令和5年度 健康保険法

令和5年度の健康保険法の本試験問題のインデックスを掲載します。   

 

リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。

 

 

択一式

○【問1】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和5年問1A】

(適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用する事業所は適用事業所とされるが、事業所における従業員の員数の算定においては、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者であっても、当該事業所に常時使用されている者は含まれる。)

 

【令和5年問1B】

(厚生労働大臣は、全国健康保険協会(以下本間において「協会」という。)の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、定款若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるときは、期間を定めて、協会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。協会又はその役員が上記の是正・改善命令に違反したときは、厚生労働大臣は協会に対し、期間を定めて、理事長及び当該違反に係る役員の解任を命ずることができる。)

 

【令和5年問1C】

(協会は、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人を置く。役員の任期は3年とする。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事の互選により選ばれた者がその職務を代理し、又はその職務を行う。)

 

【令和5年問1D】

(健康保険組合の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密をその理由の如何を問わず漏らしてはならない。)

 

【令和5年問1E】

(食事の提供である療養であって入院療養と併せて行うもの(療養病床への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であって、当該療養を受ける際、65歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者に係るものを除く。)は、療養の給付に含まれる。)

 

 

○【問2】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和5年問2A】 【前年度の改正事項】

(夫婦共同扶養の場合における被扶養者の認定について、夫婦の―方が被用者保険の被保険者で、もう一方が国民健康保険の被保険者の場合には、被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。)

 

【令和5年問2B】

(高額療養費は公的医療保険による医療費だけを算定の対象にするのではなく、食事療養標準負担額、生活療養標準負担額又は保険外併用療養に係る自己負担分についても算定の対象とされている。)

 

【令和5年問2C】(厚年法のパスワード)【前々年度の改正事項】

(X事業所では、新たに在宅勤務手当を設けることとしたが、当該手当は実費弁償分であることが明確にされている部分とそれ以外の部分があるものとなった。この場合には、当該実費弁償分については「報酬等」に合める必要はなく、それ以外の部分は「報酬等」に含まれる。また、当該手当について、月々の実費弁償分の算定に伴い実費弁償分以外の部分の金額に変動があったとしても、固定的賃金の変動に該当しないことから、随時改定の対象にはならない。)

 

【令和5年問2D】

(日雇特例被保険者の被扶養者が出産したときは、日雇特例被保険者に対し、家族出産育児一時金が支給されるが、日雇特例被保険者が家族出産育児一時金の支給を受けるには、出産の日の属する月の前2か月間に通算して26日分以上又は当該月の前6か月間に通算して78日分以上の保険料が、その日雇特例被保険者について、納付されていなければならない。)

 

【令和5年問2E】 【前年度の改正事項】

(特例退職被験者が、特例退職被保険者でなくなることを希望する旨を、厚生労働省令で定めるところにより、特定健康保険組合に申し出た場合において、その申出が受理された日の属する月の末日が到来したときは、その日の翌日からその資格を喪失する。)

 

 

○【問3】= 健康保険法に関する諸問題:【個数問題】

 

▶健康保険法に関する次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

 

【令和5年問3ア】(厚年法のパスワード)

(産前産後休業終了時改定の規定によって改定された標準報酬月額は、産前産後休業終了日の翌日から起算して2か月を経過した日の属する月の翌月からその年の8月までの各月の標準報酬額とされる。当該翌月が7月から12月までのいずれかの月である場合は、翌年8月までの各月の標準報酬月額とする。なお、当該期間中に、随時改定、育児休業等を終了した際の標準報酬月額の改定又は産前産後休業を終了した際の標準報酬月額の改定を受けないものとする。)

 

【令和5年問3イ】

(保険者は、保険医療機関又は保険薬局から療養の給付に関する費用の請求があったときは、その費用の請求に関する審査及び支払に関する事務を社会保険診療報酬支払基金又は健康保険組合連合会に委託することができる。)

 

【令和5年問3ウ】

(任意継続被保険者は、将来の一定期間の保険料を前納することができるが、前納された保険料については、前納に係る期間の各月の初日が到来したときに、それぞれその月の保険料が納付されたものとみなす。)

 

【令和5年問3エ】

(71歳で市町村民税非課税者である被保険者甲が、同一の月にA病院で受けた外来療養による一部負担金の額が8,000円を超える場合、その超える額が高額療養費として支給される。)

 

【令和5年問3オ】

(療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、家族療養費若しくは家族訪間看護療養費の支給を受けた被保険者又は被保険者であった者(日雇特例被保険者又は日雇特例被保険者であった者を含む。)が、厚生労働大臣に報告を命ぜられ、正当な理由がなくてこれに従わず、又は行政庁職員の質問に対して、正当な理由がなくて答弁せず、若しくは虚偽の答弁をしたときは、30万円以下の罰金に処せられる。)

 

 

A 一つ

B 二つ

C 三つ

D 四つ

E 五つ

 

 

 

○【問4】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和5年問4A】

(厚生労働大臣は、人院時生活療養費に係る生活療養の費用の額の算定に関する基準を定めようとするときは、社会保障審議会に諮問するものとする。)

 

【令和5年問4B】

(傷病手当金の継続給付を受けている者(傷病手当金を受けることができる日雇特例被保険者又は日雇特例被保険者であった者を含む。)に、老齢基礎年金や老齢厚生年金等が支給されるようになったときは、傷病手当金は打ち切られる。)

 

【令和5年問4C】

(健康保険組合は、毎事業年度末において、当該事業年度及びその直前の2事業年度内において行った保険給付に要した費用の額(被保険者又はその被扶養者が健康保険法第63条第3項第3号に掲げる健康保険組合が開設した病院若しくは診療所又は薬局から受けた療養に係る保険給付に要した費用の額を除く。)の1事業年度当たりの平均額の12分の3(当分の間12分の2)に相当する額と当該事業年度及びその直前の2事業年度内において行った前期高齢者納付金等、後期高齢者支援金等及び日雇拠出金並びに介護納付金の納付に要した費用の額(前期高齢者交付金がある場合には、これを控除した額)の1事業年度当たりの平均額の12分の2に相当する額とを合算した額に達するまでは、当該事業年度の剰余金の額を準備金として積み立てなければならない。)

 

【令和5年問4D】

(保険料の納付義務者が、国税、地方税その他の公課の滞納により、滞納処分を受けるときは、保険者は、保険料の納期が到来したときに初めて強制的に保険料を徴収することができる。)

 

【令和5年問4E】  【直近の改正事項

(令和5年4月1日以降、被保険者の被扶養者が産科医療補償制度に加入する医療機関等で医学的管理の下、妊娠週数22週以降に双子を出産した場合、家族出産育児一時金として、被保険者に対し100万円が支給される。)

 

 

○【問5】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和5年問5A】

(健康保険の被保険者が、労働協約又は就業規則により雇用関係は存続するが会社より賃金の支給を停止された場合、例えば病気休職であって実務に服する見込みがあるときは、賃金の支払停止は一時的なものであり使用関係は存続するものとみられるため、被保険者資格は喪失しない。)

 

【令和5年問5B】

(訪問看護療養費は、厚生労働省令で定めるところにより、保険者が必要と認める場合に限り、支給するものとされている。指定訪問看護を受けられる者の基準は、疾病又は負傷により、居宅において継続して療養を受ける状態にある者であって、主治医が訪問看護の必要性について、被保険者の病状が安定し、又はこれに準ずる状態にあり、かつ、居宅において看護師等が行う療養上の世話及び必要な診療の補助を要する状態に適合すると認めた者である。なお、看護師等とは、看護師、保健師、助産師、准看護師、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士をいう。)

 

【令和5年問5C】

(高額療養費の支給は、償還払いを原則としており、被保険者からの請求に基づき支給する。この場合において、保険者は、診療報酬請求明細書(家族療養費が療養費払いである場合は当該家族療養費の支給申請書に添付される証拠書類)に基づいて高額療養費を支給するものであり、法令上、請求書に証拠書類を添付することが義務づけられている。)

 

【令和5年問5D】 【前年度の改正事項】

(任意継続被保険者が任意の資格喪失の申出をしたが、申出のあった日が保険料納付期日の10日より前であり、当該月の保険料をまだ納付していなかった場合、健康保険法第38条第3号の規定に基づき、当該月の保険料の納付期日の翌日から資格を喪失する。)

 

【令和5年問5E】

(健康保険法第172条によると、保険料は、納付義務者が破産手続開始の決定を受けたときは、納期前であっても、すべて徴収することができる。)

 

 

 

○【問6】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和5年問6A】

(別居している兄弟が共に被保険者であり、その父は弟と同居しているが、兄弟が共に父を等分の扶養により生計を維持している場合、父が死亡したときの家族埋葬料は、兄弟の両方に支給される。)

 

【令和5年問6B】

(療養の給付に係る事由又は入院時食事療養費、入院時生活療養費若しくは保険外併用療養費の支給に係る事由が第三者の行為によって生じたものであるときは、被保険者は、30日以内に、届出に係る事実並びに第三者の氏名及び住所又は居所(氏名又は住所若しくは居所が明らかでないときは、その旨)及び被害の状況を記載した届書を保険者に提出しなければならない。)

 

【令和5年問6C】

(被保険者に係る療養の給付又は入院時食事療養費、入院時生活療養費、保険外併用療養費、療養費、訪問看護療養費、移送費、家族療養費、家族訪問看護療養費若しくは家族移送費の支給は、同一の疾病又は負傷について、他の法令の規定により国又は地方公共団体の負担で療養又は療養費の支給を受けたときは、その限度において、行わない。)

 

【令和5年問6D】

(被保険者又は被保険者であった者が、少年院その他これに準ずる施設に収容されたとき又は刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されたときのいずれかに該当する場合には、疾病、負傷又は出産につき、その期間に係る保険給付(傷病手当金及び出産手当金の支給にあっては、厚生労働省令で定める場合に限る。)は行わないが、その被扶養者に係る保険給付も同様に行わない。)

 

【令和5年問6E】 

(厚生労働大臣は、指定訪問看護事業を行う者の指定の申請があった場合において、申請者が、社会保険料について、当該申請をした日の前日までに、社会保険各法又は地方税法の規定に基づく滞納処分を受け、かつ、当該処分を受けた日から正当な理由なく3か月以上の期間にわたり、当該処分を受けた日以降に納期限の到来した社会保険料又は地方税法に基づく税を一部でも引き続き滞納している者であるときは、その指定をしてはならない。)

 

 

○【問7】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

 

【令和5年問7A】

(現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。)

 

【令和5年問7B】

(健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならず、当該報告書は健康保険組合の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。)

 

【令和5年問7C】

(単に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。)

 

【令和5年問7D】

(一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者は、派遣就業に係る1つの雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれる場合であっても、前回の雇用契約を終了した日の翌日に被保険者資格を喪失する。)

 

【令和5年問7E】 【直近の改正事項

(適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。)

 

 

○【問8】= 健康保険法に関する諸問題:

 

▶健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和5年問8A】 【直近の改正事項

(令和4年10月1日より、弁護士、公認会計士その他政令で定める者が法令の規定に基づき行うこととされている法律又は会計に係る業務を行う事業に該当する個人事業所のうち、常時5人以上の従業員を雇用している事業所は、健康保険の適用事業所となったが、外国法事務弁護士はこの適用の対象となる事業に含まれない。)

 

【令和5年問8B】

(強制適用事業所が、健康保険法第3条第3項各号に定める強制適用事業所の要件に該当しなくなった場合において、当該事業所の被保険者の2分の1以上が任意適用事業所となることを希望したときは、当該事業所の事業主は改めて厚生労働大臣に任意適用の認可を申請しなければならない。)

 

【令和5年問8C】

(事業所の休業にかかわらず、事業主が休業手当を健康保険の被保険者に支給する場合、当該被保険者の健康保険の被保険者資格は喪失する。)

 

【令和5年問8D】

(被保険者等からの暴力を受けた被扶養者の取扱いについて、当該被害者が被扶養者から外れるまでの間の受診については、加害者である被保険者を健康保険法第57条に規定する第三者と解することにより、当該被害者は保険診療による受診が可能であると取り扱う。)

 

【令和5年問8E】

(保険料の免除期間について、育児体業等の期間と産前産後体業の期間が重複する場合は、産前産後体業期間中の保険料免除が優先されることから、育児休業等から引き続いて産前産後休業を取得した場合は、産前産後体業を開始した日の前日が育児体業等の終了日となる。この場合において、育児休業等の終了時の届出が必要である。)

 

 

○【問9】= 健康保険法に関する諸問題:【組み合わせ問題】

 

▶健康保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。

 

【令和5年問9ア】

(被保険者甲の産前産後休業開始日が令和4年12月10日で、産前産後体業終了日が令和5年3月8日の場合は、令和4年12月から令和5年2月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。)

 

【令和5年問9イ】 【直近の改正事項

(被保険者乙の育児休業等開始日が令和5年1月10日で、育児休業等終了日が令和5年3月31日の場合は、令和5年1月から令和5年3月までの期間中の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。)

 

【令和5年問9ウ】 【直近の改正事項

(被保険者丙の育児休業等開始日が令和5年1月4日で、育児体業等終了日が令和5年1月16日の場合は、令和5年1月の当該被保険者に関する保険料は徴収されない。)

 

【令和5年問9エ】

(入院時食事療養費の額は、当該食事療養につき食事療養に要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定める基準により算定した費用の額(その額が現に当該食事療養に要した費用の額を超えるときは、当該現に食事療養に要した費用の額)とする。)

 

【令和5年問9オ】

(特定長期入院被保険者(療養病床に入院する65歳以上の被保険者)が、厚生労働省令で定めるところにより、保険医療機関等である病院又は診療所のうち自己の選定するものから、電子資格確認等により、被保険者であることの確認を受け、療養の給付と併せて受けた生活療養に要した費用について、入院時食事療養費を支給する。)

 

 

○【問10】= 傷病手当金に関する諸問題:

 

▶傷病手当金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

 

【令和5年問10A】

(被保険者(任意継続被保険者を除く。)が業務外の疾病により労務に服することができないときは、その労務に服することができなくなった日から起算して4日を経過した日から労務に服することができない期間、傷病手当金を支給する。)

 

【令和5年問10B】

(傷病手当金の待期期間について、疾病又は負傷につき最初に療養のため労務不能となった場合のみ待期が適用され、その後労務に服し同じ疾病又は負傷につき再度労務不能になった場合は、待期の適用がない。)

 

【令和5年問10C】

(傷病手当金を受ける権利の消滅時効は2年であるが、その起算日は労務不能であった日ごとにその当日である。)

 

【令和5年問10D】

(令和5年4月1日に被保険者の資格を喪失した甲は、資格喪失日の前日まで引き続き1年以上の被保険者(任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者ではないものとする。)期間を有する者であった。甲は、令和5年3月27日から療養のため労務に服することができない状態となったが、業務の引継ぎのために令和5年3月28日から令和5年3月31日までの間は出勤した。この場合、甲は退職後に被保険者として受けることができるはずであった期間、傷病手当金の継続給付を受けることができる。)

 

【令和5年問10E】

(傷病手当金の支給期間中に被保険者が死亡した場合、当該傷病手当金は当該被保険者の死亡日の前日分まで支給される。)

 

 

 

 

選択式

次の文中の   の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 

1 健康保険法第5条第2項によると、全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち、被保険者の資格の取得及び喪失の確認、標準報酬月額及び標準賞与額の決定並びに保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く。)並びにこれらに附帯する業務は、  が行う。

 

 

2 健康保険法施行令第42条によると、高額療養費多数回該当の場合とは、療養のあった月以前の  以内に既に高額療養費が支給されている月数が3か月以上ある場合をいい、 4か月目からは一部負担金等の額が多数回該当の高額療養費算定基準額を超えたときに、その超えた分が高額療養費として支給される。70歳未満の多数回該当の高額療養費算定基準額は、標準報酬月額が83万円以上の場合、  と定められている。

また、全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者から健康保険組合の被保険者に変わる等、管掌する保険者が変わった場合、高額療養費の支給回数は  。

 

 

3 健康保険法第102条によると、被保険者(任意継続被保険者を除く。)が出産したときは、出産の日(出産の日が出産の予定日後であるときは、出産の予定日)以前42日(多胎妊娠の場合においては、  日)から出産の日後56日までの間において労務に服さなかった期間、出産手当金を支給する。

 

 

選択肢:

 

①84 ②91

③98 ④105

⑤1年6か月 ⑥2年

⑦6か月 ⑧12か月

⑨70歳以上の者は通算される ⑩44,000円

⑪93,000円 ⑫140,100円

⑬670,000円 ⑭厚生労働大臣

⑮全国健康保険協会支部 ⑯全国健康保険協会本部

⑰通算されない ⑱通算される

⑲日本年金機構 ⑳保険者の判断により通算される

 

 

 

 

選択式解答

A=⑭「厚生労働大臣」(第5条第2項

 

B=⑧「12か月」(施行令第42条第1項各号ただし書(70歳未満の者)、同条第3項第1号ただし書~第4号ただし書(70歳以上の者)等)

 

C=⑫「140,100円」(施行令第42条第1項第2号ただし書

 

D=⑰「通算されない」(【平成19.3.7保保発第0307007号】)

 

E=③「98」(第102条第1項かっこ書

 

 

 

選択式の論点とリンク先

〔1〕問1

 

選択式の問1(空欄のA。こちら)は、全国健康保険協会が管掌する健康保険の事業に関する業務のうち厚生労働大臣が行うものを問うものです(第5条第2項。即ち、協会管掌健保の業務について保険者である協会が行わないという例外的な場合の問題です)。

 

問1に掲げられた業務(①被保険者の資格の取得及び喪失の確認、②標準報酬月額及び標準賞与額の決定、③保険料の徴収(任意継続被保険者に係るものを除く)、④これらに附帯する業務)は、適用及び徴収に関する業務であり、厚生年金保険と基本的に共通する部分が多い業務であることから、厚生労働大臣により健康保険と厚生年金保険における共通・関連業務を一体的に処理することによって、業務の合理化を図ろうとした趣旨です(なお、実際は、この厚生労働大臣の権限は、日本年金機構に委任又は委託されています)。

 

択一式の 【平成22年問1Aこちら】や【平成29年問1Cこちら】でも出題されている論点であり、正答することが必要です。

本文は、こちらであり、ゴロでも押さえています。

 

 

 

〔2〕問2

 

選択式の問2(空欄のB~D。こちら)は、高額療養費多数回該当に関する諸問題です。

 

空欄のB(こちら)は、高額療養費多数回該当の場合の要件であり、基本的な知識です。

即ち、高額療養費の多数回該当とは、同一の世帯において、療養のあった月以前の12月以内に既に高額療養費が支給されている月数が3月以上ある場合に、4回目から高額療養費算定基準額が引き下げられ、当該世帯の負担が軽減される制度です(施行令第42条第1項各号ただし書(70歳未満の者)、同条第3項第1号ただし書~第4号ただし書(70歳以上の者)等)。 

本文は、こちらです。

 

空欄のCは、標準報酬月額が83万円以上の70歳未満の多数回該当の高額療養費算定基準額を問うものです。これは覚えていませんと正答できません。

ただし、平成28年度の選択式Cで同じ金額が出題されており(こちら)、また、多数回該当については択一式でも頻出であるため、覚えている必要がありました。

こちらの図の右欄の①のケースです。

 

空欄のCは、管掌する保険者が変わった場合に、多数回該当の支給回数が通算されるかという出題であり、本文は、こちらです。

保険者は、原則として、レセプト(病院等が診療報酬等を保険者に請求する際に作成する診療報酬明細書又は調剤報酬明細書)に基づいて高額療養費を支給するところ、レセプトは保険者ごとに区分されているため、管掌する保険者が変わった場合は、多数回該当の支給回数は通算されません(要するに、保険者の事務処理の手続の負担軽減の要請です)。

 

この空欄Cについては、ひところ過去問が多かったです(【平成16年問4E(こちら)】/【平成17年問4D(こちら)】/【平成18年問6A(こちら)】)。

 

 

 

〔3〕問3

 

選択式の問3(空欄のE。こちら)は、出産手当金の支給要件のうち支給対象となる期間に関する出題です。

多胎妊娠のケースであり、労基法の産前休業等を含め頻繁に触れる知識であり、正答することが必要です。

本文は、こちらです。

 

 

 

総評

選択式は、平易な内容であり、通常の学習により4点程度は確保できそうです。

今回の選択式の中で、労災保険法(3.9点)の次に平均点が高かったです(3.4点)。

 

択一式は、個数問題である【問3(こちら)】は厳しかったですが、他は例年より平易でした。

ところどころ細かい肢もありましたが、正解肢は見つけられるという出題が多かったです。

実際、昨年度の平均点(4.3点)より上がりました(4.7点)。 

 

どの科目についても同様ですが、社労士試験の対策としては、日頃から地道に理解と記憶を積み上げていき整理するといったオーソドックスで地味な学習方法を続けていくことが必要です。試験会場で思い出せるような方法で知識を収納して下さい。

 

なお、択一式では、直近の改正事項から5肢ほど出題されています。また、前年度の改正事項や前々年度の改正事項からも数肢出題されています。

社会保険では、例年、改正事項から出題されることが多く(特に健保法では多いです)、直近の改正事項のほか、ここ数年の改正事項とその周辺については注意しておく必要があります。