令和7年度 厚生年金保険法

令和7年度の厚生年金保険法の本試験問題のインデックスを掲載します。    

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。

 

 

 

択一式

○【問1】= 厚生年金保険に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和7年問1A】

 年金の支給は、年金を支給すべき事由が生じた月の翌月から始め、権利が消滅した月で終わる。

 

 

【令和7年問1B】

 適用事業所である甲に使用されていた被保険者乙は、令和7年4月1日に甲に使用されなくなったが、同日、別の適用事業所である丙に使用されるに至り、被保険者資格の得喪が生じた。この場合、乙の甲での被保険者資格は令和7年4月1日に喪失し、乙は同日に丙での被保険者資格を取得する。

 

 

【令和7年問1C】

 厚生労働大臣は、被保険者の資格に関する決定に関し、必要があると認めるときは、適用事業所の事業主又は被保険者に対して、文書その他の物件を提出すべきことを命じることができる。

 

 

【令和7年問1D】

 老齢厚生年金の受給権者が、その受給権を取得した当時、加給年金額の加算の対象となる配偶者及び1人の子がいたが、受給権を取得した2年後に第2子が誕生した。この場合、当該第2子(受給権者によって生計を維持しているものとする。)については加給年金額の加算の対象とはならない。

 

 

【令和7年問1E】

 障害等級2級に該当する障害厚生年金の受給権者が、更に障害厚生年金の受給権を取得した。この場合、新たに取得した障害厚生年金が厚生年金保険法第54条第1項(障害補償による支給停止)の規定によりその支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対して従前の障害厚生年金が支給される。

 

 

 

○【問2】= 合意分割(離婚分割)に関する問題:

 

▶合意分割(厚生年金保険法第78条の2に規定する離婚等をした場合における標準報酬の改定の特例をいう。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和7年問2A】

 甲と乙は離婚したが、合意分割の請求前に甲が死亡した。その後、乙は、甲の死亡した日から起算して15日目に、所定の事項が記載された公正証書を添えて合意分割の請求を行った。この場合、甲が死亡した日の前日に当該請求があったものとみなされる。

 

 

【令和7年問2B】

 合意分割の按分割合について当事者の合意のための協議が調わないとき、又は協議をすることができないときには、当事者の申立てにより、家庭裁判所が請求すべき按分割合を定めることができるが、この申立ては当事者の一方のみによってすることができる。

 

 

【令和7年問2C】

 当事者又はその一方は、原則として、実施機関に対し、標準報酬改定請求を行うために必要な情報の提供を請求することができるが、標準報酬改定請求後にはこの請求を行うことができない。

 

 

【令和7年問2D】

 対象期間標準報酬総額の算定において、対象期間の全部又は一部が平成15年4月1日前であるときは、同日前の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額に1.3を乗じて得た額並びに同日以後の対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(厚生年金保険法第26条第1項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあっては、当該従前標準報酬月額)及び標準賞与額に、それぞれ当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額が当該対象期間標準報酬総額とされる。

 

 

【令和7年問2E】

 老齢厚生年金の受給権者について、合意分割の標準報酬の改定又は決定が行われたときは、当該標準報酬の改定又は決定が行われた日の属する月の翌月から、年金の額が改定される。

 

 

 

○【問3】= 事後重症・基準障害の障害厚生年金に関する問題:

 

▶事後重症の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の2第1項による障害厚生年金)及び基準障害の障害厚生年金(厚生年金保険法第47条の3第1項による障害厚生年金)に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

 

【令和7年問3ア】

 事後重症の障害厚生年金は、65歳に達する日の前日までに請求しなければならない。

 

 

【令和7年問3イ】

 基準障害の障害厚生年金の支給は、当該年金を支給すべき事由が生じた月から始められる。

 

 

【令和7年問3ウ】

 事後重症の障害厚生年金の対象は、障害等級1級及び2級のみである。

 

 

【令和7年問3エ】

 基準障害の障害厚生年金の対象は、障害等級1級、2級及び3級である。

 

 

【令和7年問3オ】

繰上げ支給の老齢厚生年金の受給権者は、事後重症の障害厚生年金及び基準障害の障害厚生年金、いずれも請求することができない。

 

 

 A(アとイ) B(アとオ) C(イとエ) D(ウとエ) E(エとオ) 

 

 

 

 

○【問4】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年問4A】

 保険給付の受給権者が死亡した場合の未支給の保険給付の支給を請求できる遺族の範囲については、厚生年金保険法第37条第1項に規定されているが、これには受給権者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた受給権者の配偶者の甥は含まれない。

 

 

【令和7年問4B】

 事業主は、その厚生年金保険に関する書類を、その完結の日から3年間、保存しなければならない。

 

 

【令和7年問4C】

 老齢厚生年金の額に加算する加給年金の額の計算において、その額に50円未満の端数が生じたときはこれを切り捨て、50円以上100円未満の端数が生じたときはこれを100円に切り上げるものとされている。

 

 

【令和7年問4D】

 第3号厚生年金被保険者に係る事務を担当する実施機関としては地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会があるが、厚生年金保険法第84条の5第1項の規定による拠出金の納付に関する事務は、地方公務員共済組合が行う。

 

 

【令和7年問4E】

 事故が第三者の行為によって生じた場合において、受給権者が、当該第三者から同一の事由について損害賠償を受けたときは、政府等は、その価額の限度で、保険給付をしないことができるとされているが、受給権者が当該第三者から損害賠償を受ける前に保険給付を受けたときは、政府が、受給権者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得することはない。

 

 

 

○【問5】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年問5A】 【直近の改正事項

 65歳未満で特別支給の老齢厚生年金の受給権を有する者が、厚生年金保険の被保険者である月に高年齢雇用継続給付を受給できるときは、在職による年金の支給停止に加えて、年金の一部が支給停止される。これにより支給停止される年金額は、高年齢雇用継続給付の支給率の変更にあわせて、令和7年度より、最大で標準報酬月額の6%となった。

 

 

【令和7年問5B】 

 厚生年金保険の適用事業所以外の事業所に使用される70歳以上の者で、高齢任意加入被保険者となっている者は、保険料の全額を負担する義務を負う。ただし、事業主の同意があるときは、被保険者と事業主の半額ずつの負担になる。

 

 

【令和7年問5C】 

 2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該2以上の船舶を1つの適用事業所とすることができるが、その際は、厚生労働大臣の承認を受けなければならない。

 

 

【令和7年問5D】 

 障害基礎年金の支給を受けている者に子の加算が行われているとき(当該子について加算する額に相当する部分の全額につき支給停止されているときを除く。)に、当該子に係る加給年金額が加算された老齢厚生年金が併給されることとなった場合は、当該老齢厚生年金については、その間、当該子について加算する額に相当する部分の支給が停止される。

 

 

【令和7年問5E】  

 国家公務員であった者が、令和7年7月21日に退職し、その翌日に厚生年金保険の被保険者資格を喪失した。その後、同年7月28日に民間企業に就職し、厚生年金保険の被保険者資格を取得した。この場合、同年7月は、第2号厚生年金被保険者であった月とみなされる。

 

 

 

○【問6】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年問6A】 

 被保険者期間が6月以上である日本国籍を有しない者(国民年金の被保険者でないものに限る。)であって、老齢厚生年金の受給資格期間を満たさない等の支給要件を満たした者は、脱退一時金の支給を請求することができる。ただし、その者が日本の永住資格を有するときは、この限りでない。

 

 

【令和7年問6B】 

 脱退一時金の支給を受けた者は、その後、再び脱退一時金の支給要件を満たすことがあったとしても、脱退一時金の支給を請求することはできない。

 

 

 ・【令和7年問6C】(国年法のパスワード)

 政府は、国民年金事業に関する財政の現況及び見通し又は厚生年金保険事業に関する財政の現況及び見通しの作成にあたり、その作成年のおおむね100年後に、国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号)附則第2条第1項の規定によって算出するいわゆるモデル年金の所得代替率が50%を下回ることが見込まれる場合、調整期間の終了について検討を行い、その結果に基づいて調整期間の終了その他の措置を講じなければならない。

 

 

【令和7年問6D】(国年法のパスワード)

 初診日は、原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日とし、健康診断を受けた日(以下本肢において「健診日」という。)は初診日として取り扱わないこととされている。ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の医証(医療機関による初診日の証明)を得られない場合であって、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、請求者から健診日を初診日とするよう申立てがあれば、健診日を初診日とし、健診日を証明する資料を求めた上で、初診日を認めることができるとされている。

 

 

【令和7年問6E】 

 障害等級2級の障害厚生年金を受給する夫が死亡し、子のいない妻が遺族厚生年金を受給する場合、夫死亡時の妻の年齢によっては、中高齢寡婦加算が行われることがある。ただし、当該死亡した夫の厚生年金保険の被保険者期間の月数が240未満である場合は、中高齢寡婦加算は行われない。

 

 

 

○【問7】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和7年問7A】 

 地方公共団体の議会の議員が老齢厚生年金の受給権者であるときは、当該議員が厚生年金保険の被保険者ではないとしても、議員報酬の月額及び期末手当の額と老齢厚生年金の額に応じて、老齢厚生年金の一部又は全額が支給停止となる。

 

 

【令和7年問7B】 

 特定適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所を除く。)は、労使合意により、任意特定適用事業所の申出をすることができる。この労使合意を行う上での同意の対象となる者には、厚生年金保険法第7条に規定する70歳以上の使用される者は含まれない。

 

 

【令和7年問7C】 

 障害等級2級の障害厚生年金の額は、老齢厚生年金の報酬比例部分の算定式により計算した額となる。ただし、年金額の計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算する。また、生年月日に応じた給付乗率の引上げは行われない。

 

 

【令和7年問7D】 

 厚生年金保険の被保険者が70歳に到達した場合は、被保険者資格を喪失する。その後、同一の事業所で同一の労働条件で勤務を継続したとしても、被保険者ではないため、厚生年金保険料を納付する必要はない。ただし、在職老齢年金の仕組みによる支給停止の対象となることがある。

 

 

【令和7年問7E】 

 厚生年金保険法第42条に規定する老齢厚生年金を繰上げ受給している者で65歳に達していない場合は、在職定時改定が適用されない。

 

 

 

○【問8】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年問8A】 

理美容の事業で、常時5人以上の従業員を使用する個人事業所は、厚生年金保険の強制適用事業所となる。

 

 

【令和7年問8B】 

 被保険者が自殺により保険事故を自ら生じさせたときは、被保険者の遺族に対して、当該死亡を支給事由とする遺族厚生年金は支給しない。

 

 

【令和7年問8C】 

 偽りその他不正の手段により保険給付を受けた者があるときは、実施機関は、受給額に相当する金額の全部又は一部をその者から徴収しなければならない。

 

 

【令和7年問8D】 

 受給権者が、正当な理由がなく、厚生労働省令に定める事項の届出、又は書類その他の物件を提出しないときは、保険給付の支払いを差し止めることができる。その後、当該差上事由が消滅したときでも、差し止められた分の支給は行われない。

 

 

【令和7年問8E】 

 被保険者に対する情報の提供として、実施機関は、被保険者に対し、保険料納付の実績及び将来の給付に関する必要な情報を通知している。厚生年金保険法施行規則は、この通知(厚生労働大臣が行うものに限る。)に記載する事項を規定しているが、その1つに、被保険者期間における標準報酬月額及び標準賞与額に応じた保険料(被保険者の負担するものに限る。)の総額がある。

 

 

 

○【問9】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和7年問9A】 

 厚生年金保険法第81条の2第1項に規定される育児休業期間中の厚生年金保険料の免除の規定について、育児休業等の期間が1か月以下の場合は、その月の標準報酬月額に係る保険料は免除されるが、その月の標準賞与額に係る保険料についても免除される。

 

 

【令和7年問9B】 

 厚生労働大臣は、納入の告知をした保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額を超えていることを知ったとき、又は納付した保険料額が当該納付義務者が納付すべき保険料額を超えていることを知ったときは、その超えている部分に関する納入の告知又は納付を、その納入の告知又は納付の日の翌日から1年以内の期日に納付されるべき保険料について納期を繰り上げてしたものとみなすことができる。

 

 

【令和7年問9C】 

 事業主は、被保険者に対して通貨をもって賞与を支払う場合においては、被保険者の負担すべき標準賞与額に係る保険料に相当する額を当該賞与から控除することができる。なお、保険料を控除したときは、事業主は、保険料の控除に関する計算書を作成し、その控除額を被保険者に通知しなければならない。

 

 

【令和7年問9D】 

 前月から引き続き厚生年金保険の被保険者の資格を有する65歳以後の老齢厚生年金の受給権者の総報酬月額相当額が改定された場合は、新たな総報酬月額相当額に基づいて支給停止額が再計算され、当該総報酬月額相当額の改定が行われた月の翌月から支給される年金額が改定される。

 

 

【令和7年問9E】 

 60歳台前半において、障害等級2級の障害基礎年金及び障害厚生年金の受給権者が、雇用保険法の規定による基本手当を受けることができるときは、障害厚生年金については、基本手当との間で調整が行われるため、支給停上の対象となる。

 

 

 

○【問10】= 厚生年金保険法に関する問題:

 

▶厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

 

【令和7年問10ア】 

 障害手当金の受給権者であって、当該障害に係る障害認定日において2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る当該障害手当金の支給に関する事務は、当該障害に係る障害認定日における被保険者の種別に応じて、厚生年金保険法第2条の5第1項各号に定める実施機関が行う。

 

 

【令和7年問10イ】 

 実施機関は、必要があると認めるときは、障害等級に該当する程度の障害の状態にあることにより、年金たる保険給付の受給権を有し、又は厚生年金保険法第44条第1項の規定によりその者について加給年金額の加算が行われている子に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命じ又は当該職員をしてこれらの者の障害の状態を診断させることができる。

 

 

【令和7年問10ウ】 

 遺族厚生年金(その受給権者が65歳に達しているものに限る。)は、その受給権者が老齢厚生年金の受給権を有するとき、当該老齢厚生年金の額に相当する部分の支給が停止される。なお、加給年金額が加算された老齢厚生年金についてもこの規定が適用されるため、加給年金額に相当する部分も含めて、当該遺族厚生年金は支給が停止される。

 

 

【令和7年問10エ】 

 遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻が、当該遺族厚生年金と同一の支給事由に基づく遺族基礎年金の受給権を取得しない場合、当該遺族厚生年金の受給権を取得した日から起算して3年を経過したときに遺族厚生年金の受給権は消滅する。

 

 

【令和7年問10オ】(一部補正) 

 事業主が、正当な理由がなく、厚生年金保険法第27条の規定に違反して、被保険者(70歳以上の使用される者を含む。)資格の取得及び喪失(70歳以上の使用される者にあっては、厚生労働省令で定める要件に該当するに至った日及び当該要件に該当しなくなった日)並びに報酬月額及び賞与額に関する事項について、厚生労働大臣に届け出なければならないにもかかわらず、これを届出せず又は虚偽の届出をした場合は、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。

 

 

A(アとウ)  B(アとオ)  C(イとエ)  D(イとオ)  E(ウとエ)

  

 

 

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 厚生年金保険法第21条第1項の規定によると、実施機関は、被保険者が毎年7月1日現に使用される事業所において同日前3月間(その事業所で継続して使用された期間に限るものとし、かつ、報酬支払の基礎となった日数が  (厚生労働省令で定める者(被保険者であって、その1週間の所定労働時間が同一の事業所に使用される通常の労働者の1週間の所定労働時間の4分の3未満である短時間労働者等)にあっては、   。)未満である月があるときは、その月を除く。)に受けた報酬の総額をその期間の月数で除して得た額を報酬月額として、標準報酬月額を決定するとされている。

 

 

2 厚生年金保険法第43条の4第1項の規定によると、調整期間における再評価率の改定については、  に、調整率に当該年度の前年度の特別調整率を乗じて得た率を乗じて得た率を基準とするとされている。

 

 

3 平成2年1月生まれの甲は、平成23年1月に同い年の乙と結婚し、令和7年1月に離婚した。婚姻期間中、乙は厚生年金保険の被保険者であり、甲は国民年金の第3号被保険者であった。また、乙は、今和2年8月に初診日のある傷病により、令和4年2月の障害認定日に障害等級3級に該当しており、離婚時には、当該障害による障害厚生年金を受給していた。この事例において、3号分割標準報酬改定請求の対象とならない期間は、平成23年1月から  までである。

 

 

4 厚生年金保険の被保険者丙は、令和7年8月1日に自宅内で倒れて、病院に緊急搬送された。丙は、同日において、67歳の男性であり、老齢基礎年金、老齢厚生年金ともに繰下げ待機中である。この傷病によって、丙が障害認定日に、障害等級2級と認定された場合、受給権が発生する障害年金は、  。なお、丙に保険料滞納期間はないものとする。

 

 

選択肢:

 

①11日 ②12日 ③13日 ④14日 ⑤15日 ⑥16日 ⑦17日 ⑧18日

 

⑨障害基礎年金と障害厚生年金である ⑩障害基礎年金のみである ⑪障害厚生年金のみである 

 

⑫実質賃金変動率 ⑬実質手取り賃金変動率 ⑭存在しない ⑮名目賃金変動率

 

⑯名目手取り賃金変動率 

 

⑰令和2年8月 ⑱令和4年1月 ⑲令和4年2月 ⑳令和6年12月

 

 

 

選択式解答

A=⑦「17日」(第21条第1項

 

B=①「11日」(同上)

 

C=⑯「名目手取り賃金変動率」(第43条の4第1項柱書

 

D=⑲「令和4年2月」(第78条の14第1項ただし書施行規則第78条の17第1項第1号) 

 

E=⑪「障害厚生年金のみである」 

 

 

 

選択式の論点とリンク先

厚年法は、空欄DとE(さらにはC)で迷った方もおられるかもしれません。

ただ、定時決定に関する空欄AとBは基本的知識であるため、空欄Cも正解して、基準点をクリアすることは可能です。

 

 

〔1〕問1(空欄のA及びB)

 

問1(こちら)の空欄A及びBは、定時改定に関する基本的な数字についての出題であり、正解することが必要です(当サイトのこちらの冒頭の◆の部分で、空欄の数字は全部掲載されています。ゴロ合わせも下部の方で記載しています)。

 

 

 

〔2〕問2(空欄のC)

 

問2(こちら)の空欄Cは、調整期間における再評価率の改定に関する問題であり、割合基礎的な知識です。

 

「基準年度再評価率(新規裁定者に係る再評価率)」に関する出題なのか(この場合は、空欄Cは、⑯「名目手取り賃金変動率」です)、それとも、「基準年度以後再評価率(裁定者に係る再評価率)」に関する問題なのか(この場合は、空欄Cは、「物価変動率」ですが、幸い選択肢には「物価変動率」は存在しません)は問題ですが、設問中に「特別調整率」とあるので、前者の基準年度前再評価率の問題ということになり、空欄Cは⑯「名目手取り賃金変動率」です(「基準年度以後特別調整率」なら、後者の「基準年度以後再評価率」の問題です。こちらの図の左側の1⃣を参考)。

 

 

 

〔3〕問3(空欄のD)

 

問3(こちら)は、3号分割標準報酬改定請求の対象とならない期間に関する出題です。

 

3号分割が可能となる期間は、特定期間(特定被保険者が被保険者であった期間であり、かつ、その被扶養配偶者が当該特定被保険者の配偶者として第3号被保険者であった期間)であり、大まかには、婚姻していた期間のうち第3号被保険者であった期間となります(こちら以下)。

 

そこで、本問では、結婚した平成23年1月から離婚した令和6年12月までが、一応、特定期間となりそうですが(なお、特定期間の末日の属する月は特定期間に係る被保険者期間に算入されないため、離婚等をした月の前月までが特定期間に係る被保険者期間に算入されます。こちら以下)、本問では、特定被保険者である乙障害厚生年金の受給権者であることに気づく必要があります。

即ち、3号分割標準報酬改定請求のあった日に、特定被保険者が障害厚生年金の受給権者であって、特定期間の全部又は一部がその額の計算の基礎となっている場合には、原則として、被扶養配偶者は3号分割標準報酬改定請求を行うことはできません(第78条の14第1項ただし書施行規則第78条の17第1項第1号)。

障害厚生年金の額の計算の基礎となる平均標準報酬額が低下する結果、その年金額が減額され、障害者である特定被保険者の保護に欠ける恐れがあるためです。本文は、こちらです。

 

本問では、特定被保険者乙は、令和4年2月の障害認定日に障害等級に該当していますから、この令和4年2月に障害厚生年金の受給権が発生しています。

この障害厚生年金は、その受給権の発生前(以前)の被保険者期間を基礎として受給権が発生していますから、この障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間については、3号分割はできないことになります。

具体的には、障害厚生年金の額の計算の基礎となる被保険者期間とは、障害認定日の属する月まで(その月以前)なのであり、障害認定日の属する月における被保険者であった期間は、その計算の基礎としません(第51条)。本問のキーは、ここでした。老齢厚生年金との違い等について、こちら以下で詳述しています。

そこで、本問では、障害厚生年金の障害認定日の属する月である令和4年2月までが障害厚生年金の額の計算の基礎となるため、同令和4年2月までは3号分割ができないこととなります。

 

以上については、当サイトでは、こちらの「例外」の部分で言及していました。

考え方を理解しておけば難しくないのですが、初見ですと、難しかったと思います。「理解」が必要であるという例です。

次の図を参考です。

 

 

 

 

 

〔4〕問4(空欄のE)

 

問4(こちら)は、受給権が発生する障害年金に関する出題です。

要するに、障害厚生年金と障害基礎年金の支給要件を思い出して、本問の事実を当てはめて支給要件の該当性を判断するという設問です。

このようなパターンは、厚年法の令和5年度の選択式問2(こちら)で登場しました。

難しいわけではなく、冷静に支給要件をくまなく思い出し、あてはめるだけです。

 

 

(1)まず、障害基礎年金の受給権が発生するかです。

 

障害基礎年金の支給要件は、次の①~③の通りです(国年法のこちら以下(国年法のパスワード))。

 

①初診日の要件=(ⅰ)初診日において、国民年金の被保険者であるか、(ⅱ)初診日において、国民年金の被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること。

 

②障害認定日の要件=障害認定日において、障害等級(1級又は2級)に該当する程度の障害の状態にあること。

 

 ③保険料納付要件= 初診日の前日における保険料納付要件を満たしていること。

 

 本問では、「保険料滞納期間はない」ため、③は満たします。

また、障害認定日に2級であるため、②も満たします。

①が問題です。

被保険者丙は、初診日(倒れて救急搬送された令和7年8月1日)に厚生年金保険の被保険者ですが、67歳であり、老齢基礎(厚生)年金の支給の繰下げを行うため裁定請求をしていない状態(=「繰下げ待機中」)です。

 

厚生年金保険の被保険者は、原則として、国民年金の第2号被保険者となりますが、65歳以上の者にあっては、老齢退職年金給付の受給権を有しない者に限ります(国年法のこちら以下)。

本問では、67歳であり、老齢基礎(厚生)年金の支給の繰下げを行うため裁定請求をしていない状態がその受給権を取得しているのか問題です。

この点は、「繰下げ待機中」とは、老齢基礎(厚生)年金の受給権を取得している状態をいうのであって、例えば、10年の受給資格期間を満たさない者が65歳を過ぎて老齢基礎(厚生)年金の裁定請求をしていなくても、これはそもそも裁定請求をする要件及び支給の繰下げをする要件を満たしていないであり、「繰下げ待機中」とは表現しません。

そこで、本問の被保険者丙は、67歳で老齢基礎(厚生)年金の受給権を取得しているため、国民年金の第2号被保険者となりません。

よって、障害厚生年金の初診日の要件である前記①の(ⅰ)「初診日において、国民年金の被保険者」という要件を満たさないことになります。

また、前記①の(ⅱ)の「初診日において、国民年金の被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であること」の要件についても、被保険者丙は67歳であるため、満たしません。

従って、被保険者丙について、障害基礎年金の受給権は発生しません。

 

 

(2)次に、障害厚生年金の受給権が発生するかです。

 

障害厚生年金の支給要件は、次の①~③の通りです(こちら以下)。

 

①初診日の要件=初診日において、厚生年金保険の被保険者であること。

 

②障害認定日の要件=障害認定日において、障害等級(1級、2級又は3級)に該当する程度の障害の状態にあること。

 

③保険料納付要件=初診日の前日における保険料納付要件を満たしていること(この保険料納付要件は、障害基礎年金の場合と基本的に同様です)。

 

本問では、①初診日に障害厚生年金の被保険者であり、②障害認定日において障害等級2級に該当し、③保険料納付要件も満たしますから、障害厚生年金の受給権が発生します。

 

以上より、選択肢の⑪「障害厚生年金のみである」が正解です。

 

保険法では、何より、支給要件がすらすら出てくるように記憶することが重要です。

 

 

 

 

 

総評

選択式については、前述の通り、定時決定に関する空欄AとB(こちら)は基本的知識であり、正答が必須であり、その他の3つの空欄から1つ正解できれば基準点を上回ることができます。

 

択一式は、個別には難しい肢もあるのですが、全体としては、高めの得点を狙える結果になっています。

 

【問1】(こちら)は、正解肢は難しいのですが、正解肢以外の肢が易しく、消去法で正答することが可能です。

 

肢のA(こちら)は、年金給付の支給期間に関する出題であり、平易です。

B(こちら)は、資格喪失時期の同日得喪に関する出題であり、基本的な知識です。

C(こちら)は、立入検査等に関する出題であり、【平成24年問8A(こちら)】で同じ論点を出題されていましたが、厳しいです。

D(こちら)は、老齢厚生年金の加給年金額の加算の要件に関する出題であり、基本的な知識です。

E(こちら)は、併合認定に係る障害厚生年金において後発の障害厚生年金が支給停止されている場合の取扱いに関する出題であり、基本的な知識です。

 

 

【問2】(こちら)は、離婚分割(合意分割)に関する出題です。肢のA、D及びEあたりが細かいです。

 

肢のA(こちら)は、細かいのですが、【平成29年問6D(こちら)】で類問が出題されています。

B(こちら)は、基本的な知識です。

C(こちら)も、【平成21年問7D(こちら)】で問われており、難しいわけではありません。

D(こちら)は、初出であり、細かいです。他の肢との関係から正誤を判断することとなります。

E(こちら)は、典型論点ではあるのですが、細かい箇所が問われており、やや厳しいです。

 

 

【問3】(こちら)は、事後重症及び基準障害の障害厚生年金に関する出題です。

基本的な知識が問われており、かつ、組み合わせ問題であるため、正解しやすいです。

 

 

【問4】(こちら)は、正解したいところです。

 

肢のA(こちら)は、未支給給付の請求権者の具体例であり、健保法の被扶養者の知識を生かします。

B(こちら)は、保存期間の出題であり、記憶必須の箇所です。

C(こちら)は、老齢厚生年金の加給年金額の端数処理に関する問題であり、端数処理は押さえておく必要がありました。

D(こちら)は、細かいです。ただし、類問が【令和2年問6A(こちら)】で出題されていました。

E(こちら)は、第三者行為災害に関する基本的問題です。

 

 

【問5】(こちら)は、肢のAは直近の改正事項であるためやや注意ですが、その他は典型論点であったり、基本的な知識を問うものであったりするため、正答したいです。

 

肢のA(こちら)は、特老厚と高年齢雇用継続給付との支給調整に関する問題であり、直近の改正事項が問われました。

B(こちら)は、適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入被保険者の保険料の負担等に関する出題であり、基本的な知識が問われています。

C(こちら)は、複数の船舶の一括の問題であり、典型論点です。

D(こちら)は、障害基礎年金の子の加算額と老齢厚生年金の子の加給年金額との併給の調整に関する問題であり、これも典型論点です。

E(こちら)は、同一月における種別の変更の問題であり、条文をチェックしておく必要があります。

 

 

【問6】(こちら)は、微妙です。肢のC~Eを学習できていたがポイントです。 

 

肢のA(こちら)及びB(こちら)は、脱退一時金に関する出題です。Aは初出ですが、難しいわけではなく、Bは典型論点です。

C(国年法のこちら)は、所得代替率に係る調整期間の終了等の措置に関する出題です。少々微妙です。

D(国年法のこちら)は、障害年金の初診日を明らかにすることができる書類を添えることができない場合の健診日の取扱いに関する通達からの出題です。当サイトでは、国年法で掲載していましたが、厳しいところです。

E(こちら)も、やや厳しいのですが、この肢が誤りであることを判断できるレベルにあれば合格に近いといえそうです。

 

 

【問7】(こちら)は、正解肢がやや細かいですが、その他の肢が基本的なものが多く、正答したいです。

 

肢のA(こちら)は、議会の議員についても在職老齢年金の対象となるのかという出題であり、基本的な知識です。

B(こちら)は、任意特定適用事業所に係る労使合意を行う上での同意の対象となる者(これを「2分の1以上同意対象者」といいます)に、「70歳以上の使用される者」も含むかという出題であり、学習しておきたいところです。

C(こちら)は、障害厚生年金の基本年金額についての基礎的な知識です。

D(こちら)は、70歳以上の被用者に関する基本的な知識です。【平成23年問9C(こちら)】で類問があります。

E(こちら)は、在職定時改定の年齢要件に関する出題です。

 

 

【問8】(こちら)は、正解肢がやや微妙であり、他の肢との関連で判断することとなります。肢のCを判断できるかがポイントとなりそうです。

 

肢のA(こちら)は、強制適用事業所の該当性の問題であり、基本的な論点です。

B(こちら)は、自殺に係る給付制限の問題であり、典型論点です。

C(こちら)は、不正利得の徴収に関する問題ですが、やや微妙です。

D(こちら)は、支払の一時差止めに関する基本的な知識です。

E(こちら)は、ねんきん定期便の記載事項に関する出題であり、他の肢との関連から判断することとなります。

 

 

【問9】(こちら)は、正答可能です。

 

肢のA(こちら)は、育児休業等期間中の保険料の免除に関する令和4年10月1日施行の改正の問題ですが、基本的な知識です。

B(こちら)は、保険料の繰上充当において、繰り返し問われている数字です。

C(こちら)は、標準賞与額に係る保険料の源泉控除に関する出題です。

D(こちら)は、在職老齢年金の制度における総報酬月額相当額の改定に関する問題です。直近では、【令和4年問8A(こちら)】で出題されており、過去問頻出です。

E(こちら)は、基本手当との調整の対象となる保険給付に関する出題であり、易しいです。

 

 

【問10】(こちら)は、肢のア及びウ辺りは注意ですが、組み合わせ問題であり、正答可能です。

 

肢のア(こちら)は、2以上期間者に係る障害手当金に関する支給の事務を行う者を問うものです。2以上期間者に係る障害厚生年金の場合と同じと覚えておきます。

イ(こちら)は、実施機関による受診命令に関する出題です。過去問(【平成30年問9D(こちら)】)を押さえておく必要がありました。

ウ(こちら)は、65歳以上の者が老齢厚生年金と遺族厚生年金の受給権を有する場合の年金額に関する出題です。本肢は、少々細かいです。【平成29年問2B(こちら)】で類問が出題されています。

エ(こちら)は、わかりやすいです。

オ(こちら)は、罰則に関する出題ですが、その中ではわかりやすいほうです。

  

 

 

国年法・厚年法ともに、まずは基本的事項を理解して支給要件等を思い出せるようにして土台を作り、そのうえで事例問題について多少訓練をしておかれるとよろしいです。 

選択式対策として、法本則(及びいくつかの附則)の重要条文については熟読し、数字とキーワードを押さえる必要があります。

特別な学習方法があるわけではなく、地道な学習を淡々と行うことが最も合格への最短距離であるということになります。

 

 

<前のページ