2019年度版

 

労働一般

2019年度版の労働一般の直前対策講座です。

 

今回の労働一般の「選択式」は、「統計不正問題」があるため、予想が難しいです。

次の3つの可能性があります。

 

(ⅰ)従来と同じく、白書等からデーターを出題する。

ただし、「統計不正問題」に関係する例えば「毎月勤労統計調査」等からは出題しない。

 

(ⅱ)従来と異なり、選択式ではデーターは出題せず、法令知識(判例を含む)のみを出題する。

 

(ⅲ)データーを出題しつつ、法令知識も絡める。

 

 

実際は、従来も、(ⅲ)の形式の出題が少なくありません。この(ⅲ)は、いわば(ⅰ)と(ⅱ)の折衷・中間的立場ですから、(ⅰ)又は(ⅱ)のいずれか一方に固め打ちをして直前対策をするよりは、リスクが少ないです。

そこで、白書等の労働経済のデーターについても、やはり、チェックしておいた方がよいでしょう(「毎月勤労統計調査」と「賃金構造基本統計調査」は、さしあたりスルーでよさそうですが)。

このデーター関係については、基本的には、「白書対策講座」をチェックしてみて下さい。

そして、市販ないし予備校の模擬試験に掲載されているデーター関係の選択式・択一式両者の出題をチェックし、当サイトの「白書対策講座」の該当個所を参照しつつ、重要個所を記憶してみて下さい。

 

以下では、主に法令科目の択一的知識をチェックします。ただし、法令知識と労働経済のデーターを絡めた問題もかなり取り上げています。

 

まず、労働一般の直前対策の目次を掲載しておきます。

目次の後、このページでは、「労働契約法」と「労働時間等設定改善法」について見ます。 

 

 

目次

〔1〕労働契約法

まず、労働契約法からです。

 

 

【労契法 問1】

 

労働契約法に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

ア 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、この限りでない。

 

イ 労働契約法は、船員法の適用を受ける船員に関しては、適用しない。

 

ウ 労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を労働者の不利益にも変更することができるが、これも労働条件の不利益変更に該当する以上、就業規則の変更によって労働者に不利益に取り扱う場合は、第10条の就業規則の不利益変更の「合理性」の要件を満たすことが必要である。

 

エ 使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要するとするのが最高裁判所の判例であるが、この判例の趣旨からは、労働基準法上、就業規則の作成義務を負わない常時10人未満の労働者を使用する使用者については、当該使用者が就業規則に準ずる規則を定めずに懲戒処分を行っても、当該懲戒処分が無効となることはない。

 

オ 同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間(「通算契約期間」という。)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約に転換される。

従って、この場合は、無期労働契約が成立しているため、当該転換後の無期契約労働者を解雇するについては、いわゆる正規雇用労働者と同様の条件で取り扱わなければならない。

 

A 1つ

B 2つ 

C 3つ

D 4つ

E 正しいものはない

 

 

※ 解答は、こちらです。   

 

 

【労契法 問2】

 

次の文中の   (A~E)の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

労働契約法第20条は、有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、  旨を定めている。

 

この第20条の「期間の定めがあることにより」について、「ハマキョウレックス事件(最判平成30.6.1)」判決は、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が  であることをいうものと判示した。

 

また、同判決では、同条の効力について、次のように判示した。

「同条の規定は  と解するのが相当であり、有期労働契約のうち同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるものと解される。もっとも、同条は、有期契約労働者について無期契約労働者との職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であり、文言上も、両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に、当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の  となる旨を定めていない。そうすると、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が同条に違反する場合であっても、同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の  となるものではないと解するのが相当である。」

 

なお、定年退職後に有期労働契約により再雇用された者が、無期契約労働者と職務内容(トラックによるセメントの運搬等)等が同一であるにもかかわらず賃金等に格差があったことが労働契約法第20条に違反するして差額の支払や損害賠償等を請求した事案である「長澤運輸事件(最判平成30.6.1)」判決においては、次のように判示されている。

 

「使用者が定年退職者を有期労働契約により再雇用する場合、当該者を長期間雇用することは通常予定されていない。また、定年退職後に再雇用される有期契約労働者は、定年退職するまでの間、無期契約労働者として賃金の支給を受けてきた者であり、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されている。そして、このような事情は、定年退職後に再雇用される有期契約労働者の賃金体系の在り方を検討するに当たって、その基礎になるものであるということができる。

そうすると、有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者であることは、当該有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かの判断において、労働契約法20条にいう『  』として考慮されることとなる事情に当たると解するのが相当である。」

 

選択肢:

 

①合理性が認められるものでなければならない ②不合理性がないものと認められるものでなければならない ③合理的でないと認められるものであってはならない ④不合理と認められるものであってはならない

⑤期間の定めがあることを理由とするもの ⑥期間の定めがあることをもってするもの ⑦期間の定めがあることに関するもの ⑧期間の定めの有無に関連して生じたもの

⑨公法上の効力を有するもの ⑩規範的効力を有するもの ⑪直律的効力を有するもの ⑫私法上の効力を有するもの 

⑬労働契約と同一のもの ⑭労働条件より有利となるもの ⑮労働条件と同一のもの ⑯労働条件より不利となるもの

⑰労働条件の相違 ⑱業務の内容 ⑲職務の内容 ⑳その他の事情

 

 

※ 解答は、こちらです。 

 

 

【労契法 問3】

 

労働契約法第20条に関する最高裁判所の判例について述べた次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

A 労働者の賃金が複数の賃金項目から構成されている場合において、有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が第20条に違反しないかを判断する際は、ある賃金項目の有無及び内容は、通常は、他の賃金項目の有無及び内容を踏まえて決定されるのだから、基本的には、両者の賃金の総額の相違を重視して不合理性を検討する必要があるとするのが最高裁判所の判例の趣旨である。

 

B 最高裁判所の判例によると、労働契約法第20条は、有期契約労働者については、無期契約労働者と比較して合理的な労働条件の決定が行われにくく、両者の労働条件の格差が問題となっていたこと等を踏まえ、有期契約労働者の公正な処遇を図るため、その労働条件につき、期間の定めがあることにより不合理なものとすることを禁止したものとされる。

そして、同条は、有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件に相違があり得ることを前提に、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情(以下「職務の内容等」という。)を考慮して、その相違が不合理と認められるものであってはならないとするものであり、職務の内容等の違いに応じた均等処遇を求める規定であるとされる。

 

C 最高裁判所の判例によると、当該事案における無事故手当は、優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得を目的として支給されるものであると解されるところ、当該事案の乗務員については、契約社員(有期契約労働者)と正社員(無期契約労働者)の職務の内容は異ならないから、安全運転及び事故防止の必要性については、職務の内容によって両者の間に差異が生ずるものではないとされる。

ただし、将来、企業の中核を担う人材として登用される可能性がある者については、顧客の信頼の獲得のために、無事故等の経歴の重要性も無視できないことから、有期契約労働者と無期契約労働者との間で無事故手当の額に一定の相違を設けることも必ずしも不合理ではないとされる。

 

D 最高裁判所の判例によると、当該事案における精勤手当は、その支給要件及び内容に照らせば、従業員に対して休日以外は1日も欠かさずに出勤することを奨励する趣旨で支給されるものであるということができるとされる。そして、当該有期契約労働者と正社員である無期契約労働者との職務の内容が同一である以上、両者の間で、その皆勤を奨励する必要性に相違はないとされる。

ただし、当該事案では、有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であり、当該者を長期間雇用することは通常予定されていないこと、定年退職後に再雇用される有期契約労働者は、定年退職するまでの間、無期契約労働者として賃金の支給を受けてきた者であり、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されていることといった事情を基礎として賃金体系の在り方が検討されることに鑑みれば、正社員に対して精勤手当を支給する一方で、嘱託乗務員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であるとまでは評価できないとされる。

 

E 最高裁判所の判例によると、当該事案では、住宅手当は、従業員の住宅に要する費用を補助する趣旨で支給されるものと解されるところ、契約社員(有期契約労働者)については就業場所の変更が予定されていないのに対し、正社員(無期契約労働者)については、転居を伴う配転が予定されているため、契約社員と比較して住宅に要する費用が多額となり得る。

したがって、正社員に対して住宅手当を支給する一方で、契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であると評価することができないとされる。

 

 

※ 解答は、こちらです。 

 

 

本文中の設問

※ なお、以上の他、「ハマキョウレックス事件判決」及び「長澤運輸事件判決」については、労働一般の労働契約法の本文において、次の4つの設問も作成していますので、ご参照下さい。

 

・【説例1】= こちら(第20条の効力)

 

・【説例2】= こちら(第20条の不合理性の規定の仕方)

 

・【説例3】= こちら(住宅手当の支給の相違の不合理性:ハマキョウレックス事件判決)

 

・【説例4】= こちら(定年退職後の再雇用の事情の考慮の可否:長澤運輸事件判決)

 

 

以上で、労働契約法を終わります。次に、労働時間等設定改善法です。 

 

 

 

〔2〕労働時間等設定改善法

労働時間等設定改善法です。択一式を1問出題します。

 

 

【時間設定法 問1】 

 

「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」(以下、「労働時間等設定改善法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

A 労働時間等設定改善法は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた措置を義務づけることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。 

 

B 事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずることが義務づけられている。

 

C 事業主は、他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと、当該他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件を付けないこと等取引上必要な配慮をしなければならない。

 

D 事業主は、事業場ごとに、当該事業場における労働時間等の設定の改善に関する事項について、いわゆる労使協定により、労働時間等設定改善企業委員会に調査審議させ、事業主に対して意見を述べさせることを定めた場合であって、労働時間等設定改善企業委員会でその委員の5分の4以上の多数による議決により労働基準法第34条第2項ただし書(休憩の一斉付与の原則の例外)、第37条第3項(割増賃金の代替休暇)及び第39条第4項(時間単位年休)に規定する事項について決議が行われたときは、当該決議はこれらの労使協定に代替することができる。

 

E 一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、一般労働者の年間総実労働時間は平成21年を除き、2,000時間を超えているが、パートタイム労働者の年間総実労働時間は横ばいから微減で推移している。一方、パートタイム労働者の割合は、近年、増加傾向にあることから、近年の労働者1人当たりの年間総実労働時間の減少は、パートタイム労働者の割合の増加によるものと考えられる。

 

※ 解答は、こちらです。 

 

 

以上で、労働契約法及び労働時間等設定改善法に関する出題を終わります。次のページでは、労働施策総合推進法等を見ます。 

 

 

 

解答

まず、労働契約法の解答からです。

 

 

解答(労働契約法)

 

【労契法 問1】の解答(設問はこちら

 

正解は、 「E 正しいものはない」です。即ち、全ての肢が誤りです。

以下、肢ごとに見ていきます(最初に、肢を再掲します)。

 

 

 

 

労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、この限りでない。

 

(解説)

 

本肢は、誤りです。

ただし書の部分が誤っています。即ち、「ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分について」、当然に、当該異なる合意が当該就業規則の内容に優先するのではありません。

正しくは、「ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条(労基法のパスワード)に該当する場合〔=就業規則の基準に達せず無効となる場合〕を除き、この限りでない。」であり、設問では、「第12条に該当する場合を除き」が含まれていない点が誤りです(第7条ただし書(労働一般のパスワード))、

つまり、当該就業規則と異なる合意をしていた部分については、当該合意が就業規則の基準に達せず無効となる場合(第12条就業規則の最低基準効)を除いて、就業規則の労働契約規律効は生じないのであり、就業規則と異なる合意は、就業規則の基準を上回る場合において、就業規則に優先するということです。

 

本肢は、やや難しく、出題可能性は乏しいかもしれませんが、第7条自体は出題可能性があり、同条をマスターする素材となりますので、取り上げました。

以下、第7条の趣旨から順を追って説明します(本文は、労基法のこちら以下(労基法のパスワード)労働一般のこちら以下です)。

 

第7条は、労働契約の締結(成立)段階における就業規則の労働契約規律効を定めたものです。

即ち、同条は、労働契約の締結(成立)の段階において、就業規則が労働契約の内容を規律する要件・効果について定めたものです。

具体的には、①労働契約を締結する場合において、②就業規則に合理的な労働条件が定められていること合理性)、かつ、③当該就業規則が労働者に周知されていること(周知性)を要件として、労働契約の内容が当該就業規則で定める労働条件によるという効果が生じます(第7条)。

 

ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条〔=就業規則の最低基準効〕に該当する場合〔=即ち、当該労働条件を定めた合意(労働契約)が、就業規則の基準に達せず無効となる場合〕を除き、当該合意が就業規則の内容に優先します。

例えば、就業規則に配置転換の規定が定められている場合に、労働者との間に勤務地限定の合意があるときは、当該合意は、就業規則と異なる合意であり、かつ、就業規則の基準を上回るものですから、当該合意が優先適用されます。

しかし、就業規則に配置転換の規定が定められており、かつ、配置転換は5年に1回を限度とする制限が付されている場合において、労働者との間で、配置転換は5年に5回を限度とする旨の合意がなされても、当該合意は就業規則の基準を下回るものですから、当該合意は優先適用されず、就業規則の規定が適用され、配置転換は5年に1回を限度とすることとなります。

 

以下、第7条及び第12条を掲載しておきますので、色の付いたキーワードを確認して下さい。

 

 

【条文】

第7条

労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条(労基法のパスワード)〔=就業規則の最低基準効〕に該当する場合〔=即ち、就業規則の基準に達せず無効となる場合〕を除き、この限りでない。

 

 

第12条(就業規則違反の労働契約)

就業規則で定める基準達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

 

 

イ 

 

労働契約法は、船員法の適用を受ける船員に関しては、適用しない。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです(第21条。本文は、こちら)。

労働契約法は、船員について全面的に適用されないのではなく、一定の規定適用されないだけです。

例えば(ここは細かく覚えなくて結構です)、就業規則の最低基準効第12条(労基法のパスワード))及び第4章「期間の定めのある労働契約」(有期労働契約。第17条~第20条)の規定は、船員法の適用を受ける船員に関して適用されません第21条第1項)。

船員法に同様ないし特別の規定があるためです。 

船員法の適用を受ける船員については、大まかには、労働契約法の就業規則に関する規定や有期労働契約に関する規定は適用されないと押さえておきます。

 

なお、労働契約法は、公務員及び同居の親族のみを使用する場合の労働契約については適用されないこと(第22条)、家事使用人については(労基法と異なり)適用除外とされていないことも確認して下さい(本文は、こちら以下)。 

 

 

 

 

労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を労働者の不利益にも変更することができるが、これも労働条件の不利益変更に該当する以上、就業規則の変更によって労働者に不利益に取り扱う場合は、第10条の就業規則の不利益変更の「合理性」の要件を満たすことが必要である。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

労働条件の不利益な変更に労働者が真に同意している場合は、当該不利益変更も有効であり、就業規則による不利益変更であっても、第10条(労基法のパスワード)の就業規則の不利益変更の「合理性」の要件を満たす必要はありません。 

【山梨県民信用組合事件=最判平成28.2.19】(こちら以下)も、同趣旨を判示しています(【労働一般 平成29年問1B(こちら)】参考)。

 

この点、第8条からは、労働者及び使用者は、合意により労働契約の内容である労働条件を変更することができ、同条は、労働条件を労働者の不利益に変更することを除外していない以上、労働者との合意(労働者の同意)があれば労働者に不利益な労働条件の変更も可能となります。

また、第9条反対解釈しますと、就業規則による労働条件の不利益変更について労働者と合意すれば(労働者の同意があれば)、就業規則による労働条件の不利益変更も可能となります。

このような労働条件の不利益変更の効力は、労働者との合意があることを根拠として認められるものですから、第10条就業規則の不利益変更の「合理性の要件を満たすことは必要ないことになります(即ち、当該不利益変更の合理性に疑問がある場合であっても、労働者の同意がある以上、当該不利益変更が許容されることになります。ただし、後述のように、労働者の同意の任意性は厳密に判断する必要があります)。

 

この点、就業規則による労働条件の不利益変更に労働者が同意した場合(労働者との合意があった場合)であっても、なおも第10条(就業規則の不利益変更)における変更の合理性が必要とならないかについては、従来から争いがありました。

使用者との力関係に格差のある労働者の保護の見地からは、たとえ不利益変更に労働者が同意した場合であっても、第10条を適用して、なおも当該就業規則の変更について合理性を必要とすべきであるという学説も有力です。

 

ただ、上記の通り、第8条が労働条件の不利益変更を除外していないことや同法第9条の反対解釈からは、就業規則による労働条件の不利益変更に労働者が同意すれば、当該不利益変更は許容されるものと解され、従って、当該変更について合理性の吟味は必要ないと考えるのが自然です。

こう解しても、当該同意(合意)は、法令(強行法規)、公序良俗、労働協約、就業規則等に違反するものであってはなりませんし、また、同意(合意)の認定自体を厳格に判断することによって、労働者の保護は図られることになります。

この点、前記最高裁判決も、労働者の同意の有無について、「労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由客観的に存在するか否かという観点」からも判断されるべきと判示しています。 

 

以上、本文は、労基法のこちら以下(労基法のパスワード)です。 

 

 

エ 

 

使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要するとするのが最高裁判所の判例であるが、この判例の趣旨からは、労働基準法上、就業規則の作成義務を負わない常時10人未満の労働者を使用する使用者については、当該使用者が就業規則に準ずる規則を定めずに懲戒処分を行っても、当該懲戒処分が無効となることはない。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

本肢の「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒種別及び事由定めておくことを要する」と判示したのは【フジ興産事件=最判平成15.10.10】です(労基法のこちら)。

しかし、この判決は、就業規則の作成義務を負わない「常時10人未満の労働者を使用する使用者」について、「当該使用者が就業規則に準ずる規則を定めずに懲戒処分を行っても、当該懲戒処分が無効となることはない」と判示しているものではないため、設問のように、「当該懲戒処分が無効となることはない」と断定することはできません。

 

このフジ興産事件判決が「常時10人未満の労働者を使用する使用者」のケースについて、どのように考えているかは明らかではありません。

ただし、「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」趣旨が、使用者による不当・濫用的な懲戒権の行使を抑制する見地から、あらかじめ根拠規定の存在を要求したものとするなら、「常時10人未満の労働者を使用」しているかどうかという労働者数に関わりなく、懲戒権の行使の適法性の要件として事前の根拠規定の存在が必要であると考えることは可能です。

 

なお、常時10人以上の労働者を使用する使用者の場合は、労基法第89条第9号(労基法のパスワード)において、就業規則の相対的必要記載事項として、「制裁の定めをする場合」に、「その種類及び程度に関する事項」を就業規則に記載することが要求されています。

従って、「使用者が労働者を懲戒するには、あらかじめ就業規則において懲戒の種別及び事由を定めておくことを要する」ことの実定法上の根拠としては、この労基法第89条第9号が考えられます。

しかし、前掲の「フジ興産事件判決」では、この労基法第89条第9号には触れずに、先例である【国鉄札幌運転区事件=最判昭54.10.30】を参照するに留めています。この「国鉄札幌運転区事件」判決では、「規則に定めるところに従い制裁として懲戒処分を行うことができる」と判示していました(こちらの下部の紫色の部分)。

この「規則」は、「就業規則」とはなっていないことから、就業規則の作成義務を負わない「常時10人未満の労働者を使用する使用者」が作成する「規則」も含める趣旨である可能性があります。

そうしますと、「フジ興産事件判決」において、労基法第89条第9号に触れずに、「国鉄札幌運転区事件判決」を参照している理由は、「常時10人未満の労働者を使用する使用者」も含めて、懲戒権を行使するためには、あらかじめ就業規則(ないし就業規則に準ぜられる規則)に定めがあることが必要であると考えている可能性もありそうです。

 

なお、「フジ興産事件判決」は、就業規則が拘束力を生ずる要件として、 その内容を、適用を受ける事業場の労働者に周知させる手続が採られていることも要すると判示しており、この点は、【労働一般 平成30年問3エ(こちら)】で出題されています。

 

 

オ 

 

同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約(契約期間の始期の到来前のものを除く。以下本肢において同じ。)の契約期間を通算した期間(「通算契約期間」という。)が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了する日までの間に、当該満了する日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたときは、使用者は当該申込みを承諾したものとみなされ、無期労働契約に転換される。

従って、この場合は、無期労働契約が成立しているため、当該転換後の無期契約労働者を解雇するについては、いわゆる正規雇用労働者と同様の条件で取り扱わなければならない。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

後段の「当該転換後の無期契約労働者を解雇するについては、いわゆる正規雇用労働者と同様の条件で取り扱わなければならない」が誤りです。

正しくは、「当該転換後の無期契約労働者を解雇するについては、いわゆる正規雇用労働者と当然に同様の条件で取り扱わなければならないわけではない」となります。

 

本肢は、いわゆる無期転換ルールについての設問です(第18条。本文は、労基法のこちら以下) 。

無期転換ルールの要件を満たした場合(即ち、①同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の通算契約期間5年(原則)を超えること、及び②当該労働者が、当該使用者に対して、現に締結している有期労働契約の契約期間の満了日までの間に、期間の定めのない労働契約の締結の申込みをしたこと)は、その効果として、使用者当該申込み承諾したものとみなされます

この場合において、当該申込みに係る期間の定めのない労働契約の内容である労働条件は、現に締結している有期労働契約の内容である労働条件(契約期間を除きます。以下同じ)と同一の労働条件(当該労働条件について別段の定めがある部分を除きます)となります(第18条第1項後段)。

つまり、無期転換後の労働契約は、原則として、従前の有期労働契約における契約期間以外の労働条件を承継します。

そして、無期転換ルールの適用によって無期労働契約が成立したことになるとはいっても、当該転換後の無期契約労働者を解雇する際に解雇権濫用法理(第16条)の適用が問題となる場合において、いわゆる正規雇用労働者と同様の条件で取り扱わなければならないという必然性があるわけではありません(上記の通り、契約期間以外の労働条件は従前のものを承継するのであり、従前の労働者の地位に近い面もあります)。

解雇権濫用法理の適用については、本来通り、個別の事情を考慮して解雇の正当性を検討することになります(その際に、無期転換ルールが適用されたという事情は考慮されることになりますが、当然に正規雇用労働者と同様に取り扱うべきとまではなりません)。

 

この点で、通達(【平成24年8月10日基発0810第2号】)は、次のように通知しています(太字部分が、本問の関連個所です)。

 

「有期労働契約の更新時に、所定労働日や始業終業時刻等の労働条件の定期的変更が行われていた場合に、無期労働契約への転換後も従前と同様に定期的にこれらの労働条件の変更を行うことができる旨の別段の定めをすることは差し支えないと解されること。

また、無期労働契約に転換した後における解雇については、個々の事情により判断されるものであるが、一般的には、勤務地や職務が限定されている等労働条件や雇用管理がいわゆる正社員と大きく異なるような労働者については、こうした限定等の事情がない、いわゆる正社員と当然には同列に扱われることにならないと解されること。」

 

 

以上、問1の解説でした。

 

 

【労契法 問2】の解答(設問はこちら

 

A=④不合理と認められるものであってはならない

B=⑧期間の定めの有無に関連して生じたもの

C=⑫私法上の効力を有するもの 

D=⑮労働条件と同一のもの

E=⑳その他の事情

 

(解説)

 

本問は、第20条とこれに関する2つの最高裁判例についての出題です。

これらは、今回の労働一般の本試験において、何らかの形で出題されることは確実といえます。ここでは、条文と判決を組み合わせて選択式としました。

仮に労働一般の選択式からデーター関係が出題されないとした場合の出題候補の最右翼です。

 

まず、空欄を埋めて(その他加工を加えた上で)設問を再掲します。太字や色の付いた部分に注意です。

 

 

労働契約法第20条は、有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更範囲その他の事情を考慮して、 A:不合理と認められるものであってはならない 旨を定めている。

 

この第20条の「期間の定めがあることにより」について、「ハマキョウレックス事件(最判平成30.6.1)」判決は、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が B:期間の定めの有無に関連して生じたもの であることをいうものと判示した。

 

また、同判決では、同条の効力について、次のように判示した。

「同条の規定は C:私法上の効力を有するもの  と解するのが相当であり、有期労働契約のうち同条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となるものと解される。もっとも、同条は、有期契約労働者について無期契約労働者との職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であり、文言上も、両者の労働条件の相違が同条に違反する場合に、当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の D:労働条件と同一のもの となる旨を定めていない。そうすると、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が同条に違反する場合であっても、同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の D:労働条件と同一のもの となるものではないと解するのが相当である。」

 

なお、定年退職後に有期労働契約により再雇用された者が、無期契約労働者と職務内容(トラックによるセメントの運搬等)等が同一であるにもかかわらず賃金等に格差があったことが労働契約法第20条に違反するして差額の支払や損害賠償等を請求した事案である「長澤運輸事件(最判平成30.6.1)」判決においては、次のように判示されている。

 

「使用者が定年退職者有期労働契約により再雇用する場合、当該者を長期間雇用することは通常予定されていない。また、定年退職後に再雇用される有期契約労働者は、定年退職するまでの間、無期契約労働者として賃金の支給を受けてきた者であり、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されている。そして、このような事情は、定年退職後に再雇用される有期契約労働者の賃金体系の在り方を検討するに当たって、その基礎になるものであるということができる。

そうすると、有期契約労働者定年退職後に再雇用された者であることは、当該有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かの判断において、労働契約法20条にいう『 E:その他の事情 』として考慮されることとなる事情に当たると解するのが相当である。」 

 

 

一 空欄のAについて

 

空欄のA(こちら)は、第20条の「期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止」における不合理性に関する問題です。

 

同条は、同一の使用者に係る有期契約労働者と無期契約労働者との間に労働契約の内容である労働条件が相違する場合において、当該相違は諸事情を考慮して「不合理と認められるものであってはならない」旨を定めています。

従って、文言上、「不合理と認められるものであってはならない」で足りるのであり、「合理的と認められるものでなければならない」ではありません。

そこで、例えば、当該労働条件の相違が不合理かどうか判断できないときは、同条違反には該当しないことになります(本文は、労基法のこちら以下)。  

 

【ハマキョウレックス事件=最判平成30.6.1】判決も、同様の立場から、次のように判示しました。

 

「イ 次に、労働契約法20条は、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が、職務の内容等を考慮して不合理と認められるものであってはならないとしているところ、所論は、同条にいう『不合理と認められるもの』とは合理的でないものと同義であると解すべき旨をいう。

しかしながら、同条が『不合理と認められるものであってはならない』と規定していることに照らせば、同条は飽くまでも労働条件の相違が不合理と評価されるか否かを問題とするものと解することが文理に沿うものといえる。また、同条は、職務の内容等が異なる場合であっても、その違いを考慮して両者の労働条件が均衡のとれたものであることを求める規定であるところ、両者の労働条件が均衡のとれたものであるか否かの判断に当たっては、労使間の交渉使用者の経営判断尊重すべき面があることも否定し難い

したがって、同条にいう『不合理と認められるもの』とは、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理であると評価することができるものであることをいうと解するのが相当である。

そして、両者の労働条件の相違が不合理であるか否かの判断は規範的評価を伴うものであるから、当該相違が不合理であるとの評価を基礎付ける事実については当該相違が同条に違反することを主張する者が、当該相違が不合理であるとの評価を妨げる事実については当該相違が同条に違反することを争う者が、それぞれ主張立証責任を負うものと解される。」

 

以上の判旨については、紫色のキーワードは記憶しておいて下さい。

なお、判示の最後の部分の証明責任(主張立証責任)の部分については、 「規範的評価」、「主張立証責任」というキーワードは記憶して頂き、あとは、例えば、「不合理性の主張立証責任は、労働者(ないし使用者)が負う」といった内容が間違いであることを押さえておけば足りるでしょう。

 

そのほか、第20条については、こちらの冒頭の条文の太字部分のキーワードが空欄にされても解答できるかをチェックして下さい。

 

 

二 空欄のBについて

 

空欄のB(こちら)については、単純に記憶しておけば足りるでしょう。

即ち、ハマキョウレックス事件判決では、第20条の「期間の定めがあることにより」の意味について、「有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が期間の定めの有無に関連して生じたものであること」をいうものとしました(本文は、労基法のこちら以下)。

 

つまり、判例は、第20条の ①「期間の定めがあること」により ➡ ②「労働条件と相違する場合」という①と②の因果関係について「関連性」で足りるとするものであり、因果関係を緩やかに捉える立場といえます。

例えば、①「期間の定めがあること」が「決定的な条件・要因」となって、有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の②「労働条件と相違する場合」であることは必要でないものと解されます。

また、例えば、有期契約労働者に対する「差別的な意図」から、有期契約労働者の労働条件が無期契約労働者の②「労働条件と相違する場合」であることも必要ありません。

 

このように、判例が「期間の定めの有無に関連して生じたもの」で足りるとしている点は、記憶に留めておきます。

 

 

三 空欄のC及びDについて

 

空欄のC及びD(こちら以下)は、第20条に違反して不合理と認められた場合の効果に関する問題です。

この点について、設問の「ハマキョウレックス事件」判決によって、次の2点が明らかになりました(本文は、労基法のこちら以下)。

 

 

1 私法上の効力

 

◆まず、第20条は、私法上の効力有するとされました(民事上の効力を有する、といっても同義です)。

従って、有期労働契約のうち第20条に違反する労働条件の相違を設ける部分は無効となります。

 

この第20条が私法上の効力を有するという点については、同条の立法趣旨(立法過程)より、従来から争いがありませんでした。しかし、次の2については、争いがありました。

 

 

2 直律的効力

 

◆ただし、有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が第20条に違反する場合であっても、同条の効力により当該有期契約労働者の労働条件が比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなるものではないとされました。

 

つまり、不合理な相違として当該有期契約労働者の労働条件を定める労働契約等が私法上無効とされた場合に、さらに、その無効となった労働条件が、比較対象とされた無期契約労働者の労働条件に当然に代替適用されてしまうのか(第20条が直律的効力(補充的効力)まで有するのか)について、本判決は、そのような効力を否定したものです。

第20条の文言(比較の対象である無期契約労働者の労働条件と同一のものとなる旨を定めていないこと)や同条の趣旨(同条は、有期契約労働者について無期契約労働者との職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求める規定であること)から、同条が有期契約労働者の労働条件を直接規律する効力(直律的効力)までは認められないとしたものです。

 

 

四 空欄のEについて

 

空欄のE(こちら以下)は、定年後退職に有期労働契約で継続雇用(再雇用)された労働者について第20条違反が問題となった【長澤運輸事件=平成30.6.1】判決からの出題です。

同判決では、設問の通り、有期契約労働者定年退職後に再雇用された者であることは、当該有期契約労働者と無期契約労働者との労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かの判断において、第20条にいう その他の事情 として考慮されることとなる事情に当たる旨を判示しました。

つまり、定年退職後に有期契約労働者として再雇用されたという事情も考慮して、第20条の不合理性を判断できるということです。

 

ただし、有期契約労働者が定年に達した後に再雇用された者であることのみをもって、直ちに通常の労働者と当該有期契約労働者との間の待遇の相違が不合理ではないとまで認められるものではありません。

長澤運輸事判決も、そこまでは判示していず、上記の通り、定年退職後の再雇用という事情は、一つの事情(その他の事情)として考慮されるということです(ただし、同判決の結論からは、重要な事情として考慮されているとはいえます)。

 

この点は、長澤運輸事件の判決後に告示されました次の「同一労働同一賃金指針」において言及されています。

 

なお、従来は、「同一労働同一賃金ガイドライン案」(平成28年12月20日策定。以下、「ガイドライン案」といいます)が告示されていましたが、同ガイドライン案は、平成30年6月1日の同日判決である「ハマキョウレックス事件判決」及び「長澤運輸事件判決」の後に、「短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針」(【平成30.12.28厚生労働省告示第430号】。いわゆる「同一労働同一賃金指針」)に改訂(格上げ)されました(長澤運輸事件判決の判示内容を待って改訂したものです)。

 

この「同一労働同一賃金指針」は、来年4月1日施行の「短時間・有期雇用労働者法」を対象としているため、今回の本試験対策としては、基本的には、マークする必要はありません(「ガイドライン案」は、一応、出題対象とはなります)。

従って、次の「同一労働同一賃金指針」からの引用個所は押さえる必要はありませんが、参考になりますので、一応、引用しておきます。イメージだけ持っておかれると役に立つかもしれません(ちなみに、労働一般のこちら以下で詳しく触れていますが、読まなくても結構です)。

 

 

「2 定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者の取扱い

 

定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者についても、短時間・有期雇用労働法の適用を受けるものである。このため、通常の労働者と定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者との間の賃金の相違については、実際に両者の間に職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情の相違がある場合は、その相違に応じた賃金の相違許容される

 

さらに、有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることは、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かを判断するに当たり、短時間・有期雇用労働法第8条その他の事情として考慮される事情に当たりうる。定年に達した後に有期雇用労働者として継続雇用する場合の待遇について、様々な事情が総合的に考慮されて、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かが判断されるものと考えられる。したがって、当該有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることのみをもって、直ちに通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと認められるものではない。」 

 

上記の「さらに」以下の個所は、「ガイドライン案」では記載がなく、「定年退職後に有期労働契約により再雇用された者」に関する取扱いの詳細については、改めて検討を行うものとして保留されていたものです(長澤運輸事件判決を待って検討する趣旨でした)。

  

以上で、【問2】の解説を終わります。

 

 

【労契法 問3】の解答(設問はこちら

 

正解(正しい肢)は、Eです。

以下、各肢ごとに見ます。冒頭で肢を再掲します。

 

 

A 

 

労働者の賃金が複数の賃金項目から構成されている場合において、有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が第20条に違反しないかを判断する際は、ある賃金項目の有無及び内容は、通常は、他の賃金項目の有無及び内容を踏まえて決定されるものだから、基本的には、両者の賃金の総額の相違を重視して不合理性を検討する必要があるとするのが最高裁判所の判例の趣旨である。 

 

(解説)

 

本肢は、誤りです。

【長澤運輸事件 = 最判平成30.6.1】判決(以下、「長澤運輸事件判決」といいます)によれば、労働者の賃金が複数の賃金項目から構成されている場合の賃金に関する相違の不合理性の判断方法について、基本的に、「両者の賃金の総額を比較することのみによるのではなく、当該賃金項目の趣旨を個別に考慮すべき」とされます。

次の通りです(本文は、労働一般のこちらです)。太字部分をチェックして下さい。

 

〔引用開始。〕

 

本件においては、被上告人〔=会社〕における嘱託乗務員と正社員との本件各賃金項目に係る労働条件の相違が問題となるところ、労働者の賃金が複数の賃金項目から構成されている場合、個々の賃金項目に係る賃金は、通常、賃金項目ごとに、その趣旨を異にするものであるということができる。そして、有期契約労働者と無期契約労働者との賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては、当該賃金項目の趣旨により、その考慮すべき事情や考慮の仕方も異なり得るというべきである。

そうすると、有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たっては、両者の賃金の総額を比較することのみによるのではなく、当該賃金項目の趣旨を個別に考慮すべきものと解するのが相当である。

なお、ある賃金項目の有無及び内容が、他の賃金項目の有無及び内容を踏まえて決定される場合もあり得るところ、そのような事情も、有期契約労働者と無期契約労働者との個々の賃金項目に係る労働条件の相違が不合理と認められるものであるか否かを判断するに当たり考慮されることになるものと解される。

 

〔引用終了。〕 

 

 

 

 

最高裁判所の判例によると、労働契約法第20条は、有期契約労働者については、無期契約労働者と比較して合理的な労働条件の決定が行われにくく、両者の労働条件の格差が問題となっていたこと等を踏まえ、有期契約労働者の公正な処遇を図るため、その労働条件につき、期間の定めがあることにより不合理なものとすることを禁止したものとされる。

そして、同条は、有期契約労働者と無期契約労働者との間で労働条件に相違があり得ることを前提に、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情(以下「職務の内容等」という。)を考慮して、その相違が不合理と認められるものであってはならないとするものであり、職務の内容等の違いに応じた均等処遇を求める規定であるとされる。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

最後の「均処遇」を「均のとれた処遇」に置き換えれば、正しい内容になります。

 

設問は、【ハマキョウレックス事件 = 最判平成30.6.1】(以下、「ハマキョウレックス事件判決」といいます)からです。

同判決では、第20条の趣旨は、有期契約労働者の公正な処遇を図るため、職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた処遇を求めるものである旨が述べられています(本文は、労働一般のこちらです)。

 

一般に、「均待遇」は、前提条件が同一の場合は同一に取り扱うというルールであり、「均待遇」は、前提条件が異なる場合は、その違いに応じたバランスの取れた取扱いを行うというルールであるといえます。

第20条は、例えば、パートタイム労働法第9条こちら以下)のように、「待遇について、差別的取扱いをしてはならない」旨を規定しているのではなく、待遇(労働条件)の相違が「不合理と認められるものであってはならない」としているものです。

従って、第20条は、有期契約労働者を無期契約労働者と同一に取り扱うという「均等待遇」を定めた趣旨と解するより、違いに応じてバランスよく取り扱うという「均衡待遇」を定めた趣旨と解するのが自然でしょう。

もっとも、「均衡待遇」の中に「均等待遇」が含まれることはあります(労働一般のこちらを参考程度)。 

 

 

 

 

最高裁判所の判例によると、当該事案における無事故手当は、優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得を目的として支給されるものであると解されるところ、当該事案の乗務員については、契約社員(有期契約労働者)と正社員(無期契約労働者)の職務の内容は異ならないから、安全運転及び事故防止の必要性については、職務の内容によって両者の間に差異が生ずるものではないとされる。

ただし、将来、企業の中核を担う人材として登用される可能性がある者については、顧客の信頼の獲得のために、無事故等の経歴の重要性も無視できないことから、有期契約労働者と無期契約労働者との間で無事故手当の額に一定の相違を設けることも必ずしも不合理ではないとされる。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

「ハマキョウレックス事件判決」では、本肢の「ただし書」と異なる判示をしています。

即ち、無事故手当の必要性(優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得)は、企業の中核を担う人材として登用される可能性の有無といった事情により異なるものではないとして、乗務員のうち正社員に対して無事故手当を支給する一方で、契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は不合理であると評価しました。

次の太字部分の通りです(労働一般のこちらを参考程度)。 

 

〔引用開始。〕

 

無事故手当は、優良ドライバーの育成や安全な輸送による顧客の信頼の獲得を目的として支給されるものであると解されるところ、上告人の乗務員については、契約社員と正社員の職務の内容は異ならないから、安全運転及び事故防止の必要性については、職務の内容によって両者の間に差異が生ずるものではない。また、上記の必要性は、当該労働者が将来転勤や出向をする可能性や、上告人の中核を担う人材として登用される可能性有無といった事情により異なるものではない。加えて、無事故手当に相違を設けることが不合理であるとの評価を妨げるその他の事情うかがわれない

したがって、上告人の乗務員のうち正社員に対して上記の無事故手当を支給する一方で、契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であると評価することができるものであるから、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。

 

〔引用終了。〕 

 

 

D 

 

最高裁判所の判例によると、当該事案における精勤手当は、その支給要件及び内容に照らせば、従業員に対して休日以外は1日も欠かさずに出勤することを奨励する趣旨で支給されるものであるということができるとされる。そして、当該有期契約労働者と正社員である無期契約労働者との職務の内容が同一である以上、両者の間で、その皆勤を奨励する必要性に相違はないとされる。

ただし、当該事案では、有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であり、当該者を長期間雇用することは通常予定されていないこと、定年退職後に再雇用される有期契約労働者は、定年退職するまでの間、無期契約労働者として賃金の支給を受けてきた者であり、一定の要件を満たせば老齢厚生年金の支給を受けることも予定されていることといった事情を基礎として賃金体系の在り方が検討されることに鑑みれば、正社員に対して精勤手当を支給する一方で、嘱託乗務員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であるとまでは評価できないとされる。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。本肢は、「長澤運輸事件判決」がベースになっていますが、そこでは、本肢の「ただし書」とは異なり、精勤手当の支給に関する相違は不合理であると評価されています。

以下の通りです(労働一般のこちら) 。

 

〔引用開始。〕

 

精勤手当は、その支給要件及び内容に照らせば、従業員に対して休日以外は1日も欠かさずに出勤することを奨励する趣旨で支給されるものであるということができる。そして、被上告人〔=会社〕の嘱託乗務員と正社員との職務の内容が同一である以上、両者の間で、その皆勤を奨励する必要性に相違はないというべきである。なお、嘱託乗務員の歩合給に係る係数が正社員の能率給に係る係数よりも有利に設定されていることには、被上告人が嘱託乗務員に対して労務の成果である稼働額を増やすことを奨励する趣旨が含まれているとみることもできるが、精勤手当は、従業員の皆勤という事実に基づいて支給されるものであるから、歩合給及び能率給に係る係数が異なることをもって、嘱託乗務員に精勤手当を支給しないことが不合理でないということはできない。

したがって、正社員に対して精勤手当を支給する一方で、嘱託乗務員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であると評価することができるものであるから、労働契約法20条にいう不合理と認められるものに当たると解するのが相当である。

 

〔引用終了。〕

 

このように、精勤手当の支給の有無の不合理性の判断においては、「有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者である」という事情は考慮されていません。

精勤手当の趣旨(出勤の奨励)から、「有期契約労働者が定年退職後に再雇用された者である」という事情を重視して精勤手当の支給の有無の不合理性を判断することは妥当でないということなのでしょう。 

 

 

E 

 

◆最高裁判所の判例によると、当該事案では、住宅手当は、従業員の住宅に要する費用を補助する趣旨で支給されるものと解されるところ、契約社員(有期契約労働者)については就業場所の変更が予定されていないのに対し、正社員(無期契約労働者)については、転居を伴う配転が予定されているため、契約社員と比較して住宅に要する費用が多額となり得る。

したがって、正社員に対して住宅手当を支給する一方で、契約社員に対してこれを支給しないという労働条件の相違は、不合理であると評価することができないとされる。

 

(解説)

 

本肢が、正しい内容です。「ハマキョウレックス事件判決」からです(労働一般のこちら)。

なお、「長澤運輸事件判決」においても、住宅手当及び家族手当について、同じ結論です(労働一般のこちら)。

 

 

労働契約法は、以上です。なお、こちらの各設問も参考です。

 

 

 

解答(労働時間等設定改善法)

 

【時間設定法 問1】の解答(設問はこちら

 

正解(正しい肢)は、Eです。

以下、各肢ごとに見ます。冒頭で、肢を再掲します。

 

 

A 

 

労働時間等設定改善法は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた措置を義務づけることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。  

 

(解説)

 

本肢は、誤りです。

太字部分の「措置を義務づける」を「自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずる」に置き換えれば正しい内容となります。

本肢は、第1条に関する出題であり、同条は次の通りです(本文は、労働一般のこちら以下)。

 

【条文】

第1条(目的)

この法律は、我が国における労働時間等の現状及び動向にかんがみ、労働時間等設定改善指針を策定するとともに、事業主等による労働時間等の設定の改善に向けた自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずることにより、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにし、もって労働者の健康で充実した生活の実現と国民経済の健全な発展に資することを目的とする。


 

労働時間等設定改善法は、労働時間等の設定の改善に向けて関係者の自主的な努力・取組みを促進するという法律であり、例えば、事業主に一定の措置を義務付けるような規定存在しません。【過去問 平成21年問1E(こちら)】 

 

 

B  

 

事業主は、その雇用する労働者の労働時間等の設定の改善を図るため、業務の繁閑に応じた労働者の始業及び終業の時刻の設定、健康及び福祉を確保するために必要終業から始業までの時間の設定、年次有給休暇を取得しやすい環境の整備その他の必要な措置を講ずることが義務づけられている。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

肢の文末の「講ずることが義務づけられている」を「講ずるように努めなければならない」に置き換えれば、正しい内容になります(第2条第1項)。

前問の解説のように、労働時間等設定改善法においては、事業主に一定の措置を義務付ける規定はありません。

 

第2条第1項は、平成31年4月1日施行の改正(今回からの出題対象です)により、上記の下線部分が追加されました。

即ち、事業主の努力義務の措置の一つとして、「健康及び福祉を確保するために必要な終業から始業までの時間の設定」(勤務間インターバル制度)が定められたものです。(本文は、こちら

 

 

 

事業主は、他の事業主との取引を行う場合において、著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと、当該他の事業主の講ずる労働時間等の設定の改善に関する措置の円滑な実施を阻害することとなる取引条件を付けないこと等取引上必要な配慮をしなければならない。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

「取引上必要な配慮をしなければならない」ではなく、「取引上必要な配慮をするように努めなければならない」が正しいです(第2条第4項)。

「配慮義務」と「配慮の努力義務」は異なり、前者の方が強い義務です。

 

本規定は、取引先からの圧力や同業者との競争などが労働時間等の設定の改善を阻害する場合があることから、事業主に取引上の必要な配慮の努力義務を課したものです。

上記の下線部分は、平成31年4月1日施行の改正により追加されたものです。

 

 

 

 

事業主は、事業場ごとに、当該事業場における労働時間等の設定の改善に関する事項について、いわゆる労使協定により、労働時間等設定改善企業委員会に調査審議させ、事業主に対して意見を述べさせることを定めた場合であって、労働時間等設定改善企業委員会でその委員の5分の4以上の多数による議決により労働基準法第34条第2項ただし書休憩の一斉付与の原則の例外)、第37条第3項(割増賃金の代替休暇)及び第39条第4項(時間単位年休)に規定する事項について決議が行われたときは、当該決議はこれらの労使協定に代替することができる。

 

(解説)

 

本肢も、誤りです。

労働基準法第34条第2項ただし書休憩の一斉付与の原則の例外)」ではなく、「労働基準法第39条第6項(年次有給休暇の計画的付与)」が正しいです(第7条の2柱書)。

 

本肢の「労働時間等設定改善企業委員会」は、平成31年4月1日施行の改正により新設されたものです(今回からの出題対象)。

企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組みを促進するため、企業全体を通じて一の労働時間等設定改善企業委員会の決議をもって、年次有給休暇の計画的付与等に係る労使協定に代えることができることとするものです。

 

この労働時間等設定改善企業委員会の決議により、代替可能な労使協定は、次の3つです(第7条の2柱書)。

 

①年休の計画的付与労基法第39条第6項

 

時間単位年休労基法第39条第4項

 

③1箇月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の代替休暇労基法第37条第3項

 

※ 要するに、休暇の制度のうち、普及が進んでいないものについて、企業全体で普及の取組みを促進させるという趣旨となります。

なお、①の年休の計画的付与については、使用者の時季指定義務の制度が新設されたため(計画的付与等により年休を取得した分については、時季指定義務がなくなります)、企業にとって、計画的付与により効率的に年休を取得させる必要もあります。

 

本文は、こちら以下です。

 

 

E 

 

一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、一般労働者の年間総実労働時間は平成21年を除き、2,000時間を超えているが、パートタイム労働者の年間総実労働時間は横ばいから微減で推移している。一方、パートタイム労働者の割合は、近年、増加傾向にあることから、近年の労働者1人当たりの年間総実労働時間の減少は、パートタイム労働者の割合の増加によるものと考えられる。

 

(解説)

 

本肢が、正しい内容です。

「平成30年版 過労死等防止対策白書」(こちら)の2頁が出典です(労働一般のこちら)。

 

なぜパートタイム労働者の総実労働時間が減少しているのかについては、こちらをご参照下さい。

 

以上、労働時間等設定改善法でした。次のページでは、労働施策総合推進法等について見ます。 

 

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