説を終わります。皆様のご健闘をお祈りしております。


【平成27年8月16日作成】