平成29年度版

 

雇用保険法(平成29年度版 直前対策講座)

雇用保険法の直前対策講座です。ここでは、選択式の出題予想に絞ります。

 

近時の雇用保険法の選択式は、いくつかの異なるテーマを組み合わせて出題されることが多いです。

そして、今回は改正事項が多いため、出題の中に改正事項が含まれてくる可能性が高いです。

改正事項全般をカバーしておく必要があります。

 

 

選択式

 

【問1】

 

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

65歳以上の被保険者( を除く。以下「高年齢被保険者」という。)が失業した場合には、求職者給付として、 が支給される。

また、高年齢被保険者に対しては、教育訓練給付金は支給されるが、就職促進給付のうち、 は支給されない。

雇用継続給付については、高年齢雇用継続給付は  ものとされ、育児休業給付及び介護休業給付は  ものとされている。

 

なお、本問においては、就業促進定着手当は再就職手当に含むものとする(以下の各問においても、特段の記載がない限り、同様とする)。

 

 

選択肢:

①一般被保険者 ②短期雇用特例被保険者 ③日雇労働被保険者 ④短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者 ⑤ 高年齢継続給付金 ⑥高年齢求職者継続給付金 ⑦高年齢求職者給付金 ⑧高齢求職者給付金 ⑨再就職手当 ⑩就業手当 ⑪常用就職支度手当 ⑫再就職手当及び就業手当 ⑬常用就職支度手当、移転費及び求職活動支援費 ⑭移転費及び求職活動支援費 ⑮支給される ⑯支給されない ⑰65歳に達した日の属する月については支給されない ⑱65歳に達した日の属する月については支給される

 

※ 解答はこちら

 

 

【問2】

 

次の文中の   の部分(A~C)を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1.妊娠したことを理由として解雇された場合において、基本手当の受給資格に係る離職の日(以下「基準日」という。)に35歳である受給資格者であって、雇用保険法第22条第3項に規定する算定基礎期間(以下「算定基礎期間」という。)が1年である者に係る基本手当の所定給付日数は  である。

 

2.賃金(退職手当を除く。)の額を3で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかったことを理由として離職した受給資格者が、基準日に30歳であり、算定基礎期間が1年である場合は、その基本手当の所定給付日数は  である。

 

3.結婚に伴う住所の変更のため通勤が困難となったことにより離職した受給資格者が、基準日に30歳であり、算定基礎期間が1年である場合は、その基本手当の所定給付日数は  となる。

 

なお、本問でいう受給資格者には、雇用保険法第22条第2項に規定する厚生労働省令で定める理由により就職が困難な者は含めないものとする。

 

 

選択肢:

① 60日 ②90日 ③100日 ④110日 ⑤120日 ⑥130日 ⑦140日 ⑧150日 ⑨180日 ⑩200日

 

 

※ 解答はこちら

 

 

【問3】

 

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

雇用保険法第22条第2項に規定する就職が困難な受給資格者以外の受給資格者のうち、  であって、次の1から3のいずれかに該当し、かつ、公共職業安定所長が厚生労働省令で定める基準に照らして  ことが適当であると認めたものについては、受給期間内の失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。)について、所定給付日数を超えて基本手当を支給することができる。

 

1   が厚生労働省令で定める基準に該当する者

 

2 雇用されていた適用事業が激甚じん災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(以下「激甚災害法」という。)の規定により激甚災害として政令で指定された災害(以下「激甚災害」という。)の被害を受けたため離職を余儀なくされた者又は激甚災害法の規定により離職したものとみなされた者であって、政令で定める基準に照らして職業に就くことが特に困難であると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域内に居住する者

 

3 雇用されていた適用事業が激甚災害その他の災害(厚生労働省令で定める災害に限る。)の被害を受けたため離職を余儀なくされた者又は激甚災害法の規定により離職したものとみなされた者(2に該当する者を除く。)

 

この場合、  のうち、前記1又は3に該当する者については、  (所定給付日数が第23条第1項第2号イ又は第3号イに該当する受給資格者にあっては、  )を限度として、所定給付日数を超えて基本手当が支給される。 

 

 

選択肢:

①特定受給資格者 ②特定理由離職者又は特定受給資格者 ③離職日が平成34年3月31日以前である特定受給資格者又は特定理由離職者 ④特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)である者又は特定受給資格者 ⑤公共職業訓練等を受けること ⑥求職活動を行うこと ⑦職業の紹介を受けること ⑧再就職を促進するために必要な職業指導を行う ⑨前年所得 ⑩居住する地域の初回受給者の合計数 ⑪所定の期間内における求職活動の回数 ⑫心身の状況 ⑬30日 ⑭50日 ⑮60日 ⑯90日 ⑰120日

 

※ 解答はこちら 

 

 

【問4】

 

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

求職活動支援費は、受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者(以下「受給資格者等」という。)が求職活動に伴い次の1から3のいずれかに該当する行為をする場合において、公共職業安定所長が厚生労働大臣の定める基準に従って必要があると認めたときに、支給する。

 

1 公共職業安定所の紹介による広範囲の地域にわたる求職活動 

 

2 公共職業安定所の職業指導に従って行う職業に関する教育訓練の受講その他の活動 

 

3 求職活動を容易にするための役務の利用 

 

 

求職活動支援費として、上記1に掲げる行為をする場合は広域求職活動費が支給され、2に掲げる行為をする場合は  が支給され、3に掲げる行為をする場合は  が支給される。

 

このうち、受給資格者等が1に係る広域求職活動費の支給を受けようとするときは、公共職業安定所の指示による  に、求職活動支援費(広域求職活動費)支給申請書に受給資格者証等を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければならない。

 

2に係る  は、受給資格者等が公共職業安定所の職業指導により再就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合(  に当該教育訓練を開始した場合に限る。)において、当該教育訓練の受講のために支払った費用(入学料及び受講料に限る。)について教育訓練給付金の支給を受けていないときに、厚生労働大臣の定める基準に従って、支給するものとする。

 

3に係る  の支給申請書の提出は、法第15条第3項又は第4項の規定による失業の認定の対象となる日について、当該失業の認定を受ける日にしなければならない。ただし、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者が当該支給申請書を提出する場合にあっては、当該支給に係る保育等サービスを利用をした日の翌日から起算して  以内に行うものとする。

  

選択肢:

①教育訓練支援給付金 ②職業訓練受講費 ③教育訓練受講費 ④短期訓練受講費 ⑤求職活動利用費 ⑥求職活動支援費 ⑦就職活動役務利用費 ⑧求職活動関係役務利用費 ⑨ 広域求職活動の指示を受けた日の翌日から起算して10日以内 ⑩広域求職活動の指示を受けた日の翌日から起算して30日以内 ⑪広域求職活動を終了した日の翌日から起算して10日以内 ⑫広域求職活動を終了した日の翌日から起算して30日以内 ⑬法第32条第1項又は第2項の規定による給付制限が経過した後 ⑭法第32条第1項、第2項又は第33条第1項の規定による給付制限が経過した後 ⑮法第32条第1項、第2項若しくは第33条第1項又は法第52条第1項の規定による給付制限が経過した後 ⑯法第21条の規定による待期期間が経過した後 ⑰10日以内 ⑱1月以内 ⑲2か月以内 ⑳4箇月以内

 

※ 解答はこちら

 

 

【問5】

 

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

育児休業給付金の支給対象である被保険者の育児休業に係る子とは、原則として、その1歳に満たない子(民法第817条の2第1項の規定により被保険者が当該被保険者との間における同項に規定する  の成立について家庭裁判所に請求した者(当該請求に係る  に限る。)であって、当該被保険者が現に  するもの、児童福祉法第27条第1項第3号の規定により同法第6条の4第2号に規定する  である被保険者に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者を含む。)である。

 

なお、期間を定めて雇用される者にあっては、次のイ及びロのいずれにも該当する被保険者でなければ、育児休業給付金は支給されない。

 

イ その事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者

 

ロ その養育する子が  

 

選択肢:

①養子縁組 ②普通養子縁組 ③特殊養子縁組 ④特別養子縁組 ⑤事件が紛争調整委員会が行うあっせん手続を経ている場合 ⑥事件が訴訟上の和解を経ている場合 ⑦家事審判事件が確定した場合 ⑧家事審判事件が裁判所に係属している場合 ⑨養育 ⑩監督 ⑪保育 ⑫監護 ⑬里親 ⑭養育里親 ⑮養子縁組里親 ⑯特別養子縁組里親 ⑰その養育する子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者 ⑱その養育する子が1歳に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(当該子の1歳到達日から1年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く) ⑲その養育する子が1歳6か月に達する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(当該子の1歳6か月到達日から1年を経過する日までの間に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く) ⑳1歳6か月に達する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

 

※ 解答はこちら 

 

 

【問6】

 

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1.介護休業給付金の対象となる介護に係る対象家族とは、  である。

 

2.介護休業給付金の額は、1支給単位期間について、休業開始時賃金日額に支給単位期間の区分に応じた所定の支給日数を乗じて得た額の100分の  (当分の間は、100分の  )に相当する額とする。

この場合における休業開始時賃金日額の上限額は、法第17条第4項の規定に定める賃金日額の上限額について  を適用するものとする。

なお、当該被保険者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金は支払われていないものとする。

 

3.被保険者が介護休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が次の(1)又は(2)のいずれかに該当する介護休業をしたときは、介護休業給付金は、支給しない。

 

(1)同一の対象家族について当該被保険者が  以上の介護休業をした場合における  目以後の介護休業

 

(2)同一の対象家族について当該被保険者がした介護休業ごとに、当該介護休業を開始した日から当該介護休業を終了した日までの日数を合算して得た日数が93日に達した日後の介護休業

 

選択肢:

①被保険者の配偶者、父母及び子、並びに被保険者が同居し、かつ、扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫、並びに配偶者の父母

②被保険者の配偶者、父母、子、祖父母及び兄弟姉妹並びに配偶者の父母

③被保険者の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹及び孫

④被保険者の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹及び孫並びに配偶者の父母

⑤10 ⑥20 ⑦30 ⑧40 ⑨56 ⑩67 ⑪70 ⑫76 

⑬30歳未満である受給資格者に係るもの ⑭30歳以上45歳未満である受給資格者に係るもの ⑮45歳以上60歳未満である受給資格者に係るもの ⑯60歳以上65歳未満である受給資格者に係るもの

⑰2回 ⑱3回 ⑲4回 ⑳5回

 

※ 解答はこちら 

 

 

【問7】

 

次の文中の   の部分(A及びB)を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

雇用安定事業及び能力開発事業は、被保険者等の  を図るため、  に資するものとなるよう留意しつつ、行われるものとする。

 

選択肢:

①福祉の向上 ②雇用の安定 ③職業の安定 ④生活の安定 ⑤生産性の向上 ⑥労働者の付加価値の向上 ⑦労働者の職業能力の向上 ⑧労働生産性の向上

 

※ 解答はこちら

 

 

 

選択式 解答

 

【問1】の解答(設問はこちら

 

A=④短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者

B=⑦高年齢求職者給付金

C=⑫再就職手当及び就業手当

D=⑱65歳に達した日の属する月については支給される

E=⑮支給される

 

 

(解説)

本問は、高年齢被保険者の定義(要件)と支給される失業等給付の種類についての改正事項に関する出題です。

高年齢被保険者は、本問のように、支給される失業等給付の種類を押さえておく必要があります。 

 

1 高年齢被保険者の定義

 

高年齢被保険者とは、「65歳以上の被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除きます)」のことをいいます(第37条の2第1項(雇用保険法のパスワード))。

 

従って、設問のAについて、高年齢被保険者の対象とならないのは、「短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者」となります。

 

雇用保険の被保険者の種類を決定する場合は、条文上、「日雇労働被保険者 → 短期雇用特例被保険者 → 高年齢被保険者 → 一般被保険者」の順に判断していくことになります。

即ち、被保険者(=「適用事業に雇用される労働者であって、適用除外者〔=第6条各号に掲げる者〕以外のもの」)のうち、

まず、日雇労働被保険者に該当するかどうかを判断し、日雇労働被保険者に該当しない場合は、短期雇用特例被保険者に該当するかどうかを判断し(第38条第1項柱書が、短期雇用特例被保険者には、日雇労働被保険者を除く旨を規定しています)、次に、短期雇用特例被保険者に該当しない場合に、高年齢被保険者に該当するかを判断します(前掲の第37条の2第1項)。

 

なお、一般被保険者については、包括的な定義規定はないのですが、教育訓練給付金について規定しています第60条の2第1項第1号 が同条における一般被保険者の定義を定めており、そこでは、一般被保険者とは、「被保険者のうち、高年齢被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者以外の者をいう」とされていることが参考になります。

 

 

平成29年1月1日施行の改正(平成28年の改正)前は、「65歳に達した日以後に雇用される者」は原則として適用除外者であり(改正前の第6条第1号)、例外として、同一事業主の適用事業に65歳到達日の前後にわたり引き続いて雇用されている被保険者は、雇用保険法の保護の対象となり、これを「高年齢継続被保険者」といいました。

ただし、この高年齢継続被保険者についても、短期雇用特例被保険者及び日雇特例被保険者は除外されていました。この点は、改正後の高年齢被保険者の場合と同様です。

 

 

2 高年齢被保険者に支給される失業等給付

 

次に、高年齢被保険者(高年齢受給資格者)にどのような失業等給付(以下、単に「給付」ということがあります)が支給されるのか(支給されないものはどれか)は重要であり、今回の本試験でも何らかの形で出題されることは確実です。

(なお、求職者給付等の支給が問題になる場合、即ち、離職者に対する支給が問題となる場合は、正確には、「高年齢被保険者」ではなく、「高年齢受給資格者」(高年齢被保険者であった者)と表現するのですが、ここでは便宜上、単に「高年齢被保険者」ということがあります。)

 

高年齢被保険者に支給される失業等給付の全体像は、こちらの表です。

ポイントは、この表の「常用就職支度手当以下の給付は、高年齢被保険者(高年齢受給資格者)に対して基本的に支給されるということです。

換言しますと、高年齢被保険者についても、性質上ふさわしくないものは除いて、基本的には、一般被保険者と同様の失業等給付が支給されるということです。

 

この点、「求職者給付」については、高年齢被保険者は、一般には老齢給付(老齢基礎年金、老齢厚生年金等)を受給できる者であるため、基本手当のようには手厚い求職者給付(失業手当)の仕組みはとられていません。

そして、高年齢被保険者も多年にわたり雇用保険料を負担してきているのが通常であるため、失業した場合に、一時金である高年齢求職者給付金の支給が認められているものです。

 

「就職促進給付」については、「再就職手当」(「就業促進定着手当」を含みます。以下同様です)及び「就業手当」は、高年齢被保険者には支給されません(ここが記憶のポイントです)。

 

これらの給付は早期の再就職の促進を目的にしているところ、高年齢被保険者については、早期再就職のバロメーターである支給残日数を問題にできないことによります。

その他の就職促進給付である「常用就職支度手当」、「移転費」及び「求職活動支援費」については、早期再就職の促進を趣旨とはしていませんので、高年齢被保険者についても支給対象としてよいということです。

 

教育訓練給付及び雇用継続給付については、高年齢被保険者について、特に支給をしない理由が乏しくなっていることから、支給対象とされたことになります(例えば、高齢化社会の下では、高齢者が再就職のため、新たに教育訓練を受講して能力を高める必要もありますし、「老々介護」といった状況から、高年齢被保険者に対して介護休業給付を支給する必要もあります)。

 

ただし、雇用継続給付のうち高年齢雇用継続給付は、65歳到達月のみの支給になります。

高年齢被保険者は65歳以上の者を対象としているところ、高年齢雇用継続給付は65歳到達月まで支給されるためです。この点は、従来の高年齢継続被保険者の場合も同様でした。

 

 

以上、高年齢被保険者に支給される失業等給付の結論としては、上記の表を思い出して頂き、「常用就職支度手当」以下の給付は、高年齢被保険者に対しても基本的に支給される(高年齢雇用継続給付は、65歳到達月のみ支給)という点を覚えます。 

 

以上、本文は、こちら以下こちら以下及びこちら以下を参考にして下さい。

 

 

【問2】の解答(設問はこちら

 

A=⑧150日 

B=⑤120日

C=②90日

 

 

(解説)

特定受給資格者(特定理由離職者)と所定給付日数に関する改正事項からの出題です。

 

1 Aについて

 

(1)特定受給資格者

 

「妊娠したことを理由として解雇された」受給資格者は、特定受給資格者に該当します(施行規則第36条第5号ホ)。

 

即ち、平成29年1月1日施行の施行規則の改正により、「事業主が法令に違反し、妊娠中若しくは出産後の労働者又は子の養育若しくは家族の介護を行う労働者を就業させ、若しくはそれらの者の雇用の継続等を図るための制度の利用不当に制限したこと又は妊娠したこと出産したこと若しくはそれらの制度の利用の申出をし、若しくは利用をしたこと等を理由として不利益な取扱いをしたこと」(施行規則第36条第5号ホ)により離職した者は、新たに特定受給資格者とされました(第23条第2項第2号)。

本文は、こちら以下です。

 

 

(2)所定給付日数

 

そこで、本問の所定給付日数は、基準日に35歳である算定基礎期間が1年の特定受給資格者の場合となります。

 

この点は、改正個所であり、次の表の緑色の②の部分となります。従って、所定給付日数は150日です。

 

この表の緑の2か所は、平成29年4月1日施行の改正により、所定給付日数が従来の90日から引き上げられました。本文は、こちら以下です。

 

2 Bについて

 

次に、Bです。

 

(1)特定受給資格者

 

「賃金(退職手当を除く。)の額を3で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかったことを理由として離職」した受給資格者も、特定受給資格者に該当します(施行規則第36条第3号) 。

 

従来は、賃金(退職手当を除きます)の額を3で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかった「月が引き続き2箇月以上、又は離職日の属する月の前6月のうちいずれか3箇月以上となった」ことが要件でしたが、平成29年1月1日施行の施行規則の改正により、カギかっこの部分が削除されました。

 

 

(2)所定給付日数

 

そこで、本問の所定給付日数は、基準日に30歳であり、算定基礎期間が1年である特定受給資格者の場合となります。

この点も、改正個所であり、前掲の表の①の部分となります。従って、所定給付日数は120日です。

 

 

3 Cについて

 

最後にCです。

 

(1)特定理由離職者

 

Cは、「結婚に伴う住所の変更のため通勤が困難となったことにより離職した」受給資格者であり、特定理由離職者のうち、「正当理由がある自己都合退職者」に該当します。

即ち、「結婚に伴う住所の変更により通勤不可能又は困難となったことにより退職した」者は、「正当理由がある自己都合退職者」に該当します(第13条第3項施行規則第19条の2第2号)。(こちらの(イ)を参考)。

 

※ この点は、【過去問 平成22年問2E(こちら)】に出題されています。

 

 

復習をしておきますと、特定理由離職者には、次の(ア)及び(イ)の2種類があります。

 

(ア)希望に反して有期労働契約が更新されなかったことにより離職した者(第13条第3項施行規則第19条の2第1号)。

 

(イ)正当理由がある自己都合退職(離職)者第13条第3項施行規則第19条の2第2号)。

 

そして、特定理由離職者は、要保護性が高いことから、特別の取扱いがなされています(以下、効果(広義)の問題です)。

例えば、(ⅰ)特定理由離職者については、上記の(ア)及び(イ)のいずれについても、受給資格の要件の特例等が認められています(これは恒久的措置です。第13条第2項)。

また、(ⅱ)上記(ア)については、離職日が(平成21年3月31日から)平成34年3月31日までの間にある場合は、所定給付日数受給期間優遇も認められています(法附則第4条施行規則附則第18条)。

 

後者の(ⅱ)については、平成29年4月1日施行の改正により、従来の暫定措置が5年間延長され、平成34年3月31日までとなりましたが、従来と異なり、上記(イ)の「正当理由がある自己都合退職者」は、この暫定措置の対象とはならないことに改められました。

(以上、本文はこちら以下です。)

 

 

(2)所定給付日数

 

以上より、本問の「結婚に伴う住所の変更のため通勤が困難となったことにより離職した」受給資格者は、特定理由離職者ではあっても、所定給付日数の優遇の暫定措置の適用は受けられず、一般の受給資格者としての所定給付日数となります。

本問では、基準日に30歳であり、算定基礎期間が1年ですから、所定給付日数は90日となります。

 

以上、本問では、所定給付日数、特定受給資格者及び特定理由離職者という3つの改正事項をテーマとしたものでした。

 

 

【問3】の解答(設問はこちら

 

A=④特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)である者又は特定受給資格者

B=⑧再就職を促進するために必要な職業指導を行う

C=⑫心身の状況

D=⑮60日

E=⑬30日

 

 

(解説)

設問では、「所定給付日数を超えて基本手当を支給することができる」とか、「激甚災害」といった表現がありますから、本問は、新設の「個別延長給付」(第24条の2)の問題であることがわかります。

 

本問は、難しかったと思います。実際に、このような問題が出題されたなら、救済措置となって2点の基準点になるかもしれません。

比較的得点しやすいのは、Cの⑫「心身の状況」ですが、その他は結構厄介です(改正事項に慣れていないためです)。

もっとも、近時の雇用保険法の選択式の傾向からしますと、個別延長給付だけで5つの空欄を作ってくる可能性は少ないかもしれません。

今回の設問を例として、改めて個別延長給付の概要とキーワードを押さえておいて下さい。

 

さて、個別延長給付は、「一 特定受給資格者又は特定理由離職者の場合」と「二 就職困難者の場合」に大別されます。

前者については、「(一)心身状況」、「(二)激甚災害(大規模災害)+就職困難地域居住」及び「(三)激甚災害その他の災害」の3類型があります。

(二)の災害レベルの方が(三)より重大(大規模)です。

(二)が最も延長日数が多くなり、(一)と(二)の延長日数は同じです。

後者の「二 就職困難者の場合」については、(二)の類型のみ適用されます。

 

このような大まかなイメージの下、次の図を思い浮かべます。 以下、設問に入ります。

 

1 Aについて

 

本問では、設問の冒頭部分の通り、「就職が困難な受給資格者以外の受給資格者」が問題となっていますから、上記図の一の「特定受給資格者又は特定理由離職者の場合」です。

そこで、空欄のAには、一応、「特定理由離職者又は特定受給資格者」が入るのですが、注意点が2つあります。

 

(ⅰ)まず、個別延長給付は、平成29年4月1日施行の改正により、「法本則」に新設された制度です。即ち、恒久的措置であり、暫定措置ではありません暫定措置としては、「地域延長給付」が新設(改正前の「旧個別延長給付」が修正)されています)。

従って、個別延長給付の対象者は、選択肢の③のように、「離職日が平成34年3月31日以前である」特定受給資格者又は特定理由離職者ではありません。

「離職日が平成34年3月31日以前」の暫定措置は、「地域延長給付」です(地域延長給付については、本文のこちら以下)。

 

(ⅱ)次に、個別延長給付の適用対象となる「特定理由離職者」は、(ア)希望に反して有期労働契約が更新されなかったことにより離職した者(第13条第3項施行規則第19条の2第1号)に限られ、(イ)正当理由がある自己都合退職者第13条第3項施行規則第19条の2第2号)は含まれません。

  

空欄Aについては、②の「特定理由離職者又は特定受給資格者」としては、この「特定理由離職者」に上記(イ)も含まれてしまうため適切でなく、正解は、④の「特定理由離職者(厚生労働省令で定める者に限る。)である者又は特定受給資格者」となります。

かっこ書の「厚生労働省令で定める者に限る」という部分が、上記(ア)に限ることを意味しています(ちなみに、この「厚生労働省令」とは施行規則第38条の2ですが、覚える必要ありません)。

 

 

Bについて

 

B(⑧「再就職を促進するために必要な職業指導を行う」)については、ある程度、条文を読んでいないと難しいと思います。

⑤の「公共職業訓練等を受けること」については、延長給付のうちに、訓練延長給付がありますから、それと重複するおそれがあり、妥当でなさそうだと導けます。

このように消去法で、最も妥当そうなものを見つけていきます。

 

 

Cについて

 

Cに⑫の「心身の状況」が入ることは、正解する必要があります。

個別延長給付は、「病気の治療と仕事の両立」が重要な課題となっていることから、難病等の病気の治療を図りながら求職活動をする特定受給資格者等について、所定給付日数の延長を可能とすることが目的の一つとなっています。

 

 

D及びEについて

 

D及びEは、延長される日数の限度に関する設問です。この延長日数の限度は、ややこしく文章では覚えにくいため、前掲の図(こちら)のように視覚化して覚えて下さい。 

 

ちなみに、前掲の図(こちら)の延長日数の「例外」の部分の

「算定基礎期間が20年以上で、かつ、所定給付日数が270日又は330日である特定受給資格者等」というのは、右の特定受給資格者に係る所定給付日数の水色の2個所のことです。

 

即ち、例えば、前掲の図(こちら)の(一)又は(三)の場合で、この水色の2個所に該当する「一 特定受給資格者又は特定理由離職者(雇止めのケースに限ります)」については、個別延長給付の延長日数は、(原則の60日の限度ではなく)例外の30日の限度になるということです(もともとの所定給付日数が多いため、延長給付による延長が少なくなっています)。

 

なお、「二 就職困難者」の場合は、この「例外」はなく、その延長日数の限度は常に60日となります(就職困難者の場合、算定基礎期間が1年以上なら、所定給付日数は300日又は360日もあるためです)。

 

以上、延長日数の限度については、最低限、「原則 60日」・「例外 30日」は押さえておいた方がよさそうです。サイトのこちらでは、すべての数字についてゴロ合わせを作っていますので、参考にして下さい。

 

 

 

【問4】の解答(設問はこちら

 

A=④短期訓練受講費

B=⑧求職活動関係役務利用費

C=⑪広域求職活動を終了した日の翌日から起算して10日以内

D=⑯法第21条の規定による待期期間が経過した後

E=⑳4箇月以内

 

 

(解説)

本問は、求職活動支援費に関する改正事項についての総合的な問題です。

ここでは内容を詰め込みましたが、実際の本試験において求職活動支援費が出題される場合は、例えば、本問のうちいくつかの論点のみ取りあげられ、他は、別の給付等から出題されることになるでしょう。

ここでは、求職活動支援費の総復習の意味で、求職活動支援費の全体にわたって注意すべき個所を取りあげました。

C~Eは、かなり難しいかもしれません。

 

1 AとBについて

 

求職活動支援費は、次の3つです。この名称は、必ず覚えなければなりません。

 

① 広域求職活動費

② 短期訓練受講費

③ 求職活動関係役務利用費

 

なお、本問では出題しませんでしたが、そもそも「求職活動支援費」という名称自体も出題の可能性がありますので、注意です。

 

 

2 Cについて

 

広域求職活動費については、基本的には改正前の内容と同様です。

ただ、重要な改正点として、手続(支給申請手続)について改められていることに注意です(本文はこちら以下)。

 

即ち、広域求職活動費の支給申請は、平成29年1月1日施行の改正前は、「広域求職活動の指示を受けた日」の翌日から起算して10日以内に行うことが必要でした。

しかし、同改正により、「広域求職活動を終了した日」の翌日から起算して10日以内に申請することに改められました。

その結果、従来と異なり、広域求職活動を行う前に支給を受けることはできなくなったため、広域求職活動費の返還の問題(広域求職活動費の支給を受けた者が、公共職業安定所の紹介した広域求職活動を行わなかったときは、当該支給額等の返還義務を負ったもの)は生じなくなりました(返還について定めていた施行規則が削除されました)。

 

要するに、今までは、事前の支給申請(実際の広域求職活動を行う前に旅費等を前払いすること)も認めていたのですが、改正により事後の支給申請しか認められないことになったということです。

上記の赤字部分を押さえておいて下さい。

 

 

3 Dについて

 

短期訓練受講費は、受給資格者等が公共職業安定所の職業指導により短期間の教育訓練を受けて修了した場合において、当該教育訓練の受講のために支払った費用(入学料及び受講料に限ります)について教育訓練給付金の支給を受けていないときに、当該費用の20%上限10万円)が支給されるものです。

 

短期訓練受講費及び求職活動関係役務利用費は、平成29年1月1日施行の改正(平成28年改正)により新設されたものですが、いずれも、さらに平成29年4月1日施行の追加改正により支給要件が改められていることに注意です(施行規則の改正です)。

即ち、この両者の支給要件について、「法第21条の規定による期間〔=待期期間〕が経過した後に、当該教育訓練を開始した場合(保育等サービスを利用する場合)に限る」という「待期期間経過後」という要件が追加されました(この点は、択一式の方が出題しやすそうです)。

 

これにより、短期訓練受講費の支給要件は、次のようになります。

 

〇短期訓練受講費の支給要件:

 

短期訓練受講費が支給されるためには、次の一及び二のいずれの要件も満たすことが必要です(施行規則第100条の2)。

 

(1)受給資格者等公共職業安定所職業指導により再就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練を受けて修了したこと(待期期間が経過した後当該教育訓練を開始した場合に限ります)。

 

(2)当該教育訓練の受講のために支払った費用(入学料及び受講料に限ります)について教育訓練給付金の支給を受けていないこと。

 

 

※ 受給資格者等:

 

(ⅰ)なお、上記(1)の「受給資格者等」とは、「受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者」のことです。

これは、求職活動支援費の3つに共通であり、常用就職支度手当及び移転費においても同様です。

即ち、「常用就職支度手当」及び「移転費」並びに「求職活動支援費の3つ」(以下、これらを「常用就職支度手当」といいます。つまり、「再就職手当(就業促進定着手当)」及び「就業手当」以外の「就業促進給付」です)については、「受給資格者」が支給対象者になります。

従って、【問1】で触れましたように、「高年齢受給資格者」(高年齢被保険者であった者)も支給対象になることに注意です(その他に、教育訓練給付についても、受給資格者等が支給対象となります)。

 

(ⅱ)この「受給資格者等」に関連し、注意点は次の通りです。

なお、次の(ア)及び(イ)についても、「常用就職支度手当」のすべてに共通します。

 

(ア)高年齢受給資格者は、高年齢求職者給付金支給を受けた者であって、当該高年齢受給資格に係る離職の日の翌日から起算して1年経過していないもの含みます第56条の3第1項第2号)。

  

(イ)特例受給資格者は、特例一時金支給を受けた者であって、当該特例受給資格に係る離職の日の翌日から起算して6箇月経過していないものを含みます(前掲第56条の3第1項第2号)。

 

つまり、「常用就職支度手当」においては、高年齢受給資格者(特例受給資格者)は、高年齢求職者給付金(特例一時金)の支給を受けてしまっていても、受給期限(1年又は6か月)を経過していなければ、なおも支給対象になるということです。

 

 

一方、求職活動関係役務利用費の支給要件は、次の通りです。

 

〇求職活動関係役務利用費の支給要件:

 

◆求職活動関係役務利用費が支給されるためには、受給資格者等求人者との面接等をし、又は「求職活動関係役務利用費対象訓練」を受講するため、その子に関して、所定の役務(「保育等サービス」といいます)を利用する場合(待期期間が経過した後に保育等サービスを利用する場合に限ります)であることが必要です(施行規則第100条の6)。

 

※「子」には、「特別養子縁組の監護期間にある子及び養子縁組里親に委託されている要保護児童等」も含まれます(改正された育児介護休業法における育児休業の対象となる「子」と同様です。雇用保険法の育児休業給付金の支給対象である子とも同様です)。

  

 

わきに逸れましたが、本問のDについては、待期期間が経過した後に当該教育訓練を開始したことが必要ということです。

 

なお、Dに関係する選択肢の⑬~⑮では、給付制限についての条文が記載されていますが、参考までに次の給付制限の規定のことです(給付制限についての一覧は、こちらの図です)。

 

第32条第1項 = 紹介就職拒否又は訓練受講拒否による給付制限

第32条第2項 = 職業指導拒否による給付制限

第33条第1項 = 離職理由による給付制限

第52条第1項 = 日雇受給資格者の紹介就職拒否による日雇労働求職者給付金(普通給付)の給付制限(特例給付については、第55条第4項が同第52条第1項を準用)

 

「移転費」及び「常用就職支度手当」の場合は、「待期期間」及び「給付制限期間」の満了(経過)後に、就職等をしたことが必要になる点も注意です(こちら の表の(2)を参考)。

 

 

最後に、短期訓練受講費の支給申請については、当該短期訓練受講費の支給に係る教育訓練を修了した日の翌日から起算して1箇月以内に、求職活動支援費(短期訓練受講費)支給申請書に受給資格者証等を添えて管轄公共職業安定所の長に提出しなければなりません(施行規則第100条の4第1項)。

 

以上でDを終わり、最後に「求職活動関係役務利用費」に関するEです。

 

 

4 Eについて

 

求職活動関係役務利用費の支給申請の期限は、受給資格者等に応じて、次のように異なります。

 

(1)受給資格者の場合

→ 失業の認定を受ける日に、求職活動関係役務利用費支給申請書の提出が必要です。

 

(2)高年齢受給資格者特例受給資格者又は日雇受給資格者の場合

→ 当該求職活動関係役務利用費の支給に係る保育等サービスを利用をした日翌日から起算して4箇月以内に、求職活動関係役務利用費支給申請書の提出が必要です。

 

※「4箇月以内」という数字は、他に高年齢雇用継続給付や育児休業給付金の支給申請の期限においても登場します(こちらの表を参考)。

 

 

以上、求職活動支援費に関する選択式でした。

 

ここで取り上げられなかったその他の主要な事項として、支給額に関する問題があります。

 

(1)広域求職活動費には、鉄道賃船賃航空賃車賃及び宿泊料の5種類があります(施行規則第97条第1項)。支給額については、細かく覚えなくて足りるでしょう。

 

(2)短期訓練受講費の額は、教育訓練の受講費用(入学料及び受講料のみです)の20%上限10万円)です(施行規則第100条の3)。

これは、一般教育訓練給付金の額(こちら)と基本的には同様ですが、一般教育訓練給付金の額には、入学料及び受講料のほか、平成29年1月1日施行の改正により、キャリアコンサルティングの費用も含まれることになったという違いがあります。

 

(3)求職活動関係役務利用費の額はややこしいのですが、次の通りです(本文は、こちら以下 です。ゴロ合わせがあります)。

 

(ⅰ)支給額

求職活動関係役務利用費の額は、受給資格者等が保育等サービスの利用のために負担した費用の額1日当たり8千円限度です)に100分の80を乗じて得た額です(施行規則第100条の7)。

  

(ⅱ)支給日数

支給日数は、次を限度とします。

 

(ア)求人者との面接等をした日 → 15日

(イ)求職活動関係役務利用費対象訓練を受講した日 → 60日

 

以上で【問4】を終わります。

 

 

【問5】の解答(設問はこちら

 

A=④特別養子縁組

B=⑧家事審判事件が裁判所に係属している場合

C=⑫監護

D=⑮養子縁組里親

E=⑳1歳6か月に達する日までに、その労働契約(契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

 

 

(解説)

本問は、育児休業給付金に関する改正事項からの出題です。

育児休業給付金の対象となる育児休業に係る「子」の範囲の拡大及び期間を定めて雇用される者(期間雇用者)の取扱いの2点がテーマです。

 

1 A~Dについて

 

まず、育児休業給付金の対象となる育児休業に係る「子」の範囲の拡大についてです。

育児休業給付金に係る育児休業の対象は、原則として、1歳未満の「子」ですが、例外として、民法の特別養子縁組の規定により、被保険者が当該被保険者との間における特別養子縁組(設問のA)の成立について家庭裁判所請求した者(当該請求に係る家事審判事件が裁判所に係属している場合(設問のB)に限ります)であって、当該被保険者が現に監護(設問のC)するもの、養子縁組里親(設問のD)である被保険者に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者も、当該「子」に含まれることになりました(第61条の4第1項かっこ書)。

育児介護休業法における育児休業の対象となる「子」の改正に伴い、育児休業給付金に係る「子」の定義も改められものです。

 

従来は、育児休業に係る「子」とは、労働者(被保険者)と法律上の親子関係がある子に限定されていましたが、今回の改正により、特別養子縁組の監護期間にある子及び養子縁組里親に委託されている要保護児童等についても、育児休業の対象となる子に含まれることとなりました。

この特別養子縁組の監護期間にある子等についても、子に準じて育児休業を認めることが妥当であるとするものです。

 

(参考)

ちなみに、試験対策上は不要ですが、「特別養子縁組の監護期間にある子」等の意義は、以下の通りです。

 

(ⅰ)特別養子縁組の監護期間にある子: 

特別養子縁組(養子と実方の血族との親族関係が終了する養子縁組です。即ち、養親を唯一の父母とし、養親子の関係を実親子の関係と同様に取り扱うものです)は、養親となる者が家庭裁判所に請求し、一定の要件を満たす場合に、家庭裁判所の審判により成立します(民法第817条の2第1項)。

そして、特別養子縁組を成立させるには、原則として、養親となる者が養子となる者(原則として6歳未満)を(請求時から)6箇月以上の期間、監護した状況を考慮しなければならないとされます(民法第817条の8第1項)。

この監護状況を考慮して、家庭裁判所が審判をします。即ち、監護期間試験養育期間)は、養親の適格性や養親子の相性等を判断する期間です。

今回の改正により、特別養子縁組の監護期間にある子は、特別養子縁組の成立前の子であり、いまだ養親となる者の子ではないのですが、当該子を監護している場合、育児休業を認める妥当性はありますので、改正が行われたものです。

 

(ⅱ)養子縁組里親に委託されている要保護児童等:

養子縁組里親に委託されている要保護児童等とは、養子縁組里親である被保険者(労働者)に委託されている児童及びその他これらに準ずる者として厚生労働省令で定める者に、厚生労働省令で定めるところにより委託されている者です。 

 

・養子縁組里親とは、要保護児童を養育すること及び養子縁組によって養親となることを希望する者(都道府県知事が厚生労働省令で定めるところにより行う研修を修了した者に限ります)のうち、養子縁組里親名簿に登録されたもののことです(児童福祉法第6条の4第2号)。

(ちなみに、里親とは、養育里親、養子縁組里親及び要保護児童を委託する者の3種類があります。)

 

・要保護児童とは、「保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童」のことです(児童福祉法第6条の3第8項)。

 

  

2 Eについて

 

Eは、期間を定めて雇用される者(期間雇用者。有期労働契約者)の取扱いに関する改正部分です。

 

期間を定めて雇用される者については、次の(ア)及び(イ)のいずれにも該当するものに限り、育児休業(介護休業も類似します)の申出をすることができるとされ(育休法第5条第1項ただし書同法第11条第1項ただし書))、そこで、一般被保険者又は高年齢被保険者である期間雇用者は、育児休業開始時(介護休業開始時)において、次のいずれにも該当する場合に育児休業給付金(介護休業給付金)の支給対象となります(施行規則第101条の11第1項第4号第101条の16第1項第4号)。

 

(ア)当該事業主に引き続き雇用された期間1年以上である者〔=継続雇用1年以上の労働者(被保険者)であること〕

 

(イ)その養育する子が1歳6か月に達する日(介護休業給付金の場合は、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6月を経過する日)までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者〔=即ち、子が1歳6か月に達する日まで(ないし、介護休業開始予定日から起算して93日経過日から6月を経過する日まで)雇用継続の可能性があることが必要です〕

 

この(イ)の部分が、設問のEにあたります。

 

上記の(イ)については、平成29年1月1日施行の改正前の育児介護休業法において、その養育する子が1歳に達する日(介護休業給付金の場合は、介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日)を超えて引き続き雇用されることが見込まれる者(当該子の1歳到達日(介護の場合は93日経過日)から1年を経過する日までの間(即ち、育児の場合は2歳までの間)に、その労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く)と規定されていました。

改正後は、子の2歳まで(93日経過日から1年間)の雇用継続の可能性は問われなくなり、子の1歳6か月まで(93日経過日から6月間)の雇用継続の可能性で足りることになりました。

詳しくは、育児介護休業法で触れています(労働一般のこちら以下(育児休業)とこちら以下(介護休業))。

 

 

【問6】の解答(設問はこちら

 

A=④被保険者の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹及び孫並びに配偶者の父母

B=⑧40

C=⑩67

D=⑮45歳以上60歳未満である受給資格者に係るもの

E=⑲4回

 

 

(解説)

本問は、介護休業給付金に関する改正事項についての出題です。

 

1 Aについて

 

対象家族については、従来は、「祖父母兄弟姉妹及び」について、被保険者が同居し、かつ、扶養していることが要件でしたが、平成29年1月1日施行の改正により、この「同居かつ扶養」の要件がなくなりました施行規則第101条の17)。

育児介護休業法の介護休業に係る対象家族と同様の改正です(育児介護休業法施行規則第3条育児介護休業法第2条第4号)。

 

そこで、対象家族は、「被保険者の配偶者、父母、子、祖父母、兄弟姉妹及び孫並びに配偶者の父母」となります。

 

 

2 B及びCについて

 

B及びCは、支給額の支給率に関する問題であり、Cが改正個所です。

即ち、介護休業給付金の額は、法本則からは、「休業開始時賃金日額 × 支給日数 × 40」として40%の支給率です(第61条の6第4項柱書)。

しかし、平成28年8月1日施行の施行規則の改正により、当分の間、この「40」は「67」とされました(法附則第12条の2)。

従って、介護休業給付金の支給率は、当分の間、67%です。

 

対して、育児休業給付金の支給率は、法本則からは40%ですが(第61条の4第4項柱書)、当分の間、50%とされており、ただし、育児休業開始日から起算して、育児休業給付金の支給に係る休業日数が通算して180日に達するまでの間は、67%とされています(法附則第12条)。

そこで、現在、育児休業給付金の最初の180日の休業日数に係る支給率と介護休業給付金の支給率は、ともに67%であり、同じになっています。

 

 

3 Dについて

 

Dは、介護休業給付金に係る休業開始時賃金日額の上限額に関する改正事項です。

従来は、介護休業給付金に係る休業開始時賃金日額の上限額について、育児休業給付金の場合と同様に、「30歳以上45歳未満である受給資格者」に係る賃金日額の上限額を適用していました。

しかし、平成28年8月1日施行の改正により、同日以後に開始する介護休業については、「45歳以上60歳未満である受給資格者」に係る賃金日額の上限額を適用することに改められました。

「老々介護」の問題など、介護する者の高齢化に対応した改正です。

 

 

4 Eについて

 

Eは、介護休業給付金の支給回数の制限に関する改正の問題です。 

平成29年1月1日施行の改正により、同一の対象家族について、3回限度として、通算して93日まで介護休業を取得できることになり、介護休業給付金も3回まで支給されることとなりました(第61条の6第6項第1号)。

 

育児介護休業法の改正(育休法第11条第2項第1号)により、介護休業の分割取得が認められることとなったことに伴う改正です。

従来は、同一の対象家族については、要介護状態ごとに1回の介護休業の取得に限られていました(通算93日の限度は同じです)。

 

以上より、設問のEを見ますと、同一の対象家族について当該被保険者が「4回」以上の介護休業をした場合における「4回」目以後の介護休業の場合は、介護休業給付金は支給されないということです。

 

なお、この介護休業の分割取得が認められた関係で、みなし被保険者期間の算定対象となる「介護休業の開始日前2年間」について、同一の対象家族について2回以上の介護休業を取得している場合は、「初回の介護休業」を基準として判断することに改められています(第61条の6第1項かっこ書、第2項かっこ書)。

 

 

【問7】の解答(設問はこちら

 

A=③職業の安定

B=⑧労働生産性の向上

 

 

(解説)

 

本問は、雇用保険2事業に関する生産性の向上の理念の規定の新設についての出題です(本規定は、平成29年3月31日施行です)。

 

Aについては、②の「雇用の安定」ではありません。

本条は、雇用保険2事業の実施において生産性の向上に資するものになるように留意する趣旨ですから、被保険者等の個人的な経済的地位・身分の安定(=雇用の安定)というより、被保険者等の従事する職業全体の安定(=職業の安定)に重点が置かれているからです。

 

Bについては、⑤のように「生産性の向上」といった選択肢があると、かなり迷うことが予想されます。「労働生産性の向上」と「労働」が入ることを今のうちに意識しておいて下さい。

 

 

以上、雇用保険法の直前対策講座でした。次のページでは、確定拠出年金法の直前対策です。