令和2年度 国民年金法

令和2年度の国民年金法の本試験問題のインデックスを掲載します。   

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。

 

 

択一式

○【問1】= 障害基礎年金及び遺族基礎年金に関する問題:【組み合わせ問題】

 

【令和2年問1ア】

(遺族基礎年金を減額して改定すべき事由が生じたにもかかわらず、その事由が生じた日の属する月の翌月以降の分として減額しない額の遺族基礎年金が支払われた場合における当該遺族基礎年金の当該減額すべきであった部分は、その後に支払うべき遺族基礎年金の内払とみなすことができるか)

 

【令和2年問1イ】

(初診日において被保険者であり、障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態にあるものであっても、当該傷病に係る初診日の前日において、当該初診日の属する月の前々月までに被保険者期間がない者については、障害基礎年金は支給されないか)

 

【令和2年問1ウ】

(遺族基礎年金の支給に係る生計維持の認定に関し、認定対象者の収入については、前年の収入が年額850万円以上であるときは、定年退職等の事情により近い将来の収入が年額850万円未満となると認められても、収入に関する認定要件に該当しないものとされるか)

 

【令和2年問1エ】

(障害等級2級の障害基礎年金の受給権を取得した日から起算して6か月を経過した日に人工心臓(補助人工心臓を含む)を装着した場合には、障害の程度が増進したことが明らかな場合として年金額の改定の請求をすることができるか)

 

【令和2年問1オ】

(死亡した者の死亡日においてその者の死亡により遺族基礎年金を受けることができる者があるときは、当該死亡日の属する月に当該遺族基礎年金の受給権が消滅した場合であっても、死亡一時金は支給されないか)

 

 

○【問2】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問2A】

(死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る死亡日の前日における保険料納付済期間が36か月であり、同期間について併せて付加保険料を納付している者の遺族に支給する死亡一時金の額は、120,000円に8,500円を加算した128,500円である。なお、当該死亡した者は上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする)

 

【令和2年問2B】

(平成12年1月1日生まれの者が20歳に達し第1号被保険者となった場合、令和元年12月から被保険者期間に算入され、同月分の保険料から納付する義務を負うか)

 

【令和2年問2C】

(日本国籍を有する者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、その者が住所を有していた地区に係る地域型国民年金基金又はその者が加入していた職能型国民年金基金に申し出て、地域型国民年金基金又は職能型国民年金基金の加入者となることができるか)

 

【令和2年問2D】

(保険料の一部の額につき納付することを要しないものとされた被保険者には、保険料の前納に関する規定は適用されないか)

 

【令和2年問2E】

(被保険者である夫が死亡し、その妻に遺族基礎年金が支給される場合、遺族基礎年金には、子の加算額が加算されるか)

 

 

○【問3】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問3A】

(国民年金法第30条の3に規定するいわゆる基準傷病による障害基礎年金は、基準傷病以外の傷病の初診日において被保険者でなかった場合においては、基準傷病に係る初診日において被保険者であっても、支給されないか)

 

【令和2年問3B】 【令和2年度試験 改正事項(関連問題)

(20歳に達したことにより、第3号被保険者の資格を取得する場合であって、厚生労働大臣が住民基本台帳法第30条の9の規定により当該第3号被保険者に係る機構保存本人確認情報の提供を受けることにより20歳に達した事実を確認できるときは、資格取得の届出を要しないものとされているか)

 

【令和2年問3C】

(厚生労働大臣は、保険料納付確認団体がその行うべき業務の処理を怠り、又はその処理が著しく不当であると認めるときは、当該団体に対し、その改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができるが、当該団体がこの命令に違反したときでも、当該団体の指定を取り消すことはできないか)

 

【令和2年問3D】

(死亡日の前日において、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間の月数が18か月、保険料全額免除期間の月数が6か月、保険料半額免除期間の月数が24か月ある者が死亡した場合において、その者の遺族に死亡一時金が支給されるか)

 

【令和2年問3E】

(日本国籍を有する者その他政令で定める者であって、日本国内に住所を有しない20歳以上65歳未満の任意加入被保険者は、厚生労働大臣に申し出て、付加保険料を納付する者となることができるか)

 

 

○【問4】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問4A】

(被保険者又は受給権者が死亡したにもかかわらず、当該死亡についての届出をしなかった戸籍法の規定による死亡の届出義務者は、30万円以下の過料に処せられるか)

 

 ・【令和2年問4B】

(第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間を6か月以上有する日本国籍を有しない者(被保険者でない者に限る)が、日本国内に住所を有する場合、脱退一時金の支給を受けることはできないか)

 

【令和2年問4C】

(障害基礎年金の受給権者が死亡し、その者に支給すべき障害基礎年金でまだその者に支給しなかったものがあり、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた遺族がその者の従姉弟しかいなかった場合、当該従姉弟は、自己の名で、その未支給の障害基礎年金を請求することができるか)

 

【令和2年問4D】

(死亡した被保険者の子が遺族基礎年金の受給権を取得した場合において、当該被保険者が月額400円の付加保険料を納付していた場合、当該子には、遺族基礎年金と併せて付加年金が支給されるか)

 

【令和2年問4E】

(夫が老齢基礎年金の受給権を取得した月に死亡した場合には、他の要件を満たしていても、その者の妻に寡婦年金は支給されないか)

 

 

○【問5】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問5A】

(60歳以上65歳未満の期間に国民年金に任意加入していた者は、老齢基礎年金の支給繰下げの申出をすることは一切できないか)

 

 ・【令和2年問5B】

(保険料金額免除期間とは、第1号被保険者としての被保険者期間であって、法定免除、申請全額免除、産前産後期間の保険料免除、学生納付特例又は納付猶予の規定による保険料を免除された期間(追納した期間を除く)を合算した期間か)

 

【令和2年問5C】

(失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者に係る遺族基礎年金の支給に関し、死亡とみなされた者についての保険料納付要件は、行方不明となった日において判断するか)

 

【令和2年問5D】

(老齢基礎年金の受給権者であって、66歳に達した日後70歳に達する日前に遺族厚生年金の受給権を取得した者が、70歳に達した日に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合には、遺族厚生年金を支給すべき事由が生じた日に、支給繰下げの申出があったものとみなされるか)

 

【令和2年問5E】

(第3号被保険者であった者が、その配偶者である第2号被保険者が退職し第2号被保険者でなくなったことにより第3号被保険者でなくなったときは、その事実があった日から14日以内に、当該被扶養配偶者でなくなった旨の届書を、提出しなければならないか)

 

 

○【問6】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問6A】

(年金額の改定は、受給権者が68歳に到達する年度よりも前の年度では、物価変動率を基準として、また68歳に到達した年度以後は名目手取り賃金変動率を基準として行われるか)

 

【令和2年問6B】

(第3号被保険者の資格の取得の届出は市町村長に提出することによって行わなければならないか)

 

【令和2年問6C】 【令和2年度試験 改正事項

(障害の程度の審査が必要であると認めて厚生労働大臣により指定された障害基礎年金の受給権者は、当該障害基礎年金の額の全部につき支給停止されていない限り、厚生労働大臣が指定した年において、指定日までに、指定日前1か月以内に作成されたその障害の現状に関する医師又は歯科医師の診断書を日本年金機構に提出しなければならないか)

 

【令和2年問6D】

(国家公務員共済組合の組合員、地方公務員共済組合の組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者に係る被保険者としての氏名、資格の取得及び喪失、種別の変更、保険料の納付状況、基礎年金番号その他厚生労働省令で定める事項については国民年金原簿に記録するものとされていないか)

 

【令和2年問6E】

(国民年金法によれば、給付の種類として、被保険者の種別のいかんを問わず、加入実績に基づき支給される老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金と、第1号被保険者としての加入期間に基づき支給される付加年金、寡婦年金及び脱退一時金があり、そのほかに国民年金法附則上の給付として特別一時金及び死亡一時金があるか)

 

 

○【問7】= 国民年金法に関する諸問題:

 

【令和2年問7A】

(日本年金機構は、あらかじめ厚生労働大臣の認可を受けなければ、保険料の納付受託者に対する報告徴収及び立入検査の権限に係る事務を行うことができないか)

 

【令和2年問7B】

(老齢基礎年金のいわゆる振替加算の対象となる者に係る生計維持関係の認定は、老齢基礎年金に係る振替加算の加算開始事由に該当した日を確認した上で、その日における生計維持関係により行うこととなるか)

 

【令和2年問7C】

(遺族基礎年金の受給権者である配偶者が、正当な理由がなくて、指定日までに提出しなければならない加算額対象者と引き続き生計を同じくしている旨等を記載した届書を提出しないときは、当該遺族基礎年金は支給を停止されるか)

 

【令和2年問7D】 【令和2年度試験 改正事項

(年金給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに支払うものとされる年金給付の支給を受ける権利については「支払期月の翌月の初日」がいわゆる時効の起算点とされ、各起算点となる日から5年を経過したときに時効によって消滅するか)

 

【令和2年問7E】

(国民年金基金が厚生労働大臣の認可を受けて、信託会社、信託業務を営む金融機関、生命保険会社、農業協同組合連合会、共済水産業協同組合連合会、国民年金基金連合会に委託することができる業務には、加入員又は加入員であった者に年金又は一時金の支給を行うために必要となるその者に関する情報の収集、整理又は分析が含まれるか)

 

 

○【問8】=厚生労働大臣の権限等に関する問題:【組み合わせ問題】

 

【令和2年問8ア】

(被保険者から、預金又は貯金の払出しとその払い出した金銭による保険料の納付をその預金口座又は貯金日座のある金融機関に委託して行うことを希望する旨の申出があった場合におけるその申出の受理及びその申出の承認の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、厚生労働大臣が自ら行うことはできないか) 

 

【令和2年問8イ】

(被保険者の資格又は保険料に関する処分に関し、被保険者に対し、国民年金手帳、出産予定日に関する書類、被保険者若しくは被保険者の配偶者若しくは世帯主若しくはこれらの者であった者の資産若しくは収入の状況に関する書類その他の物件の提出を命じ、又は職員をして被保険者に質問させることができる権限に係る事務は、日本年金機構に委任されているが、厚生労働大臣が自ら行うこともできるか) 

 

【令和2年問8ウ】

(受給権者に対して、その者の身分関係、障害の状態その他受給権の消滅、年金額の改定若しくは支給の停止に係る事項に関する書類その他の物件を提出すべきことを命じ、又は職員をしてこれらの事項に関し受給権者に質問させることができる権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、厚生労働大臣が自ら行うことはできないか) 

 

【令和2年問8エ】

(国民年金法第1条の目的を達成するため、被保険者若しくは被保険者であった者又は受給権者に係る保険料の納付に関する実態その他の厚生労働省令で定める事項に関する統計調査に関し必要があると認めるときは、厚生労働大臣は、官公署に対し、必要な情報の提供を求めることができるか) 

 

【令和2年問8オ】

(国民年金原簿の訂正請求に係る国民年金原簿の訂正に関する方針を定め、又は変更しようとするときは、厚生労働大臣は、あらかじめ、社会保険審査会に諮問しなければならないか) 

 

 

○【問9】=任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者に関する問題:【事例問題】

 

【令和2年問9A】(寡婦年金の支給要件と特例による任意加入被保険者期間)

(68歳の夫(昭和27年4月2日生まれ)は、65歳以上の特例による任意加入被保険者として保険料を納付し、令和2年4月に老齢基礎年金の受給資格を満たしたが、裁定請求の手続きをする前に死亡した。死亡の当時、当該夫により生計を維持し、当該夫との婚姻関係が10年以上継続した62歳の妻がいる場合、この妻が繰上げ支給の老齢基礎年金を受給していなければ、妻には65歳まで寡婦年金が支給されるか。なお、死亡した当該夫は、障害基礎年金の受給権者にはなったことがなく、学生納付特例の期間、納付猶予の期間、第2号被保険者期間及び第3号被保険者期間を有していないものとする)  

 

 ・【令和2年問9B】(老齢退職年金給付の受給権者等のCの任意加入の可否)

(60歳で第2号被保険者資格を喪失した64歳の者(昭和31年4月2日生まれ)は、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給中であり、あと1年間、国民年金の保険料を納付すれば満額の老齢基礎年金を受給することができる。この者は、日本国籍を有していても、日本国内に住所を有していなければ、任意加入被保険者の申出をすることができないか)  

 

【令和2年問9C】(任意加入における480月の問題)

(20歳から60歳までの40年間第1号被保険者であった60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、保険料納付済期間を30年間、保険料半額免除期間を10年間有しており、これらの期間以外に被保険者期間を有していない。この者は、任意加入の申出をすることにより任意加入被保険者となることができるか。なお、この者は、日本国籍を有し、日本国内に住所を有しているものとする)  

 

【令和2年問9D】(第3種被保険者の特例と任意加入)

(昭和60年4月から平成6年3月までの9年間(108か月間)厚生年金保険の第3種被保険者としての期間を有しており、この期間以外に被保険者期間を有していない65歳の者(昭和30年4月2日生まれ)は、老齢基礎年金の受給資格を満たしていないため、任意加入の申出をすることにより、65歳以上の特例による任意加入被保険者になることができるか。なお、この者は、日本国籍を有し、日本国内に住所を有しているものとする)  

 

【令和2年問9E】(特例による任意加入の擬制と付加保険料の納付の可否)

(60歳から任意加入被保険者として保険料を口座振替で納付してきた65歳の者(昭和30年4月2日生まれ)は、65歳に達した日において、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていない場合、65歳に達した日に特例による任意加入被保険者の加入申出があったものとみなされ、引き続き保険料を口座振替で納付することができ、付加保険料についても申出をし、口座振替で納付することができるか)

 

  

○【問10】=国民年金法に関する諸問題:【組み合わせ問題】

 

【令和2年問10ア】

(第1号被保険者期間中に15年間付加保険料を納付していた68歳の者(昭和27年4月2日生まれ)が、令和2年4月に老齢基礎年金の支給繰下げの申出をした場合は、付加年金額に25.9%を乗じた額が付加年金額に加算され、申出をした月の翌月から同様に増額された老齢基礎年金とともに支給されるか)  

 

【令和2年問10イ】

(障害基礎年金の受給権者であることにより法定免除の要件に該当する第1号被保険者は、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除となるが、当該被保険者からこの免除となった保険料について保険料を納付する旨の申出があった場合、申出のあった期間に係る保険料を納付することができるか)  

 

【令和2年問10ウ】

(日本国籍を有しない60歳の者(昭和35年4月2日生まれ)は、平成7年4月から平成9年3月までの2年間、国民年金第1号被保険者として保険料を納付していたが、当該期間に対する脱退一時金を受給して母国へ帰国した。この者が、再び平成23年4月から日本に居住することになり、60歳までの8年間、第1号被保険者として保険料を納付した。この者は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たしているか。なお、この者は、上記期間以外に被保険者期間を有していないものとする)  

 

【令和2年問10エ】

(令和2年4月2日に64歳に達した者が、平成18年7月から平成28年3月までの期間を保険料全額免除期間として有しており、64歳に達した日に追納の申込みをしたところ、令和2年4月に承認を受けることができた。この場合の追納が可能である期間は、追納の承認を受けた日の属する月前10年以内の期間に限られるので、平成22年4月から平成28年3月までとなるか)  

 

【令和2年問10オ】 【令和元年度試験 改正事項

(第1号被保険者が、生活保護法による生活扶助を受けるようになると、保険料の法定免除事由に該当し、既に保険料が納付されたものを除き、法定免除事由に該当した日の属する月の前月から保険料が免除になり、当該被保険者は、法定免除事由に該当した日から14日以内に所定の事項を記載した届書を市町村に提出しなければならない。ただし、厚生労働大臣が法定免除事由に該当するに至ったことを確認したときは、この限りでない)。 

  

 

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 国民年金法第4条では、「この法律による年金の額は、  その他の諸手情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに   の措置が講ぜられなければならない。」と規定している。

 

2 国民年金法第37条の規定によると、遺族基礎年金は、被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、   であるものが死亡したとき、その者の配偶者又は子に支給するとされている。ただし、死亡した者につき、死亡日の前日において、死亡日の属する月の前々月までに被保険者期間があり、かつ、当該被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が  に満たないときは、この限りでないとされている。

 

3 国民年金法第94条の2第1項では、「厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。」と規定しており、同条第2項では、「  は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年全拠出金を納付する。」と規定している。

 

選択肢:

①10年 ②25年 ③20歳以上60歳未満 ④20歳以上65歳未満 ⑤60歳以上65歳未満 ⑥65歳以上70歳未満 ⑦改定 ⑧国民生活の安定 ⑨国民生活の現況 ⑩国民生活の状況 ⑪国民の生活水準 ⑫所要 ⑬実施機関たる共済組合等 ⑭実施機関たる市町村 ⑮実施機関たる政府 ⑯実施機関たる日本年金機構 ⑰是正 ⑱訂正 ⑲当該被保険者期間の3分の1 ⑳当該被保険者期間の3分の2

 

 

 

 

選択式解答

A = ⑪国民の生活水準(第4条

 

B = ⑦改定(同上)

 

C = ⑤60歳以上65歳未満(第37条第2号

 

D = ⑳当該被保険者期間の3分の2第37条ただし書

 

E = ⑬実施機関たる共済組合等(第94条の2第2項

 

 

選択式の論点とリンク先

〔1〕問1

 

選択式の問1(こちら)は、第4条(国民の生活水準等に著しい変動が生じた場合の年金額の改定)からの出題でした(本文は、こちらです)。

同条からは、平成14年度の選択式で、今回の空欄Aと共通する国民の「生活」水準が出題されています(こちら)。

また、この第4条とほぼパラレルな規定が、厚年法第2条の2(厚年法のパスワード)にもありこの厚年法の場合は、「賃金」の変動も考慮することが明示されている点に注意が必要でした(同規定については、厚年法の【過去問 平成30年問7B(こちら)】において、「年金たる保険給付の額」が狙われました)。

これらの規定は、選択式対策としてマークしておくべきものであり、事前に準備していれば、難しいわけではありませんでした。

 

なお、空欄のBについては、選択式の⑫「所要」も気になりますが、「所要の措置」は、財政の均衡について定めた次の第4条の2厚年法第2条の3もパラレル)で登場します。

 

【条文】

第4条の2(財政の均衡)

国民年金事業財政は、長期的にその均衡が保たれたものでなければならず、著しくその均衡を失する見込まれる場合には、速やかに所要の措置が講ぜられなければならない。

 

 

財政のバランスが崩れそうな場合は、速やかに立法措置も含めた適切な対応をとらなければならず、どのような措置を講ずるかについては行政・立法部門の裁量を尊重する必要がありますから、 「所要の措置」となっています。

対して、本問の空欄Aに関する第4条の場合は、冒頭に「年金の額は」とありますから、著しい変動が生じた場合に変動後の諸事情に応ずるための措置としても、「年金額 ➡ 改定」という対応関係で捉えるのが素直です。

 

 

〔2〕問2

 

選択式の問2(こちら)は、遺族基礎年金の支給要件のうち、死亡者の要件であり(第37条)、これは空欄のCもDも正解しなければならない基本的知識です。

本文は、こちらの枠内の支給要件のまとめをご参照下さい。

 

 

〔3〕問3

 

選択式の問3(こちら)は、基礎年金拠出金の納付者(拠出者)に関する問題です。

この空欄Eについては、平成17年度の選択式において、被用者年金一元化法による改正前の「年金保険者たる共済組合等」(現在の「実施機関たる共済組合等」に相当します)というキーワードが出題されていました。

この第94条の2は、事前に準備しておくべき条文であったこと(直前対策講座(こちら)でも取り上げていました)、設問中、同条第1項の「厚生年金保険の実施者たる政府」が負担する基礎年金拠出金と対比する形で空欄Eが設けられていることから、同空欄は共済組合等が負担(納付)する基礎年金拠出金であることが分かりやすかったといえます。

こちらの図によってイメージして下さい。

 

 

総評

選択式については、比較的基本的な問題であり、やりやすかったといえます。

 

今回の空欄のA、B、Eで苦労された方については、選択式を意識した学習が不足しているものと思われます。

過去の選択式のほか択一式の出題状況も把握したうえで、出題された箇所だけでなく、その周辺・関連知識は危険エリアであると認識して、それらの条文についてキーワード・数字を意識して読み込む学習が有用です(これらの作業の前提として、当該条文や制度等について一通り理解していることが必要です)。

どの条文が危ないのか、どのような知識をどのように理解したらよいのか、どのように記憶すべきなのかといったような点については、それこそ当サイトがガイドしなければならない任務です。

 

他方、択一式は、毎度のことながら、全体的に厳しい内容となっています(例年よりは、やさしい肢もあったとはいえますが)。

 

国年法では、直近の改正事項も出題されやすいのですが、今回も3肢の出題があり、また近時の改正事項からも出題されており、今後もここ数年の改正事項についてチェックしておく必要があります。

 

事例問題については、例年、基本的には、時間をかければ正答することができるという内容です(基礎的な知識を事例風にして長文化したものが多いです)。

ただし、例年、(事例問題以外の問題においても)鋭い問題・良問があります。

まずは、正確な知識を習得していく日常の学習が必要です。

そして、時間がない中で長文を読んで論点を瞬時に把握するためには、ある程度トレーニングすることも有用ではあるのでしょう。

ただし、事例問題をいくつか落としても、その他の問題で得点を稼げばよいのですから、国年法の択一式では、余り高得点を狙うのではなく、守りの姿勢で基礎を固める学習をするという策も必要なのでしょう。

 

なお、厚生労働大臣の権限に係る事務の委任について、【問7A(こちら)】のほか、【問8】の肢ア(こちら)、イ(こちら)及びウ(こちら)で出題されています。

これらはかなり細かく、正解するのは厳しいでしょう。前記リンク先の解説において、今後同様の出題があった場合のため知識を整理しておきましたが、このような問題にあまり神経は使わない方がよいでしょう(捨て問で構いません)。

 

 

以上、令和2年度の国年法の分析でした。