平成30年度版

 

第1章 保険者

ここでは、保険者や事務の実施等に関する問題を見ていきます。

 

 

第1節 保険者

◆国民年金事業は、政府が管掌します(第3条第1項)。

 

○趣旨

国民年金事業は政府が管掌し、従って、国民年金の保険者は政府となります。

 

 

第2節 共済組合等による事務の一部の実施

国民年金事業事務の一部は、政令〔=施行令第1条〕の定めるところにより、法律によって組織された共済組合(以下、「共済組合」といいます)、国家公務員共済組合連合会全国市町村職員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団(以下、「共済組合等」といいます)に行わせることができます(第3条第2項)。 

 

○趣旨

基礎年金制度(昭和60年改正による新法における国民年金制度)の下では、被用者年金制度(厚生年金保険制度)の被保険者も、原則として国民年金の被保険者(第2号被保険者)となり、基礎年金が支給されます。

そこで、基礎年金とその上乗せ給付である厚生年金保険の保険給付における裁定事務等の合理化を図るため、共済組合等に係る国民年金事業の事務の一部を当該共済組合等に行わせることができるとしたものです。

 

共済組合等が行う事務とは、大まかには、「第2号から第4号まで1つの厚生年金被保険者期間のみを有する者に係る老齢基礎年金、又はこの者の死亡に係る遺族基礎年金裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務、並びに共済組合の組合員等であった期間に初診日がある傷病に係る障害基礎年金裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務等」であると押さえておきます(施行令第1条第1項参考)。

 

例えば、「第2号から第4号までの1つの厚生年金被保険者期間のみを有する者に係る老齢基礎年金」に係る裁定請求については、本来は、後に学習しますように、市町村に裁定請求書を提出し、また、2階部分(報酬比例部分)である老齢厚生年金(一元化法による改正前は、退職共済年金)については共済組合等に裁定請求書を提出することになります。

しかし、これでは市町村と共済組合等とで実質的には重複する手続が行われることになるため、事務処理の円滑化及び受給権者の便宜を考慮して、「第2号から第4号までの1つの厚生年金被保険者期間のみを有する者」については、共済組合等が両年金の裁定請求の受理等の事務を行うとしたものです。

 

その他詳しくは、のちに【詳細1】「共済組合等が行う事務」(こちら)の個所で学習します(ボリュームがあるため、いったん、次の事項に進み、全体像を把握しやすいようにします)。

また、共済組合等の内容については、すぐ次に見ます。

 

 

【過去問 平成19年問5A】

設問:

国民年金事業の事務の一部は、政令の定めるところにより、法律によって組織された共済組合、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団にのみ行わせることができる。

 

解答:

全国市町村職員共済組合連合会にも行わせることができます(第3条第2項)。よって、設問は誤りです。

 

なお、日本年金機構にも国民年金事業の事務の一部を行わせることができます(第109条の10第1項。のちにこちらで学習します)。

 

 

 

第3節 市町村長による事務の一部の実施

国民年金事業の事務一部は、政令〔=施行令第1条の2〕の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含みます。以下同じです)が行うこととすることができます(第3条第3項)。

 

○趣旨

国民に身近な市町村の窓口等で届出等を行えるようにして国民の利便性を確保するため、国民年金事業の事務の一部(届出等の受理や届出等に係る審査など)を市町村長が行えるとした趣旨です。

 

市町村長が行う事務とは、大まかには、「第1号被保険者(及び任意加入被保険者)の各種届出等受理及び各種届出等に係る事実についての審査等の事務」です。

詳しくは、のちに【詳細2】「 市町村長が行う事務」(こちら)で見ます。

  

 

【条文】

※ 次の第3条の第2項と第3項の太字部分は、以下のゴロ合わせ等も参考にして、全部記憶して下さい。

 

第3条(管掌)

1.国民年金事業は、政府が、管掌する。

 

2.国民年金事業の事務一部は、政令〔=施行令第1条〕の定めるところにより、法律によつて組織された共済組合(以下単に「共済組合」という。)、国家公務員共済組合連合会全国市町村職員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は私立学校教職員共済法 (昭和28年法律第245号)の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団(以下「共済組合等」という。)に行わせることができる。

 

3.国民年金事業の事務一部は、政令〔=施行令第1条の2〕の定めるところにより、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が行うこととすることができる。

 

 

※ 上記第3条第2項の各種連合会等の名称は、覚えておく必要があります。これらの事務の一部の実施等の関係は、次の図の通りです。

「実施機関たる共済組合等」の3つをまず覚えてから、他を肉付けしていくのが効率的です。後にゴロ合わせを紹介します。

 

※ なお、上記図中では記載していませんが、滞納処分等に係る厚生労働大臣の権限の全部又は一部は、一定の場合に、財務大臣に委任できます(第109条の5)。詳細は、後にこちらで学習します。

ちなみに、本問は、厚生労働大臣の滞納処分の権限の委任に関する問題の一つであり、こちらで「滞納処分の委任」という観点から全体像を整理しています。

 

 

関連する用語の定義

ここで、これまでの本ページで登場しました用語など、用語の定義を説明します。

 

「政府及び実施機関」と「実施機関たる共済組合等」

◆「政府及び実施機関」とは、厚生年金保険の実施者たる政府及び実施機関たる共済組合等をいいます(第5条第8項)。

 

実施機関たる共済組合等」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいいます(第5条第9項)。

 

この「政府及び実施機関」と「実施機関たる共済組合等」の全体構造は、次の図の通りです。

 

(一)意義

 

◆「政府及び実施機関」(第5条第8項)とは、基礎年金拠出金納付主体のことです(第94条の2第1項、第2項)。

 

「政府」とは、厚生年金保険の実施者たる政府のこと、「実施機関」とは、実施機関たる共済組合等」(第5条第8項)のことです。

 

基礎年金拠出金とは、基礎年金の給付に要する費用(給付費)に充てるため被用者年金制度(厚生年金保険制度)から国民年金制度に拠出されるものです。

即ち、厚生年金保険の被保険者とその被扶養配偶者(国民年金の第2号被保険者と第3号被保険者)は、国民年金の保険料を直接は負担(納付)せず、これらの者についての基礎年金の給付に要する費用については、その所属する厚生年金保険制度が基礎年金拠出金として国民年金制度に拠出する拠出金から賄われる仕組みがとられています。

 

※ この基礎年金拠出金の制度によって、第2号被保険者及び第3号被保険者は、国民年金保険料納付義務は負わない仕組みが採られています(第94条の6)。

 

即ち、厚生年金保険制度(被用者年金制度)において、厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)及びその被扶養配偶者(第3号被保険者)の数に応じて基礎年金拠出金を国民年金制度(正確には、年金特別会計の「基礎年金勘定」)に拠出することとしているため、第2号被保険者及び第3号被保険者については、個別に国民年金の保険料を納付する必要はない仕組みになっているのです。

つまり、厚生年金保険の被保険者である第2号被保険者は、厚生年金保険の保険料の負担義務を負い(納付義務は事業主が負います。厚年法82条第1項、第2項(厚年法のパスワード))、この厚生年金保険の保険料(及び国庫負担)を財源として、その所属する厚生年金保険制度から、被保険者(第2号被保険者)及びその被扶養配偶者(第3号被保険者)の数に応じて国民年金制度に対して基礎年金拠出金が拠出されます。

従って、実質的には、第2号被保険者の負担する厚生年金保険の保険料には、第2号被保険者及び第3号被保険者としての国民年金の保険料の分も含まれていることになります)。

 

以上、詳細は、「費用(財政)」の個所で学習します。

基礎年金の財政の全体像については、こちらの図でイメージしますが、現段階では深入りせずに、先にお進み下さい。

 

※ なお、上記の国民年金法における「実施機関」第5条第8項第9項)は、厚生年金保険法における「実施機関」(厚年法第2条の5第1項(厚年法のパスワード)厚年法のこちら以下)とは微妙に異なります。

上記の国年法の「実施機関」の場合は、基礎年金拠出金の納付主体である共済組合等の意味で使用されているのですが、厚年法の実施機関の場合は、厚生年金保険事業の事務を行う機関の意味で使用されており、両者は異なる趣旨に基づくものだからです。

詳細は、厚年法の実施機関を学習しますと判明します。 

 

 

※【参考】一元化法による改正前後の用語の違いについて:

 

 

被用者年金一元化法の施行(平成27年10月1日)から相当期間経過しています現在では、重要性は低下しましたが、参考程度に、同法による用語の改正について触れておきます。

 

基礎年金拠出金の納付主体に関する被用者年金一元化法による改正前と改正後の用語を比較しますと、次の図の通りです(左側の図が「一元化後」、右側の図が「一元化前」です)。 

 


1 被用者年金保険者等について

 

被用者年金一元化法による改正前は、基礎年金拠出金の納付主体は「被用者年金保険者」といいました(上掲の右側の図を参考。現在の「政府及び実施機関」に相当します)。

そして、改正前は、この「被用者年金保険者」のうち、共済組合等に係るものを「年金保険者たる共済組合等」といいました。共済年金の制度においては、共済組合等が保険者であったためです。

 

しかし、被用者年金一元化法の施行に伴い、厚生年金保険制度に共済年金制度が統合され、この厚生年金保険制度の保険者は政府であり、共済組合等は保険者ではなくなりました。

 

ただ、従来の厚生年金保険の被保険者(又は被保険者であった者。換言しますと、第1号厚生年金被保険者又は被保険者であった者)に係る事務(以下、単に「第1号厚生年金被保険者に係る事務」と表現することがあります)は、基本的には、厚生年金保険の実施者たる政府(厚生労働大臣)が行い、従来の共済組合の組合員等(換言しますと、第2号から第4号までの厚生年金被保険者又は被保険者であった者)に係る事務は、基本的には、共済組合等が実施機関として行うことにより、厚生年金保険制度の事務処理の円滑化・効率化が図られています(つまり、原則として、一元化法前の事務処理の仕組みが生かされています)。

 

基礎年金拠出金の納付主体についても、従来の厚生年金保険の被保険者(及び被保険者であった者)については、政府が負担(納付)し、従来の共済組合の組合員等(又は組合員等であった者)については、共済組合等が納付します。

 

以上より、一元化前の「厚生年金保険の管掌者たる政府」(管掌者は保険者の意味合いです)は、一元化後には「厚生年金保険の実施者たる政府」に、また、一元化前の「年金保険者たる共済組合等」は、一元化後には「実施機関たる共済組合等」に表現が変わりました。

一元化前の「被用者年金保険者」も、(共済組合等は保険者でなくなったため)一元化後には、「政府及び実施機関(実施機関たる共済組合です)」に表現が変わりました。

 

もっとも、表現は変わりましたが、上掲の図からも判明しますように、基礎年金拠出金の納付主体における基本的な仕組みには違いは少ないです。

 

 

2 被用者年金各法について

 

なお、一元化法による改正前は、「被用者年金各法」という表現もありました(厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法という4つの法律を意味しました(改正前の国年法第5条第1項))。

 

しかし、一元化法による改正によって、この「被用者年金各法」という表現はなくなりました(改正前の国年法第5条第1項が削除されました)。

「被用者年金各法」という表現について、端的に「厚生年金保険法」と表現すれば足りることが多くなったためです。

 

なお、念のためですが、上記の「国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法及び私立学校教職員共済法」という法律がなくなったわけではありません。これらの3法においては、医療保険等についても規定されているのです。

ちなみに、これらの3法は、「共済各法」と表現されることがあります(例えば、国年法第101条第6項(不服申立て)、厚年法第79条の3第3項 (積立金の運用)など)。 

 

◇「実施機関たる共済組合等」は、ゴロ合わせでも利用して覚えておきます。

 

・「実施は京都だ! 国連・地連とにっしきょう

(意味は特にはありません。各定義の一部を抜いたものです)

 

→「実施(=「実施」機関たる)は、京・都(=「共」済組合「等」)だ、

 

国連(=「国」家公務員共済組合「連」合会)、地連(=「地」方公務員共済組合「連」合会)と、にっしきょう(=「日」本「私」立学校振興・「共」済事業団)」

 

 

【条文】

 

第5条を掲載しておきます。第8項と第9項のみ、お読み下さい(他の規定は、のちに見ます)。

 

なお、被用者年金一元化法による改正(平成27年10月1日施行)により、改正前の第1項(=被用者年金各法の定義規定)が削除され、改正前の第2項以下が1項ずつ繰り上がっています。また、この繰り上がった後の第8項及び第9項の文言が一部改められています(保険料納付済期間及び保険料免除期間という頻繁に引用される条文の項数が変わりましたので、条文を参照する際は注意です)。

 

第5条(用語の定義)

1.この法律において、「保険料納付済期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者〔=第1号被保険者〕としての被保険者期間のうち納付された保険料(第96条〔=滞納処分〕の規定により徴収された保険料を含み、第90条の2第1項から第3項までの規定〔=一部免除(4分の3免除、半額免除及び4分の1免除)によりその一部の額につき納付することを要しないものとされた保険料につきその残余の額が納付又は徴収されたもの〔=これは保険料免除期間になります〕を除く。以下同じ。)に係るもの、第7条第1項第2号に規定する被保険者〔=第2号被保険者〕としての被保険者期間及び同項第3号に規定する被保険者〔=第3号被保険者〕としての被保険者期間を合算した期間をいう。

 

2.この法律において、「保険料免除期間」とは、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を合算した期間をいう。

 

3.この法律において、「保険料全額免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者〔=第1号被保険者〕としての被保険者期間であつて第89条第1項 〔=法定免除〕、第90条第1項 〔=申請全額免除〕又は第90条の3第1項 〔=学生納付特例に係る保険料免除〕の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るもののうち、第94条第4項 〔=追納〕の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。

 

4.この法律において、「保険料4分の3免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者〔=第1号被保険者〕としての被保険者期間であつて第90条の2第1項の規定によりその4分の3の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の3の額以外の4分の1の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項 〔=追納〕の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。

 

5.この法律において、「保険料半額免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者〔=第1号被保険者〕としての被保険者期間であつて第90条の2第2項の規定によりその半額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた半額以外の半額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項 〔=追納〕の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。

 

6.この法律において、「保険料4分の1免除期間」とは、第7条第1項第1号に規定する被保険者〔=第1号被保険者〕としての被保険者期間であつて第90条の2第3項の規定によりその4分の1の額につき納付することを要しないものとされた保険料(納付することを要しないものとされた4分の1の額以外の4分の3の額につき納付されたものに限る。)に係るもののうち、第94条第4項 〔=追納〕の規定により納付されたものとみなされる保険料に係る被保険者期間を除いたものを合算した期間をいう。

 

7.この法律において、「配偶者」、「夫」及び「妻」には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする。

 

8.この法律において、「政府及び実施機関」とは、厚生年金保険の実施者たる政府及び実施機関たる共済組合等をいう。

 

9.この法律において、「実施機関たる共済組合等」とは、厚生年金保険の実施機関たる国家公務員共済組合連合会地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団をいう。

  

 

※ 次の第94条の2は、詳しくは「費用(財政)」の個所で学習します(平成17年度の選択式では、この第94条の2から5問全部が出題されています。その後、一元化法による改正に伴い、文言が改められていますので、今後も本規定におけるキーワードの記憶は必須です)。

 

第94条の2(基礎年金拠出金)

1.厚生年金保険の実施者たる政府は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を負担する。

 

2.実施機関たる共済組合等は、毎年度、基礎年金の給付に要する費用に充てるため、基礎年金拠出金を納付する。

 

3.財政の現況及び見通し作成されるときは、厚生労働大臣は、厚生年金保険の実施者たる政府が負担し、又は実施機関たる共済組合等納付すべき基礎年金拠出金について、その将来にわたる予想額を算定するものとする。

  

 

(二)実施機関たる共済組合等

 

◆「実施機関たる共済組合等」とは、次の1~33つをいいます。

この1と2は、それぞれ複数の共済組合を束ねています(以下の個別の共済組合の名称等を覚える必要はありません。あくまで理解のための参考です)。

 

国家公務員共済組合連合会

 

(A)厚生労働省共済組合など各省共済組合、衆議院共済組合、参議院共済組合など(国家公務員共済組合です)で組織されています。

 

 

地方公務員共済組合連合会

 

➡ 下記の(B)(C)により組織されています(地方公務員共済組合です(地方公務員等共済組合法第3条第1項)。すべての地方公務員共済組合から組織されるのが「地方公務員共済組合連合会」です(地方公務員等共済組合法第38条の2第1項) )。

そして、(C)は、下記の(D)の3つから組織されています。

 

(B)地方職員共済組合、公立学校共済組合、警察共済組合、東京都職員共済組合

 

(C)全国市町村職員共済組合連合会市町村連合会)=(D)指定都市職員共済組合、市町村職員共済組合、都市職員共済組合(地方公務員等共済組合法第27条第1項)

 

(B)と(C)が「地方公務員共済組合連合会」を組織していますが、これは、地方公務員共済組合連合会を地方公務員共済組合に係る基礎年金拠出金の納付主体として一元化することで、納付関係の安定・円滑化を図ったものとできます。

 

 

日本私立学校振興・共済事業団

 

私立学校教職員共済法の規定により私立学校教職員共済制度を管掌するものです(第3条第2項)。

 

 

※ 国民年金事業の一部を行わせることができる「共済組合等」(こちらで登場しました)とは、次の(Ⅰ)と(Ⅱ)のことです。

 

(Ⅰ)法律によって組織された共済組合 =「共済組合

 

➡ 上記の(A)(B)(D)のことをいいます。

 

(Ⅱ)他に上記1~3〔=国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会及び日本私立学校振興・共済事業団です〕(C)があります。 

 

 

「共済組合等が行う事務」及び「市町村長が行う事務」

以下、先に詳細な説明を保留していました「共済組合等が行う事務」及び「市町村長が行う事務」について詳しく見ます。まず、前者からです。

 

※ なお、初学者の方(年金法が苦手な方も同様です)は、現段階では、保険者に関連したこれからの数ページはお読みになる必要はありません。初学者の方は、このような細かい部分を初めから学習されるのは効率的ではないからです。

 

初学者の方は、以下の保険者に関する事項は飛ばして、こちら以下の「被保険者」の個所にお進み下さい。一通り学習が終了してから、再度、細かい部分にもざっと目を通して下さい。

 

 

※【詳細1】 共済組合等が行う事務:

共済組合等が行う事務とは、前述の通り、大まかには、「第2号から第4号までの1つの厚生年金被保険者期間のみを有する者に係る老齢基礎年金、又はこの者の死亡に係る遺族基礎年金裁定請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務、並びに共済組合の組合員等であった期間初診日がある傷病に係る障害基礎年金等の裁定請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務等」と押さえておきます(施行令第1条第1項参考)。

 

(参考)

ちなみに、一元化法による改正前は、次の通りの内容でした。

即ち、「1つの共済組合の組合員等であった期間のみを有する者に係る老齢基礎年金又はこの者の死亡に係る遺族基礎年金の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務、並びに共済組合の組合員等であった期間に初診日がある傷病に係る障害基礎年金等の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務等」と規定されていました。

 

一元化法による改正後と大まかにはパラレルです。

 

以下、念のため、施行令(政令です)第1条を掲載しておきますが、参考程度です(覚えておくのは、上記の「大まかには」として記載した部分の程度で足りるでしょう。後掲の過去問が参考になります)。 

  

【施行令】

※ この施行令第1条は、被用者年金一元化法による改正に伴い改められています(「被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係政令等の整備に関する政令」(【平成27.9.30政令第342号】。以下、「一元化法整備政令」といいます)による改正であり、平成27年10月1日施行です)。

 

施行令第1条(共済組合等に行わせる事務)

1.国民年金法(以下「法」という。)第3条第2項〔=国民年金事業の事務の一部は共済組合等に行わせることができる〕の規定により、次に掲げる事務は、同項に規定する共済組合(国家公務員共済組合連合会又は全国市町村職員共済組合連合会を組織する共済組合にあつては、それぞれ当該連合会)又は日本私立学校振興・共済事業団に行わせる。

 

一 厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第78条の22〔=2以上の種別の被保険者であった期間を有する者に係る年金たる保険給付の併給の調整の特例〕に規定する各号の厚生年金被保険者期間のうち同条に規定する1の期間〔=1つの被保険者の種別に係る被保険者であった期間。要するに、1つの厚生年金被保険者期間です〕(同法第2条の5第1項第2号(厚年法のパスワード)に規定する第2号厚生年金被保険者期間(以下この号において「第2号厚生年金被保険者期間」という。)、同項第3号に規定する第3号厚生年金被保険者期間(以下この号において「第3号厚生年金被保険者期間」という。)又は同項第4号に規定する第4号厚生年金被保険者期間限る。)のみを有する者(第2号厚生年金被保険者期間又は第3号厚生年金被保険者期間のみを有する者にあつては、第2号厚生年金被保険者期間又は第3号厚生年金被保険者期間のうちに1の法第3条第2項に規定する共済組合(以下単に「共済組合」という。)の組合員(以下「組合員」という。)であつた期間のみを有する者(国家公務員共済組合連合会又は全国市町村職員共済組合連合会を組織する共済組合の組合員であつた期間のみを有する者を含む。)に限る)その他これに準ずる者として厚生労働省令で定める者に係る老齢基礎年金法附則第9条の2第3項の規定〔=老齢基礎年金の支給の繰上げ〕により支給するものを除く。)を受ける権利の裁定の請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

 組合員又は私立学校教職員共済法(昭和28年法律第245号)の規定による私立学校教職員共済制度の加入者(以下この号及び第2条第2項において「私学教職員共済制度の加入者」という。)であつた間初診日がある傷病による障害に係る障害基礎年金法第31条 〔=併合認定〕の規定による障害基礎年金については、組合員又は私学教職員共済制度の加入者であつた間に後の障害に係る初診日がある傷病による障害に係るものに限る。)、国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(昭和61年政令第54号。以下「経過措置政令」という。)第29条第5項又は第34条から第38条までの規定〔=施行日前の傷病に係る障害基礎年金〕の適用を受けることにより支給される障害基礎年金その他これらに準ずるものとして厚生労働省令で定める障害基礎年金を受ける権利裁定の請求受理及びその請求に係る事実についての審査、当該障害基礎年金の額の改定の請求受理、当該障害基礎年金に係る障害の程度の診査並びに法第34条第4項 〔=その他障害〕(国民年金法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置に関する政令(平成元年政令第337号)第2条の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定による当該障害基礎年金の額の改定の請求に係る事実についての審査に関する事務

 

三 第1号に規定する者の死亡に係る遺族基礎年金を受ける権利裁定の請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

四 第15条第1項 〔=共済払いの基礎年金〕の規定により同項に規定する共済払いの基礎年金の支払に関する事務を行わせる場合にあつては、法第105条第3項 〔=受給権者の届出等〕及び第4項〔=死亡の届出〕に規定する届出等(第15条第1項に規定する共済払いの基礎年金の受給権者に係るものに限る。)の受理及びその届出に係る事実についての審査に関する事務

 

五 厚生年金保険法施行令(昭和29年政令第110号)第4条の2の14第1項(厚年法のパスワード)の規定により厚生年金保険法第2条の5第1項に規定する実施機関(厚生労働大臣を除く。)が受理及び事実についての審査に関する事務を行うものとされた同令第4条の2の14第1項に規定する申請等に併せて行われる法及び法に基づく又は法を実施するための命令(これらの法令の改正の際の経過措置を含む。)の規定による申請、請求、申出及び届出(厚生労働省令で定めるものに限る。以下この号において「申請等」という。)の受理及び当該申請等に係る事実についての審査に関する事務

 

2.厚生労働大臣は、前項第1号第2号又は第5号に規定する厚生労働省令を定めるときは、共済組合(国家公務員共済組合連合会及び全国市町村職員共済組合連合会を組織するものを除く。)、国家公務員共済組合連合会及び全国市町村職員共済組合連合会並びに日本私立学校振興・共済事業団を所管する大臣協議しなければならない。

  

  

ここで、施行令第1条に関する過去問を見てみます。

 

○過去問:

 

・【平成16年問9(一部補正)】

設問:

国民年金の第2号被保険者期間が第2号から第4号までの1つの厚生年金被保険者期間のみを有する者に係る老齢基礎年金の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、当該共済組合が行う。

 

解答:

上記の施行令第1条第1項第1号の問題であり、正しいです。

 

ちなみに、一部補正前の出題当時の設問は次の通りでした。

 

・【平成16年問9E】

設問:

国民年金の第2号被保険者期間が単一の共済組合の組合員であった期間のみである者に係る老齢基礎年金の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、当該共済組合が行う。

 

 

・【平成22年問6B】

設問:

障害基礎年金に係る裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、共済組合員または私立学校教職員共済制度の加入者であった間に初診日がある者等も含めて、日本年金機構が行う。

 

解答:

上記の施行令第1条第1項第2号の問題です。

共済組合員又は私立学校教職員共済制度の加入者であった間に初診日がある者については、共済組合又は日本私立学校振興・共済事業団が上記設問の裁定請求の受理等の事務を行います。従って、設問は誤りです。 

 

 

※【詳細2】 市町村長が行う事務:

市町村長が行う事務とは、既述の通り、大まかには、「第1号被保険者(及び任意加入被保険者)の各種届出等の受理及び各種届出等に係る事実についての審査等の事務」と押さえておきます(施行令第1条の2参考)。

 

なお、この市町村長が行う事務は、地方自治法に規定する第1号法定受託事務です(施行令第18条)。

【過去問 平成16年問9D】では「機関委任事務である」とする出題がありました。

 

ちなみに、第1号法定受託事務とは、「法律又はこれに基づく政令により都道府県、市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、本来果たすべき役割に係るものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの」をいいます(地方自治法第2条第9項第1号)。

地方自治法第2条第9項の第1号に規定されていることから、「第1号」法定受託事務といわれます(以下、地方自治法を「地自法」ということがあります)。

 

他方、同項の第2号に規定されているものが第2号法定受託事務であり、「法律又はこれに基づく政令により市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県本来果たすべき役割に係るものであって、都道府県においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして法律又はこれに基づく政令に特に定めるもの」をいいます。

    

以下、試験には直接関係ありませんが、理解のための参考までに詳しく見ますと、地方公共団体の事務は、自治事務と法定受託事務に分かれます。

 

自治事務とは、「地方公共団体が処理する事務のうち、法定受託事務以外のもの」のことです(地自法第2条第8項)。

地方公共団体に固有の事務のことと考えてよいです(自治事務については、国の代執行は認められませんが、法定受託事務については、国の代執行が認められる場合があります(地自法第245条の8)。代執行とは、代替的作為義務(他人が代わって行うことのできる義務)の不履行に対する強制手段のことです)。

 

法定受託事務とは、国又は都道府県から地方公共団体に委託された事務のことです。このうち、国が地方公共団体に事務を委託した場合第1号法定受託事務であり、都道府県が市町村に事務を委託した場合第2号法定受託事務です。

 

平成11年の地方自治法の改正前は、地方公共団体の行う事務は、自治事務(公共事務、団体委任事務、行政事務)と「機関委任事務」という区分がなされていましたが、同改正により、かかる区分が廃止され、機関委任事務はなくなりました(機関委任事務については、知事・市町村長は、主務大臣の指揮監督を受けることになっていた等、地方自治の本旨(憲法第92条)にふさわしくなかったためです)。

 

 

市町村長が行う事務は、下記の施行令第1条の2に規定されています。

 

なお、その他に、厚生労働大臣は、一定の場合に、保険料の滞納者の居住地又はその者の財産所在地の市町村に対して、滞納処分請求することができ(第96条第4項)、市町村はこの処分の請求を受けたときは、市町村税の例によって処分することができます(同条第5項)。

詳細は、「財政(費用)」の「強制徴収の手続」の個所(こちら以下)で見ます。

 

 

施行令第1条の2は、非常に細かいことから、上記のポイントを押さえ、細部は最終段階までに太字部分をざっとチェックすれば足りるでしょう(後掲の過去問で出題されている個所及び色付き文字の部分に注意すればよさそうです)。

 

以下では、施行令第1条の2の原文を掲げ、条文をベースに整理しておきますが、この条文はかなり読みにくいため、各号の初め又は後の個所で、読みやすく加工した要約文を掲げることがあります(要約文は、必ずしも試験に出題されやすい重要部分に設けているわけではなく、規定がわかりにくい個所に設けています)。 

 

【施行令】

 

※ 次の施行令第1条の2は、平成29年8月1日施行の改正(【平成29.7.28政令第214号】第1条)により改められています(任意脱退に関する第1号が削除されました)。

 

〔即ち、第1号〔=任意脱退の承認の申請の受理に関する事務〕が削除され、第2号を第1号とし、第3号から第6号までを1号ずつ繰り上げ、第7号中、従来、「第5号イ」とあったのが、「第4号イ」に改められ、同号を同条第6号とし、第8号を第7号とし、第9号を第8号とし、第10号を第9号とし、第11号中、従来、「第5号イ」とあったのが、「第4号イ」に改められ、同号を第10号とし、第12号を第11号とし、第13号を第12号とする改正が行われました。〕 

 

施行令第1条の2(市町村が処理する事務)

 

法第3条第3項〔=国民年金事業の事務の一部は、市町村長が行うこととすることができる〕の規定により、次に掲げる事務は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)が行うこととする。この場合においては、法の規定中当該事務に係る厚生労働大臣に関する規定は、市町村長に関する規定として市町村長に適用があるものとする。

 

 〔※ 以下、一から十二までの番号は、号番号です。〕

 

一 法附則第5条第1項第2項及び第5項〔=以上、任意加入被保険者資格の取得喪失及び口座振替納付等に係る申出等。本号の以下で掲げられている条文は、特例による任意加入被保険者の資格の得喪の申出等に関する規定です。こちら及びこちら〕、国民年金法等の一部を改正する法律(平成6年法律第95号。以下「平成6年改正法」という。)附則第11条第1項〔=平成6年改正法附則第11条第1項 、第2項及び第6項並びに国民年金法等の一部を改正する法律(平成16年法律第104号。以下「平成16年改正法」という。)附則第23条第1項〔=平成16年改正法附則第23条第1項〕、第2項及び第6項に規定する申出受理及びその申出(法附則第5条第2項平成6年改正法附則第11条第2項及び平成16年改正法附則第23条第2項に規定する申出〔=口座振替納付を希望する旨の申出又は口座振替納付によらない正当な事由がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当する旨の申出〕を除く。)に係る事実についての審査に関する事務

 

※ この第1号は、「任意加入被保険者及び特例による任意加入被保険者〔=以下「広義の任意加入被保険者」ということがあります〕の資格取得喪失及び口座振替納付等に係る申出の受理及びその申出(口座振替納付等の申出を除きます)に係る事実についての審査に関する事務」とまとめられます。

【過去問 平成28年問4オ(後掲)】

 

二 国民年金手帳再交付申請法第7条第1項第1号に規定する第1号被保険者(法附則第5条第1項の規定による被保険者〔=以下、「広義の任意加入保険者」の条文です〕、平成6年改正法附則第11条第1項の規定による被保険者及び平成16年改正法附則第23条第1項の規定による被保険者を含む。)に係るものに限る。)の受理に関する事務

 

 

※ 次の第3号については、あらかじめ要約した解説文を掲載しておきます。

 

・〔要約文 開始〕

 

三 次に掲げる給付を受ける権利の裁定請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

イ 第1号被保険者(「広義任意加入被保険者」、旧法による国民年金の被保険者含みます以下同様です)としての被保険者期間のみを有する者(厚生年金保険法第78条の7(厚年法のパスワード)に規定する離婚時みなし被保険者期間を有する者除きます)に支給する老齢基礎年金 

【過去問 平成22年問6A(後掲)】

 

ロ 旧令共済組合の組合員期間を有する者に対する老齢年金〔=国年法の特例老齢年金〕(法附則第9条の3)の規定による老齢年金 

 

ハ 

a 第1号被保険者であった間初診日がある傷病又は日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満(法第30条第1項第2号)であった間に初診日がある傷病(当該初診日が昭和61年4月1日以後にあるものに限ります)による障害に係る障害基礎年金(併合認定(法第31条第1項)の規定によるものを除きます)

 

b 20歳前傷病による障害基礎年金法第30条の4

 

c 併合認定による障害基礎年金(当該障害基礎年金と同一の支給事由に基づく障害厚生年金又は平成24年一元化法改正前共済年金の受給権を有することとなる者等に係るものを除きます)

 

ニ 第1号被保険者死亡に係る遺族基礎年金(当該遺族基礎年金と同一の支給事由に基づく遺族厚生年金又は平成24年一元化法改正前共済年金のうち遺族共済年金若しくは平成24年一元化法附則第41条第1項若しくは第65条第1項の規定〔=国家(地方)公務員共済組合員に係る追加費用対象期間を有する者の特例〕による遺族共済年金の受給権を有することとなる者に係るものを除きます

 

ホ 寡婦年金

 

へ 死亡一時金

 

ト 特別一時金(昭和60年改正法附則第94条第2項

 

・〔要約文 終了〕

 

 

※ この第3号の原文が、次の規定です(読まなくて結構です)。

(なお、第3号のイ、ハ及びニは、被用者年金一元化法の施行に伴い改正されています(その他に、同改正により削除された個所もあります。平成27年10月1日施行)。)

 

 

三 法第16条 〔=厚生労働大臣の裁定〕に規定する給付を受ける権利の裁定(次に掲げる給付を受ける権利の裁定に限る。)の請求受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

イ 法第7条第1項第1号に規定する第1号被保険者法附則第5条第1項の規定による被保険者、〔次の2つの条文は、「広義の任意加入被保険者」に関する規定です〕平成6年改正法附則第11条第1項の規定による被保険者、平成16年改正法附則第23条第1項の規定による被保険者及び国民年金法等の一部を改正する法律(昭和60年法律第34号。以下「昭和60年改正法」という。)第1条の規定による改正前の法(以下「旧法」という。)による被保険者〔=旧法の国民年金の被保険者〕を含む。以下「第1号被保険者」という。)としての被保険者期間のみを有する者厚生年金保険法第78条の7に規定する離婚時みなし被保険者期間を有する者除く。)に支給する老齢基礎年金昭和60年改正法附則第15条第1項又は第2項の規定〔=振替加算額のみの老齢基礎年金〕により支給するものを除く。)

 

ロ 法附則第9条の3〔=旧令共済組合の組合員期間を有する者に対する老齢年金。即ち、国年法の特例老齢年金〕の規定による老齢年金

 

ハ 第1号被保険者であつた間初診日がある傷病又は法第30条第1項第2号〔=被保険者であった者で、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満〕に規定する者であつた間に初診日がある傷病(当該初診日が昭和61年4月1日以後にあるものに限る。)による障害に係る障害基礎年金法第31条第1項〔=併合認定〕の規定によるものを除く。)、経過措置政令第29条第3項又は第31条の規定の適用を受けることにより支給される障害基礎年金(法第31条第1項〔=併合認定〕の規定によるものを除く。)、法第30条の4〔=20歳前傷病による障害基礎年金〕の規定による障害基礎年金及び法第31条第1項〔=併合認定〕の規定による障害基礎年金(当該障害基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法による障害厚生年金若しくは平成24年一元化法改正前共済年金(被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成24年法律第63号。以下「平成24年一元化法」という。〔=被用者年金一元化法です〕)附則第37条第1項〔=厚年法のこちら。一元化法の施行日前に給付事由が生じた改正前国共済法による年金である給付及び旧国共済法による年金である給付等については、原則として、改正前国共済法の規定等が効力を有する〕に規定する改正前国共済法による年金である給付(以下「平成24年一元化法改正前国共済年金」という。〔=一元化法による改正前(であって、昭和60年改正後)の国家公務員共済組合法のこと〕)、平成24年一元化法改正前地共済年金(平成24年一元化法附則第61条第1項〔=一元化法の施行日前に給付事由が生じた改正前地共済法による年金である給付及び旧地共済法による年金である給付等については、原則として、改正前地共済法の規定等が効力を有する〕に規定する改正前地共済法による年金である給付をいう。以下同じ。)及び平成24年一元化法改正前私学共済年金(平成24年一元化法附則第79条〔=一元化法の施行日前に給付事由が生じた改正前私学共済法による年金である給付及び旧私学共済法による年金である給付等については、原則として、改正前私学共済法の規定等が効力を有する〕に規定する改正前私学共済法による年金である給付をいう。以下同じ。)をいう。以下同じ。)のうち障害共済年金若しくは平成24年一元化法附則第41条第1項〔=国家公務員共済組合員に係る追加費用対象期間を有する者の特例〕若しくは第65条第1項〔=地方公務員共済組合員に係る追加費用対象期間を有する者の特例〕の規定による障害共済年金の受給権を有することとなる者又は経過措置政令第43条に規定する障害年金の受給権者に係るものを除く。)

 

※「平成24年一元化法改正前共済年金」とは、基本的には、被用者年金一元化法(以下、「平成24年一元化法」ということもあります)の施行日前(であって昭和60年改正法の施行日以後)に受給権が発生した共済年金のことです(原則として、一元化法による改正前の規定が適用されます)。

 

ニ 第1号被保険者の死亡により法第37条の規定による遺族基礎年金の受給権を有することとなる者に係る遺族基礎年金(当該遺族基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法による遺族厚生年金又は平成24年一元化法改正前共済年金のうち遺族共済年金若しくは平成24年一元化法附則第41条第1項若しくは第65条第1項の規定〔=前掲〕による遺族共済年金の受給権を有することとなる者に係るものを除く。)

 

ホ 寡婦年金

 

へ 死亡一時金

 

ト 昭和60年改正法附則第94条第2項の規定により支給する特別一時金

 

 

※ 次の第4号も、あらかじめ要約文を掲載しておきます。

 

・〔要約文 開始〕

 

未支給給付法第19条第1項)に係る請求後記第4号イ~ハこちら以下)に掲げた年金たる給付及び第3号被保険者であった間に初診日がある傷病による障害基礎年金に係るものに限る)の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

・〔要約文 終了〕

 

 

※ この第4号の原文が、次の規定です(読まなくて結構です)。

 

四 法第19条第1項〔=未支給給付〕に規定する請求(次に掲げる年金たる給付に係るものに限る。)の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

イ 第1号被保険者若しくは法第7条第1項第3号に規定する第3号被保険者(以下「第3号被保険者」という。)であつた間に初診日がある傷病又は法第30条第1項第2号に規定する者であつた間に初診日がある傷病(当該初診日が昭和61年4月1日以後にあるものに限る。)による障害に係る障害基礎年金(法第31条第1項〔=併合認定〕の規定によるものを除く。)、経過措置政令第29条第3項又は第31条の規定の適用を受けることにより支給される障害基礎年金(法第31条第1項の規定によるものを除く。)、法第30条の4〔=20歳前傷病による障害基礎年金〕の規定による障害基礎年金及び法第31条第1項〔=併合認定〕の規定による障害基礎年金(当該障害基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法による障害厚生年金若しくは平成24年一元化法改正前共済年金のうち障害共済年金若しくは平成24年一元化法附則第41条第1項若しくは第65条第1項の規定〔=前掲の国家(地方)公務員共済組合員に係る追加費用対象期間を有する者の特例〕による障害共済年金の受給権を有することとなる者又は経過措置政令第43条〔=旧法と新法の障害給付の併合認定〕に規定する障害年金の受給権者に係るものを除く。)

 

ロ 遺族基礎年金(当該遺族基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法による遺族厚生年金又は平成24年一元化法改正前共済年金のうち遺族共済年金若しくは平成24年一元化法附則第41条第1項若しくは第65条第1項の規定による遺族共済年金の受給権を有することとなる者に係るものを除く。)

 

ハ 寡婦年金

 

 

※ 次の第5号も、あらかじめ要約文を掲げておきます。

 

・〔要約文 開始〕

 

併給の調整により支給停止された年金たる給付支給停止解除申請法第20条第2項)、所在不明による遺族基礎年金支給停止及びその解除申請第41条の2第42条第1項及び第2項)(前号イからハに係る年金たる給付受給権者に係るものに限る)の受理に関する事務 

 

・〔要約文 終了〕

 

※ この第5号の原文が、次の規定です(読まなくて結構です)。

 

五 法第20条第2項〔=併給の調整により支給停止された年金たる給付の支給停止解除の申請〕(昭和60年改正法附則第11条第4項〔=旧法の給付の調整〕において準用する場合を含む。)、第41条の2〔=配偶者の所在不明に係る当該配偶者の支給停止解除の申請〕並びに第42条第1項〔=子の一部の所在不明による支給停止の申請〕及び第2項〔=子の所在不明にに係る当該子の支給停止解除の申請〕に規定する申請(前号イからハまでに掲げる年金たる給付の受給権者に係るものに限る。)の受理に関する事務

 

※ 以下の各号については、要約文はありません。

 

六 第4号イに規定する障害基礎年金〔=第1号被保険者又は第3号被保険者であった間に初診日がある傷病に係るもの等〕の額の改定の請求受理に関する事務

 

七 法第87条の2第1項及び第3項 〔=付加保険料納付、付加保険料の納付の中止〕に規定する申出の受理及びその申出に係る事実についての審査に関する事務 

【過去問 平成16年問6B(後掲)】

 

八 法第89条第2項〔=法定免除の要件に該当した被保険者等の申出による保険料の納付〕に規定する申出の受理及びその申出に係る事実についての審査に関する事務

〔※ この第8号は、平成26年4月1日施行の改正により新設されたものです。〕

 

平成29年度試験 改正事項】 

九 法第90条第1項及び第3項〔=以下、保険料の「広義申請免除」申請及び取消しの申請〕(法第90条の2第4項平成16年改正法附則第19条第3項〔=若年者納付猶予〕及び政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成26年法律第64号。以下「平成26年改正法」という。)附則第14条第2項〔=平成26年改正法附則第14条第2項。30歳以上50歳未満の者に係る納付猶予〕において準用する場合を含む。)、第90条の2第1項から第3項まで並びに第90条の3第1項 、平成16年改正法附則第19条第1項及び第2項並びに平成26年改正法附則第14条第1項に規定する申請の受理及びその申請に係る事実についての審査に関する事務

〔※ この第9号は、平成28年の改正(【平成28.6.3政令第235号】。平成28年7月1日施行)により、若年者納付猶予の制度の適用対象者が50歳未満の者にまで拡大された見直しに伴い改められています。〕

 

十 法第105条第1項第3項及び第4項〔=被保険者、受給権者等が行う届出等及び死亡届〕に規定する届出等同条第3項及び第4項に規定する届出等については、第4号イからハまでに掲げる年金たる給付の受給権者に係るものに限る。)受理及びその届出に係る事実についての審査に関する事務

 

十一 旧法第16条及び第83条に規定する裁定の請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務

 

十二 旧法による障害年金の額の改定の請求の受理に関する事務 

  

 

○過去問:

 

※ 上記の市町村が処理する事務(施行令第1条の2)に関する過去問として、次のようなものがあります。

 

・【平成22年問6A】

設問:

第1号被保険者期間を有する老齢基礎年金に係る裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務は、市町村長(特別区の長を含む。)が行う。

 

解答:

上記の施行第1条の2の第3号イの問題です。

即ち、第1号被保険者(広義の任意加入被保険者、旧法による国民年金の被保険者を含みます)としての被保険者期間「のみ」を有する者(厚生年金保険法に規定する離婚時みなし被保険者期間を有する者を除きます)に支給する老齢基礎年金に係る裁定請求の受理等に関する事務は、市町村長が行うのであり、「第1号被保険者期間を有する」者が広く対象になるのではありません。従って、設問は誤りです。

 

 

・【平成16年問6B(一部補正)】

設問:

付加保険料を納付する者となる申出及び納付する者でなくなる申出の受理及びその申出に係る事実についての審査に関する事務は、日本年金機構に委任されている。

 

解答:

上記施行令第1条の2の第7号の問題です。

設問の事務は、市町村長の事務とされています。従って、設問は誤りです(なお、出題当時は、「社会保険事務所長」に委任されているという出題文でしたが、改正により「社会保険事務所」は「年金事務所」に代わりました)。 

  

 

・【平成28年問4オ】

設問:

任意加入の申出の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に委任されており、当該申出の受理及び申出に係る事実についての審査に関する事務は、 日本年金機構が行うものとされていて、市町村長がこれを行うことはできない。

 

解答:

任意加入の申出の受理及び申出に係る事実についての審査に関する事務は、市町村長が行うものとされます(第3条第3項施行令第1条の2第1号)。

よって、設問は誤りです。

 

なお、第109条の4第1項柱書及び同条同項第1号において、第3条第3項の規定(具体的には施行令第1条の2が規定しています)により市町村長が行うこととされた事務等については、厚生労働大臣の権限に係る事務の機構への委任を除外していますので、設問の厚生労働大臣の権限に係る事務が機構に委任されるわけではありません。

のちに、こちらの任意加入被保険者の個所でも触れます。 

 

本問は難しい問題でした。しかも、この問4は、「誤っているものはいくつあるか」という個数問題であるため、厳しい出題でした。

  

 

〇 市町村(長)が処理する事務の管轄:

 

なお、市町村)が処理する事務の管轄についても触れておきます。

 

◆法及び施行令第1条の2の規定〔=前掲の市町村長が行う事務〕により市町村(特別区を含みます。以下同じです)が処理することとされている事務は、第1号被保険者若しくは第1号被保険者であった者住所地日本国内住所がない第1号被保険者又は第1号被保険者であった者にあっては、厚生労働大臣定める地 ※1)又は受給権者住所地日本国内住所がないときは、受給権者日本国内における最後の住所地)の市町村長が行うものとされます(施行令第2条第1項)。

 

 

※1 日本国内に住所がない者に係る事務の管轄

 

日本国内住所がない者に係る市町村長が行うこととされている事務は、日本国内住所を有したことがある者については、日本国内における最後の住所地市町村長(又は最後の住所地を管轄する年金事務所)、日本国内住所を有したことがない者については、東京都千代田区長(実際は、千代田区年金事務所)が行うとされます(【平成21.12.28厚生労働省告示第528号】、【平成19.6.29庁保険発0629第002号】等)。

【過去問 平成22年問6D(後掲)】 (なお、こちらも参考。)

 

 

【施行令】

※ 読まなくて結構です。

 

施行令第2条(管轄)

1.法及び第1条の2の規定により市町村(特別区を含む。以下同じ。)が処理することとされている事務は、第1号被保険者若しくは第1号被保険者であつた者の住所地(日本国内に住所がない第1号被保険者又は第1号被保険者であつた者にあつては、厚生労働大臣が定める地)又は受給権者の住所地(日本国内に住所がないときは、受給権者の日本国内における最後の住所地)の市町村長が行うものとする。

 

2.第1条第1項第2号に掲げる事務〔=共済組合の組合員等の期間中に初診日がある傷病に係る障害基礎年金等の裁定請求の受理及びその請求に係る事実についての審査に関する事務等〕は、受給権者が同号に規定する障害基礎年金の支給事由となつた障害(法第31条第1項〔=併合認定〕の規定による障害基礎年金については、後の障害とする。以下この項において同じ。)に係る初診日(昭和61年4月1日前に発した傷病による障害にあつては、当該傷病が発した日)に組合員であつた場合にあつてはその属する共済組合(受給権者がその日に国家公務員共済組合連合会又は全国市町村職員共済組合連合会を組織する共済組合の組合員であつた場合にあつては、それぞれ当該連合会)が行うものとし、私学教職員共済制度の加入者であつた場合にあつては日本私立学校振興・共済事業団が行うものとする。

 

 

・【過去問 平成22年問6D】

設問:

在外邦人に対する国民年金の適用に関する諸手続きの事務は、本人の日本国内における住所地等に係わりなく、東京都千代田区長が行う。

 

解答:

在外邦人に対する国民年金の適用に関する諸手続きの事務は、日本国内に住所を有したことがある者については、日本国内における最後の住所地の市町村長(又は最後の住所地を管轄する年金事務所)、日本国内に住所を有したことがない者については、東京都千代田区長(実際は、千代田区年金事務所)が行うとされます(【平成21.12.28厚生労働省告示第528号】、【平成19.6.29庁保険発0629第002号】等)。

よって、設問は誤りです。

 

 

以上で、「市町村長が行う事務」までを終わります。

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