令和7年度 国民年金法
令和7年度の国民年金法の本試験問題のインデックスを掲載します。
リンク先に本試験問題及びその解説を掲載しています。
択一式
○【問1】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法(裁定等)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
給付を受ける権利は、その権利を有する者の請求に基づいて、厚生労働大臣が裁定する。また、脱退一時金についての裁定の請求は、国民年金法施行規則に定める事項を記載した請求書を日本年金機構に提出することによって行わなければならない。
被保険者の資格に関する処分、給付に関する処分(共済組合等が行った障害基礎年金に係る障害の程度の診査に関する処分を除く。)又は保険料その他この法律の規定による徴収金に関する処分の取消の訴えは、当該処分についての審査請求に対する社会保険審査官の決定を経た後でなければ提起することができない。
市町村長(特別区の区長を含む。)は、国民年金法第16条に規定する給付を受ける権利の裁定(国民年金法施行令第1条の2第3号イから卜までに掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務に関して、請求書、申請書又は届書を受理したときは、必要な審査を行い、これを日本年金機構に送付しなければならない。
厚生労働大臣は、国民年金法による年金たる給付の受給権の裁定をしたときは、原則として、国民年金法施行規則第65条第2項各号に掲げる事項を記載したその年金の年金証書を作成し、これを同条第1項で規定される通知書に添えて、その受給権者に交付しなければならない。
老齢基礎年金の受給権者は、その個人番号を変更したときは、氏名、生年月日及び住所、変更前及び変更後の個人番号、個人番号の変更年月日を記載した届書を、速やかに、日本年金機構に提出しなければならない。
○【問2】= 国民年金法に関する問題:【個数問題】
▶国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
被保険者(第3号被保険者を除く。)は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。
第3号被保険者は、厚生労働省令の定めるところにより、その資格の取得及び喪失並びに種別の変更に関する事項並びに氏名及び住所の変更に関する事項を厚生労働大臣に届け出なければならない。ただし、氏名及び住所の変更に関する事項であって厚生労働省令で定めるものについては、この限りでない。
国民年金法において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。
主として第2号被保険者の収入により生計を維持することの認定は、健康保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法における被扶養者の認定の取扱いを勘案して日本年金機構が行う。
20歳未満の者又は60歳以上の者は、厚生年金保険の被保険者の資格を取得するに至った日の翌日に、国民年金第2号被保険者の資格を取得する。
A 1つ B 2つ C 3つ D 4つ E 5つ
○【問3】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金は、当該障害基礎年金の受給権者の前年の所得が政令で定める額を超えた場合に、その全部又は2分の1に相当する部分が支給停止される。
「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」によると、自開症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害等の発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるために日常生活への適応にあたつて援助が必要である障害の状態のものは、知的障害等の他の障害を併発していなくても、当該発達障害のみで障害基礎年金の認定の対象となる。
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(以下「基準傷病」という。)に係る初診日において、被保険者(被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ60歳以上65歳未満であるものを含む。)であって、基準傷病以外の傷病により障害の状態にあるものが、基準傷病に係る障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて、基準傷病による障害(以下「基準障害」という。)と他の障害とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったとき(基準傷病の初診日が、基準傷病以外の傷病(基準傷病以外の傷病が2以上ある場合は、基準傷病以外のすべての傷病)の初診日以降であるときに限る。)は、その者に基準障害と他の障害とを併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
国民年金法第30条の4の規定による障害基礎年金は、受給権者が、恩給法に基づく年金たる給付、労災保険法の規定による年金たる給付その他の年金たる給付であって政令で定めるものを受けることができるとき、刑事施設、労役場その他これらに準ずる施設に拘禁されているとき、少年院その他これに準ずる施設に収容されているとき又は日本国内に住所を有しないときは、その該当する期間、その支給を停止する。
国民年金法において、老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金には失権が規定されているが、付加年金及び寡婦年金には失権が規定されていない。
○【問4】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
国民年金の被保険者期間を計算する場合には、被保険者資格を取得した日の属する月からその資格を喪失した日の属する月までをこれに算入する。
被保険者の種別(国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者のいずれであるかの区別をいう。)に変更があった月は、変更前の種別の被保険者であった月とみなす。
震災、風水害、火災その他これらに類する災害により、被保険者あるいはその世帯主や配偶者が所有する住宅や家財その他の財産について、被害金額が、その価格のおおむね2分の1以上である損害を受けたときは、保険金や損害賠償金等により補充された金額の多寡にかかわらず、申請によって保険料の納付が全額免除される。
租税その他の公課は、給付として支給された金銭を標準として課すことができないが、老齢基礎年金及び付加年金には、所得税、住民税等の租税を課すことができる。
・【令和7年問4E】 【直近の改正事項】
令和7年1月から、保険料を2年前納する場合に、最初の4月が到来するまで1か月分ずつ割引された保険料を口座振替し、4月から2年分(24か月分)の保険料をまとめて前納する2年前納(4月開始)という方法を選択できる。
○【問5】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
年金給付を受ける権利は、その支給すべき事由が生じた日から5年を経過すると時効によって消滅するため、障害認定日において、当該障害が、障害等級に該当する程度の障害の状態にない場合で、その後に障害の程度が増進したときでも、障害基礎年金の請求は、当該障害認定日から5年を経過する前に行わなければならない。
失踪の宣告を受けたことにより死亡したとみなされた者の子に対する遺族基礎年金は、失踪の宣告を受けた日において子の年齢が18歳に達する日以後の最初の3月31日に達している場合であっても、失踪の宣告を受けた者の所在が明らかでなくなった日が、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間であれば、その日まで遡って受給できる。
夫が死亡したことにより遺族基礎年金の受給権を有する妻が、直系姻族と養子縁組したときは、妻の受給権は消滅するが、子に対する遺族基礎年金の支給停止は解除される。
遺族基礎年金の受給権を有する子が2人以上ある場合において、その子のうち1人以上の子の所在が1年以上明らかでないときは、その子に対する遺族基礎年金は、他の子の申請によって、その所在が明らかでなくなった時に遡って、その支給を停止する。
失踪の宣告を受けた者に係る消滅時効の起算日は、死亡したとみなされた日の翌日であり、死亡したとみなされた日の翌日から2年を経過した後に、死亡一時金の請求権は時効によって消滅するため、死亡一時金は支給されない。
○【問6】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか
・【令和7年問6ア】 【前年度の改正事項】
老齢基礎年金の支給を受ける権利は、受給資格期間が10年以上ある者が65歳に達した日から老齢基礎年金の請求をすることなく5年を経過した時に消滅する。そのため、72歳に達した時点で、老齢基礎年金を請求し、かつ、繰下げ申出をしないときは、繰下げ増額のない老齢基礎年金の支給を受けることとなる。
保険料を滞納している者の保険料納付義務は、厚生労働大臣による督促があったとしても、 2年で消滅する。
・【令和7年問6ウ】 【前年度の改正事項】
被保険者が、国民年金保険料の前納を口座振替によって行うことを申し出る時に、還付発生の場合の振込方法として、あらかじめ振替口座への振込を申し出ておくと、改めて請求しなくても保険料の還付の請求があったものとみなされる。
老齢基礎年金の受給権を有する者であって、かつ、他の年金給付(加給年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金給付(老齢を支給事由とするものを除く。)の受給権者でない者による当該老齢基礎年金の支給繰下げの申出は、65歳に達する前に行わなければならない。
・【令和7年問6オ】 【前年度の改正事項】
繰下げ待機中の老齢基礎年金の受給権者が、年金を請求せずに70歳に達した日後に死亡した場合に、遺族が未支給年金を請求する時は、特例的な繰下げみなし増額は適用されず、年金の支給を受ける権利が時効消滅していない過去5年分に限って支給されることになる。
A(アとイ) B(アとエ) C(イとウ) D(ウとオ) E(エとオ)
○【問7】= 国民年金法(合算対象期間等)に関する問題:
▶国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記AからEまでのうちどれか。
日本の老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たさない者について、保険期間を通算する規定がある社会保障協定を締結している協定相手国の年金加入期間がある場合は、当該期間が、日本の老齢基礎年金の合算対象期間となるだけではなく、協定相手国の年金制度への納付済保険料総額が日本の老齢基礎年金の年金額の計算の基礎に含まれる。
保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が25年に満たない者(被保険者又は被保険者であった者であって、日本国内に住所を有し、かつ、60歳以上65歳未満であるものを除く。)が死亡した場合に、当該合算した期間に合算対象期間を合算した期間が25年以上になる場合には、国民年金法第37条の2に規定された遺族の範囲にある遺族は、遺族基礎年金を受けることができる。
日本国籍を有する人が、20歳から60歳までの間に、日本国内に住所を有さずに海外に在住した期間のうち、昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間は、国民年金の任意加入被保険者でなくても、老齢基礎年金の受給資格期間を計算する場合の合算対象期間になる。
昭和36年5月1日以後で、20歳に達した日の翌日から65歳に達した日の前日までの間に日本国籍を取得した者が、日本国内に住所を有さずに海外に在住した期間のうち、昭和36年4月1日から日本国籍を取得した日の前日までの0歳以上60歳未満の期間で、外国籍であったために国民年金の被保険者にならなかった期間は、老齢基礎年金の受給資格期間を計算する場合の合算対象期間にならない。
昭和61年4月1日以後の第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間及び60歳以上の期間は合算対象期間となる。
A(アとウ) B(アとエ) C(イとエ) D(イとオ) E(ウとオ)
○【問8】= 国民年金法に関する問題:【個数問題】
▶国民年金法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
厚生労働大臣は、政令で定める場合における保険料その他国民年金法による徴収金の収納を、政令で定めるところにより、日本年金機構に行わせることができるが、年金給付の過誤払による返還金の収納は、日本年金機構に行わせることができない。
厚生労働大臣及び日本年金機構は、国民年金事業が、適正かつ円滑に行われるよう、必要な情報交換を行うことその他相互の密接な連携を確保しなければならないとされており、また、厚生労働大臣は、日本年金機構の協力の下、国民年金事業に関する事務に従事する厚生労働省の職員に対し、当該事務を適正かつ円滑に行うために必要な知識及び技能を習得させ、向上させるために必要な研修を行うものとされている。
政府は、国民年金事業の実施に必要な事務を円滑に処理し、被保険者等の利便の向上に資するため、電子情報処理組織の運用を行うが、その運用の一部のみ日本年金機構に行わせることができる。
厚生労働大臣は、国民年金法第1条の目的を達成するため、被保険者若しくは被保険者であった者又は受給権者に係る保険料の納付に関する実態その他の厚生労働省令で定める事項に関し、必要な統計調査を行うものとする。
厚生労働大臣は、国民年金原簿の訂正請求に係る国民年金原簿の訂正に関する方針を定め、又は変更しようとするときは、あらかじめ、社会保障審議会に諮問しなければならない。
A 1つ B 2つ C 3つ D 4つ E 5つ
○【問9】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
国民年金法附則第5条に基づく任意加入被保険者については、厚生労働大臣に任意加入の申出をした日に資格を取得することになっているが、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者の場合は、最長60歳まで遡って任意加入被保険者の資格を取得することができる。
国民年金法第5条第1項の規定する保険料納付済期間には、保険料を納付することを要しないとされた第1号被保険者の産前産後期間は含まれるが、滞納処分により徴収された保険料に係る第1号被保険者としての被保険者期間は含まれない。
昭和35年4月4日生まれの者の年金加入歴が下記のとおりであるとき、この者が65歳から老齢基礎年金を受給する場合の年金額を算出する際に算人される月数の合計は444月となる。
第1号被保険者期間 132月(保険料納付済月数108月、保険料未納月数24月)
第2号被保険者期間 12月(すべて20歳以上60歳未満の期間)
第3号被保険者期間 336月
老齢基礎年金の受給権は、受給権者が死亡したときは消滅することになっているが、受給権者が日本国内に住所を有しなくなった場合においてもそのことを理由として消滅することになっている。
国民年金基金が支給する一時金については、給付として支給を受けた金銭を標準として、租税その他の公課を課することはできない。
○【問10】= 国民年金法に関する問題:
▶国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
60歳以上の妻が支給の対象となる寡婦年金は、夫が死亡した日の属する月の翌月からその支給が始まるが、60歳未満の妻が支給の対象となる寡婦年金については、妻が60歳に達した日の属する月からその支給が始まる。
障害基礎年金の受給権者が、厚生年令保険法第47条第2項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態にない場合は、65歳に達したときに当該障害基礎年金の受給権は消滅する。ただし、65歳に達した日において、同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなった日から起算して同項に規定する障害等級に該当する程度の障害の状態に該当することなく5年を経過していないときは除かれる。
厚生労働大臣は、障害基礎年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、障害基礎年金の額を改定することができるが、改定後の額による障害基礎年金の支給は、改定が行われた日の属する月から始められる。
配偶者に支給する遺族基礎年金については、子が2人以上ある場合であって、その子のうち1人を除いた子の1人又は2人以上が、障害等級(1級・2級)に該当する障害の状態にあるときを除いて、18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに年金額が減額改定される。また、障害等級(1級・2級)に該当する障害の状態にある子の場合は、20歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したときに年金額が減額改定される。
国民年金法第96条第4項及び第5項の規定による滞納処分によって受け入れた金額を保険料に充当する場合においては、さきに経過した月の保険料から順次これに充当し、1か月の保険料の額に満たない端数は、納付義務者に交付するものとされている。
選択式
次の文中の の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。
1 国民年金の保険料は、 A の年金制度改正により、 A 度水準で、毎年度280円ずつ段階的に引き上げてきたが、平成29年度に上限の B に達したため、引き上げを完了した。その上で、令和元年度から、 C の財源とする目的で、保険料を100円引き上げている。ただし、毎年度の実際の保険料額は、国民年金法第87条第3項の規定により、この額に保険料改定率を乗じて算出するため、変動する。
2 学生納付特例に係る所得要件について、扶養親族等があるときは D 万円に当該扶養親族等(特定年齢扶養親族にあっては、控除対象扶養親族に限る。)1人につき E 万円(当該扶養親族等が所得税法に規定する同一生計配偶者又は老人扶養親族であるときは当該同一生計配偶者又は老人扶養親族1人につき48万円とし、当該扶養親族等が特定扶養親族等であるときは当該特定扶養親族等1人につき63万円とする。)を加算した額以下とする。
選択肢:
①32 ②35 ③36 ④38
⑤103 ⑥106 ⑦128 ⑧168
⑨13,300円 ⑩16,800円 ⑪16,900円 ⑫17,000円
⑬遺族基礎年金の父子家庭への支給
⑭産前産後期間の保険料免除制度
⑮年金額の特例水準の解消 ⑯年金生活者支援給付金
⑰平成6年 ⑱平成12年 ⑲平成16年 ⑳平成24年
選択式解答
選択式の論点とリンク先
問1は、初学者の方にとっては少し厳しいですが、全体としては、基準点をクリアすることは可能な内容といえます。
〔1〕問1(空欄のA~C)
問1は、保険料額であり、その沿革・歴史的事項に関する出題であったため、最近の受験者の方にとっては難しかったと思います。逆に、我々のように古い人間には、簡単な問題でした。
保険料の基本額は、当サイトのこちらのように、平成17年度(平成16年〔=空欄のA)の年金制度の大改正によります)から、毎年度(4月分から)、280円ずつ(平成29年度のみは240円)引き上げられ、最終的には、平成29年度において16,900円〔=空欄のB〕となって固定されました(保険料水準固定方式)。
さらに、「産前産後期間の保険料免除制度」〔=空欄のC)の費用を賄うため、平成31年4月1日からは、基本額は、100円引き上げられ、17,000円となりました。
空欄のBは、やや難しいように見えますが、現在の基本額である17,000円は記憶しておく必要があり、「保険料を100円引き上げている」のですから、「17,000円ー100円=16900円」が空欄Bであると判明します。
以上は、こちらの表も参考です。一応、こちらにゴロ合わせもあります。
〔2〕問2(空欄のD及びE)
問2は、学生納付特例における所得の要件についてです。
令和3年の改正後、いつ出題されてもおかしくない論点でしたが、ついに出ました。当サイトでも、「今後、非常に出題の可能性が高い」と記載していました。
当サイトのこちらの表((5)の箇所)を参考です。
空欄のDとEに逆の数字を入れないことに注意です。
総評
選択式については、問1は、保険料額の引き上げの歴史的沿革がテーマとなっており、沿革を学習してないと難しいことになります。
ただ、空欄のBは正答可能ですし、Cも一般常識的に知っておく必要がある知識でした。
問2の学生納付特例に係る所得の要件についても、学習しておかなければならない知識でした。
選択式は、全体としては、基準点をクリアすることが可能です。
択一式については、以下のように、所々微妙な設問はありますが、極端に難しい設問はなく、きちんと学習していれば高得点が可能な内容です。
【問1】(こちら)は、正解肢であるB(こちら)の「保険料等について不服申立て前置主義が適用されるのか」を記憶していたかがポイントです。これが不明確な場合は、肢のA及びCが細かいため、本問の正答が困難になりかねません。
肢のA(こちら)は、脱退一時金の裁定請求先に関する出題です。厳密には条文操作が細かいのですが、結論を押さえておきます。
B(こちら)は、保険料等に関する不服申立て前置主義の有無に関する出題です。正答したいところです。
C(こちら)は、肢のAとともに難しいですが、厚生労働大臣が裁定権者である以上、市町村長が裁定請求書を受理して審査した場合であっても、最終的には当該裁定請求書を機構(厚生労働大臣の権限に係る事務を委任)に送付するということは想像可能です。
D(こちら)は、年金証書の作成・交付に関する問題であり、割合基本的です。
E(こちら)は、受給権者が行う個人番号の変更の届出に関する問題です。割合基本的です。
【問2】(こちら)は、個々の肢は比較的易しいのですが、個数問題であり、ひとつも間違えられないという危険はあります。
肢のア(こちら)は、第1号被保険者が行う届出の届出先の問題であり、基本的知識です。
イ(こちら)は、第3号被保険者が行う届出先や届出の省略の問題であり、基本的知識です。
ウ(こちら)は、「配偶者」、「夫」及び「妻」の定義に関する問題であり、易しいです。
エ(こちら)は、第3号被保険者の生計維持要件の認定に関する問題であり、典型論点です。
オ(こちら)は、第2号被保険者の資格取得時期の問題であり、典型論点です。
【問3】(こちら)は、 Bは難しいですが、正解肢を含むその他の肢が比較的容易であり、正答したいです。
肢のA(こちら)は、20歳前傷病による障害基礎年金の受給権者の前年所得による支給停止の問題であり、過去問も頻出の基本的な知識が問われています。
B(こちら)は、障害基礎年金の「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」に関する発達障害についての出題です。
本肢は難しいのですが、問3は、正解肢を容易に見つけることが可能であったため、結果的には、本肢を知らなくても処理できました。
C(こちら)は、基準障害による障害基礎年金の支給要件に関する出題であり、長文ですが、基本的な問題です。
D(こちら)は、20歳前傷病による障害基礎年金の支給停止事由に関する出題であり、基本的な問題です。
E(こちら)は、給付の失権事由の有無に関する出題です。基本的な知識です。
【問4】(こちら)は、正解肢がわかりやすく、その他の肢も、E以外は平易であるため、正答したいです。
肢のA(こちら。被保険者期間の計算)及びB(こちら。種別の変更があった月の被保険者期間の計算)は、条文ベースの基本的知識を問うものです。
C(こちら)は、申請全額免除(広義の申請免除)の要件における震災等の災害による所有住宅等の損害に関する出題です。知識がなくても、よく考えると正答可能な内容です。
D(こちら)は、公課禁止に関する出題であり、易しいです。
E(こちら)は、2年前納に関する直近の改正事項です。
【問5】(こちら)は、微妙な肢が多いのですが、正解肢がわかりやすく、正答できます。
肢のA(こちら)は、事後重症の障害基礎年金に係る請求の期限に関する出題です。やや微妙です。
B(こちら)は、失踪宣告の場合の特例(第18条の4)に関する出題であり、これもやや微妙です。
C(こちら)は、養子縁組による遺族基礎年金の失権に関する基本的な問題です。
D(こちら)は、受給権者である複数の子の一部が1年以上所在不明の場合の遺族基礎年金の支給停止の問題であり、基礎的知識が問われています。
E(こちら)は、失踪宣告を受けた者に係る死亡一時金の請求権の消滅時効の起算日に関する出題であり、少し難しいです。ただし、類問は、【平成30年問2A(こちら)】で出題されていました。
【問6】(こちら)は、 肢のウ(こちら)やオ(こちら)が難しく、消去法的に検討することとなります。
肢のア(こちら)とオ(こちら)が5年前繰下げみなし増額の制度であり、ウ(こちら)が還付希望の申出がある場合の還付請求の擬制の制度の問題であり、いずれも前年度の改正事項が問われました。
肢のア(こちら)は、5年前繰下げみなし増額の制度の問題であり、比較的基本的な内容です。
イ(こちら)は、保険料等の督促と消滅時効の更新との問題です。基本的な内容です。
ウ(こちら)は、令和6年1月1日施行の施行令の改正により新設された還付希望の申出がある場合の還付請求の擬制の制度に関する出題です。
エ(こちら)は、老齢基礎年金の支給繰下げの要件に関する基本的な知識です。
オ(こちら)は、5年前繰下げみなし増額の制度と未支給給付に関する問題であり、通達から出題されました。通達を知らないと、考えることになり厄介です。
【問7】(こちら)は、海外在留邦人や外国人に係る合算対象期間を覚えていたかがポイントです。覚えていないと、正答が難しくなります。
肢のア(こちら)は、社会保障協定に関する基礎知識ではあるのですが、あまり深入りしない箇所であり、微妙です。
イ(こちら)は、長期要件に係る遺族基礎年金について、25年以上の受給資格期間に合算対象期間も含まれるかの出題です。内容自体は、基本的なものです。
ウ(こちら)は、海外在留邦人に係る合算対象期間の問題です。あまり出題がなかった箇所です。
エ(こちら)は、外国人であった期間に係る合算対象期間の問題です。基本的知識なのですが、数字関係が覚えにくいのが難点です。
オ(こちら)は、第2号被保険者としての被保険者期間のうち20歳未満の期間及び60歳以上の期間が合算対象期間に当たるかの問題であり、典型論点であり容易です。
【問8】(こちら)は、 個数問題であり、かつ、各肢がマイナーな箇所からの出題であるため、正答は厳しいです。
肢のア(こちら)は、機構が行う収納に関する出題ですが、個数問題として出題されると厳しいです。
イ(こちら)は、厚生労働大臣と機構の密接な連携(第109条の13)及び研修(第109条の14)からの出題です。
この2条は、平成28年12月26日施行の改正(持続可能性向上法)により新設されたもので、今回、初めての出題となりました。
初見問題のため、正誤の判断が難しいことに加え、個数問題として出題されていることから、厳しかったです。
ウ(こちら)は、国民年金事業の円滑な実施を図るための措置(第74条第2項、第3項)からの出題であり、類問が【令和元年問7A(こちら)】で出題されていますが、今回は個数問題であり、厳しかったです。
エ(こちら)は、統計調査からの出題です。
統計調査については、【令和2年問8エ(こちら)】以来、2回目の出題でした。
本問は、個数問題であったため、厳しいです。
オ(こちら)は、訂正請求に係る国民年金原簿の訂正に関する方針を定め、又は変更しようとするときに社会保障審議会に諮問しなければならない旨の出題です。
類問が【令和2年問8オ(こちら)】で出題されていましたが、本問は個数問題であり、正答は厳しかったです。
【問9】(こちら)は、肢のA(こちら)、B(こちら)及びD(こちら)が易しく、C(こちら)とE(こちら)の2者択一という形になりそうです。そこで、Eについての知識がない場合は、Cの事例問題を解かなければならないという嫌な作問になっています。
肢のA(こちら)は、 本来の任意加入被保険者の資格の取得時期に関する出題であり、平易です。
B(こちら)は、第1号被保険者に係る保険料納付済期間の意義に関する出題であり、平易です。
C(こちら)は、老齢基礎年金の年金額の計算に関する事例問題です。難しくはないのですが、残り時間が少なくなっている可能性があります。
D(こちら)は、老齢基礎年金の失権事由に関する出題であり、容易です。
E(こちら)は、国民年金基金が支給する一時金について公課禁止が適用されるかという問題です。平成27年度の択一式で出題されていますが(【平成27年問4E(こちら)】)、やや微妙です。
【問10】(こちら)は、正解肢はやや難しい内容ですが、その他の肢が平易であるため、消去法により正答できます。
肢のA(こちら)は、寡婦年金の支給の開始時期に関する出題です。過去問頻出の典型論点であるため、正解することが必要です。
B(こちら)は、障害基礎年金の障害等級3級に不該当による失権の問題であり、こちらも過去問頻出の典型論点です。
C(こちら)は、厚生労働大臣の診査による年金額の改定に係る年金の支給開始時期に関する問題ですが、これも典型論点です。
D(こちら)は、配偶者が支給を受ける遺族基礎年金の減額改定事由(配偶者に係る減額改定事由)のうち、子に関する配偶者の減額改定事由が論点となっています。難しくはありません。
E(こちら)は、厚生労働大臣による滞納処分の市町村への委任に基づく市町村の処分に係る保険料の充当の問題です。あまり見慣れない問題ですが、【平成28年問1ウ(こちら)】で問われています。
国民年金法は、ひところのように、択一式の後半で長文の事例問題がいくつも出題されるようなことはなくなってきています。
厚年法も同様ですが、まずは基本的事項を理解して支給要件等を思い出せるようにして土台を作り、そのうえで事例問題について多少訓練をしておかれるとよろしいです。
選択式対策として、法本則(及びいくつかの附則)の重要条文については熟読し、数字とキーワードを押さえる必要があります。
特別な学習方法があるわけではなく、地道な学習を淡々と行うことが最も合格への最短距離であるということになります。
講義 社労士合格ゼミナール