令和7年度 労働保険徴収法

令和6年度(2024年度)の労働保険徴収法の本試験問題のインデックスを掲載します。 

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。

 

 

 

択一式

※ 徴収法の択一式は、労災保険法の問8から問10、雇用保険法の問8から問10の合計6問出題されます。 

 

まず、労災保険法における出題からです。

 

 

○【労災問8】= 有期事業の一括に関する問題 

 

▶労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年労災問8A】

 2以上の有期事業が一括されて1の事業として労働保険徴収法が適用される場合であって、労働保険徴収法施行規則第17条第3項で定める規模の事業のとき、同法第20条に規定するいわゆる有期事業のメリット制の適用対象とされる。

 

 

 ・【令和7年労災問8B】

 労働保険徴収法第7条の適用により一括有期事業とみなされた場合、概算保険料申告書、確定保険料申告書は当該一括有期事業に係る労働保険料の納付事務を取り扱う1の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならないが、一括有期事業報告書は一括された事業ごとに作成し、各事業の所在地を管轄する都道府県労働局歳入徴収官にそれぞれ提出しなければならない。

 

 

【令和7年労災問8C】

 労働保険徴収法第7条の適用による一括有期事業を開始したときには、初めに保険関係成立届を提出することとなるが、この届を一度提出しておけば、以後何年でもこの一括有期事業が継続している限り、当該―括有期事業に含まれる個々の事業については、その都度保険関係成立届を提出する必要はない。

 

 

【令和7年労災問8D】

 労働保険徴収法第7条の適用により一括された個々の有期事業について、その後、事業の規模の変更等があった場合には、当初の一括の扱いとされず、新たに独立の有期事業として取り扱われる。

 

 

【令和7年労災問8E】

 労働保険徴収法第7条の適用により一括有期事業とみなされるための要件として、立木の伐採の事業以外の事業にあっては請負金額の上限が定められているが、当該請負金額を計算するに当たって、事業主が注文者からその事業に使用する機械器具等の貸与を受けた場合には、厚生労働大臣が定める事業の種類に該当する事業を除き、当該機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く。)を請負代金の額(消費税等相当額を除く。)から控除することとされている。

 

 

 

○【労災問9】= 労働保険料に関する事例問題 

 

【令和7年労災問9】

 

▶ 次に示す業態をとる事業についての労働保険料に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

 

保険関係成立年月日:令和3年8月5日

 

事業の種類:小売業

 

労働保険関係の概要:

 

・保険料の滞納はない。

・一般保険料以外の対象となる者はいない。

・社会保険適用事業所である.

・令和7年度の概算保険料の額は875,000円である。

 

令和6年度及び7年度の労災保険率:1000分の3

 

令和6年度の雇用保険率:1000分の15.5

 

令和7年度の雇用保険率:1000分の14.5

 

令和7年度の雇用保険二事業の保険率:1000分の3.5

 

令和6年度の確定賃金総額:5,000万円

 

令和7年度に支払いが見込まれる賃金総額:6,000万円

 

 

A 令和6年度中に請負契約を締結し、使用従属関係が認められない労務提供を行った請負人に対して支払った報酬額は、今和6年度の確定賃金総額に含まれていない。 

 

B 令和7年度の概算保険料のうち、労災保険の保険料の額は150,000円であり、当該事業主がすべて負担しなければならない。

 

C 当該事業主は令和7年度の概算保険料の納付に当たって、口座振替による場合を除き、概算保険料を概算保険料申告書に添えて令和7年7月10日までに納付しなければならない。

 

D 当該事業主が令和7年度の概算保険料の延納を申請して認められた場合、第2期分として納付する概算保険料の額は291,667円となる。

 

E 令和7年度の確定賃金総額が6,000万円となった場合の確定保険料のうち、当該事業主が負担することとなる一般保険料の額は総額720,000円となる。

 

 

 

○【労災問10】= 労働保険事務組合に関する問題 

 

▶労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年労災問10A】

 事業主は、労災保険の特別加入の申請、変更届、脱退申請等に関する手続について、労働保険事務組合に処理を委託することができない。

 

 

【令和7年労災問10B】

 事業主が処理すべき労働保険事務を代理して処理できる労働保険事務組合とは、労働保険徴収法第33条に規定する団体等であって法人でなければならない。

 

 

【令和7年労災問10C】

 政府が労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に対してすべき労働保険料等についての督促状による督促を、直接当該事業主に対してすることなく当該労働保険事務組合に対して行った場合、その効果は当該事業主に対して及ばない。

 

 

【令和7年労災問10D】

 督促状による督促があった旨の通知を労働保険事務組合から受けた滞納事業主が、労働保険事務処理規約等に規定する期限までに労働保険料の納付のための金銭を当該労働保険事務組合に交付しなかったために延滞金を徴収される場合、当該労働保険事務組合は延滞金の納付責任を負う。

 

 

【令和7年労災問10E】

 労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託した事業主に使用されていた者が、前年に当該労働保険事務組合の虚偽の届出により労災保険の保険給付を不正に受給していた場合、政府は当該労働保険事務組合に対して、当該不正受給者と連帯し、受給金額の全部又は一部を返還すべきことを命ずることができる。 

 

 

 

 

次に、雇用保険法における出題です。

 

 

○【雇用問8】=労働保険の保険料の徴収等に関する問題

 

▶労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年雇用問8A】

 継続事業を営む事業主が、当該事業に係る労働保険事務の処理を労働保険事務組合に委託している場合、令和6年11月1日に保険関係が成立した事業について当該保険年度の概算保険料を延納することができる。

 

 

【令和7年雇用問8B】

 令和7年8月1日に保険関係が成立した一括有期事業について、納付すべき当該保険年度の概算保険料の額が50万円のとき、事業主は当該概算保険料を延納することができない。

 

 

【令和7年雇用問8C】

 一般保険料の算定基礎となる賃金総額の見込額を500万円として算定し納期限までに概算保険料を納付した後、賃金総額の見込額が1,200万円に増加し、増加後の賃金総額の見込額に基づき算定した概算保険料の額と既に納付した概算保険料との差額が122,500円であるとき、事業主はその差額を所定の期限までに納付書を添えて納付しなければならない。

 

 

【令和7年雇用問8D】

 事業主が所定の納期限までに概算保険料申告書を提出しなかったため、政府が納付すべき概算保険料の額を決定し、これを当該事業主に対して令和7年8月20日に通知を発した場合、当該事業主の未納額の納期限は同年9月19日となる。

 

 

【令和7年雇用問8E】

 政府が保険年度の中途で保険料率の改定を行い、雇用保険率が引き上げられた場合、事業主が既に概算保険料の延納を認められているとき、当該事業上は所轄都道府県労働局歳入徴収官が発する追加徴収の通知により指定された納期限までに延納の申請をすることで追加徴収される概算保険料についても延納することができ、その最初の期分の追加徴収される概算保険料の納期限は、当該通知を発した日が令和7年10月20日であった場合、同年11月19日となる。

 

 

 

○【雇用問9】=特例納付保険料に関する問題

 

▶労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、本間において「特例対象者」とは、雇用保険法第22条第5項に規定する者をいう。

 

【令和7年雇用問9A】

 特例納付保険料を納付することができる事業主は、2年以内の算定基礎期間を遡及して計算することが可能な特例対象者を雇用していた事業主である。

 

 

 ・【令和7年雇用問9B】

 特例納付保険料の納付手続については、労働保険徴収法第15条及び同法第19条に定める概算・確定保険料の納付手続に係る規定は適用されない。

 

 

【令和7年雇用問9C】

 特例納付保険料の納付の申出は、事業主の氏名又は名称及び住所又は所在地、労働保険番号並びに特例納付保険料の額を記載した書面を都道府県労働局長に提出することによって行わなければならない。

 

 

【令和7年雇用問9D】

 特例納付保険料の対象事業主が労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している場合、当該労働保険事務組合は特例納付保険料の納付等に係る事務を処理することができる。

 

 

【令和7年雇用問9E】

 特例納付保険料の納付の申出を行った対象事業主が、特例納付保険料を納付する場合の納付先は、日本銀行又は都道府県労働局収入官吏とされている。

 

 

 

○【雇用問10】=労働保険の保険料の徴収等に関する問題

 

▶労働保険の保険料の徴収等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年雇用問10A】

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分について不服がある者は、所轄都道府県労働局の労働保険審査官に対して審査請求をすることができる。

 

 

 ・【令和7年雇用問10B】

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分に不服がある場合、当該処分があったことを知った日から3か月以内かつ処分の日から1年以内でなければ、取消訴訟を提起することができない。

 

 

【令和7年雇用問10C】

 概算保険料額の認定決定の処分がなされ、当該処分に不服がある場合、審査請求の裁決を経た後でなければ、当該処分の取消しの訴えを提起することができない。

 

 

【令和7年雇用問10D】

 当該保険年度の概算保険料を期限内に申告納付したが、誤って当該概算保険料を同一期限内に再度納付したため誤納金が生じた場合、再度納付した日の翌日から起算して2年を経過したとき、当該誤納金の還付を受ける権利は時効によって消滅する。

 

 

【令和7年雇用問10E】

 概算保険料の確定精算に基づき納付すべき不足額が時効で消滅している場合、納付義務者がその時効による利益を放棄して納付する意思を示したときは、政府はその徴収権を行使できる。

 

 

 

 

総評

労災保険法で出題された分については、 【労災問10】(こちら)の事務組合に関する問題は比較的平易であるため正解したいです。その他の2問は、微妙であり、労災保険法の択一式が難しいことを考えますと、徴収法で2点確保できれば楽になります。

他方、雇用保険法で出題された分については、3問とも微妙であり、雇用保険法の択一式が難しかったことを考えますと、厳しい限りです。

以下、個別にざっと見てみます。

 

【労災問8】(こちら)は、有期事業の一括に関する問題です。

そう簡単なわけでもないのですが、肢のAからDは基本的な知識ではあり、これらが正答できるかどうかが合否の分かれ目となるといえそうです。

肢のE(こちら)は、ー括有期事業における請負金額の計算方法に関する出題です。

 

【労災問9】(こちら)は、一般保険料に関する事例問題です。

試験会場では、事例問題は飛ばして後回しにしたほうが良いです。

ただし、本問は、肢のA~Dは比較的わかりやすく、かつ、この中で正解肢が判明します。

肢のEは、時間がかかるのですが、試験会場では、すでに正解肢が判明しているため、このEは解かずに先に進めることとなります。

ここでは、Eの内容をじっくり分析して下さい。

 

【労災問10】(こちら)は、労働保険事務組合に関する出題ですが、 比較的平易な問題であり、正解したいです。

 肢のA(こちら)は、基本的知識であり、平成23年に出題もされています。

B(こちら)も、基本的知識であり、過去問も多いです。

C~Eは、事務組合の責任等に関する出題であり、これも基本的知識であり、過去問があります。

 

 

【雇用問8】(こちら)は、A~Cは比較的平易なのですが、Dがややひねっており、Eは慣れないと難しく、正解することは結構厳しいです。 

 肢のA(こちら)は、中途成立の継続事業に係る延納の要件の基本的知識であり、平易です。

B(こちら)は、中途成立の一括有期事業に係る延納の要件の問題です。

一括有期事業の延納の場合は、継続事業の延納と同様の処理になります。

本肢では、成立時期(中途成立)及び一括有期事業に係る概算保険料の額が問題となりますが、一括有期事業に係る概算保険料の額については、直接の論点とはなっていません。

C(こちら)は、増加概算保険料の要件に関する出題です。事例風味ですが、要件をきちんと記憶しているかが問われており、複雑な内容ではありません。

D(こちら)は、概算保険料の認定決定に係る納付日に関する出題ですが、ややひねっています。

E(こちら)は、追加徴収に係る概算保険料の延納における最初の期の納期限に関する出題ですが、慣れないと難しいです。

 

 

【雇用問9】(こちら)は、特例納付保険料に関する問題です。

 特例納付保険料は、平成27年度(【平成27年雇用問10(こちら)】)、令和3年度(【令和3年雇用問8(こちら)】)そして、今回と、いずれも1問(5肢)出題されています。

周期的に大量の出題があるという傾向です。

今回は、正解肢以外は結構難しいため、正解肢を押さえることができないと厳しいこととなります。

 

【雇用問10】(こちら)は、 肢のAからCは、不服申立てに関する出題です。Bは、難しいです。全体的にも、易しいわけではありません。

肢のA(こちら)は、徴収法上の不服申立ての構造(特に不服申立ての相手方)が論点となっています。内容的には、基本的な問題です。

B(こちら)は、行政事件訴訟法の出訴期間に関する出題であり、これまで未出題であるため、厳しいです。

C(こちら)は、基本的な知識であり、過去問もあることから(【平成28年労災問9エ(こちら)】)、正答できます。

D(こちら)は、誤納付の場合の消滅時効の起算点と消滅時効の期間が問われています。シンプルに考えれば正解しやすいのですが、深読みしたりすると間違える恐れがあります。

E(こちら)は、やや細かい知識なのですが、類問が平成25年と28年の択一式で出題されており、マークすべき論点といえました。

 

 

徴収法は、選択式がないため、あまり学習に時間をかけたくないところですが、近年、労災保険法も雇用保険法もその択一式が難しいことが多く、最低限、徴収法でそれぞれから1問ずつは得点をしたいところです。

徴収法は、過去問で取り上げられている論点が問われることも少なくないため、まずは過去問で既出の論点については正答できるように準備することが必要です。

 

 

 

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