【令和8年度版】
令和7年版 過労死等防止対策白書
以下、「令和7年版(令和6年度)過労死等防止対策白書」(「令和6年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」(令和7年10月28日公表)の概要について、主に設問を通して見ていきます。
・「令和7年版 過労死等防止対策白書」の「全文」は、こちら(第1章)及びこちら(第2章)です。
・「概要」は、こちらです。
・「厚生労働省」の過労死等防止対策白書のサイトは、こちらです。
第1章 過労死等の概況
〔Ⅰ〕労働時間等の状況
〔1〕労働時間
※ 労働時間等についての最新のデータとして、「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(令和8年2月25日公表)があります(詳しくは、こちら以下(白書対策講座のパスワード))。
以下の「令和7年版 過労死等防止対策白書」は、令和6年のデータをもとにしており、上記「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」より1年古いデータとなります。
大きな傾向等については、「過労死等防止対策白書」のデータを押さえて問題はありませんが、令和7年の「毎月勤労統計調査」に特徴的な点は押さえる必要があり、以下でも言及します。
【問1】
労働時間等の状況に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、以下では、「令和7年版 過労死等防止対策白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。
A 我が国の労働者1人当たりの年間総実労働時間は、長期的には緩やかに減少していたが、令和3年からおおむね横ばいとなっている。
令和6年は、年間総実労働時間は1,643時間と、令和5年から7時間増加した。
総実労働時間を所定内労働時間と所定外労働時間ごとに見ると、所定内労働時間は1,523時間と令和5年から7時間増加した。所定外労働時間は令和3年、4年は増加したが、令和
6年は120時間と令和5年と同じであった。
B 一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、令和6年の一般労働者の総実労働時間は
6年連続で2,000時間を下回り1,946時間となった。
パートタイム労働者の総実労働時間も、6年連続で1,000時間を下回り962時間となった。
パートタイム労働者の割合が長期的には増加傾向にあることから、労働者1人当たりの総実労働時間の長期的な減少はパートタイム労働者比率の増加も寄与しているものと考えられる。
C 主な産業の年間総実労働時間の推移を見ると、令和6年は「運輸業、郵便業」、「建設業」、「情報通信業」、「製造業」、「学術研究、専門・技術サービス業」で全産業平均を上回った。「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食サービス業」は前年を上回った。
D 月末1週間の就業時間別の雇用者の割合の推移を見ると、1週間の就業時間が60時間以上である雇用者の割合は、平成17年以降減少傾向にあり、令和6年は4.6%と令和5年より0.4ポイント減少した。月末1週間の就業時間が60時間以上である雇用者数は269万人と22万人減少した。
E 月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者のうちその就業時間が60時間以上である就業者の割合の推移を性別、年齢層別に見ると、男性については、平成27年以降40~49歳の割合が最も高くなっている。
女性については、20~29歳の割合が最も高くなっている。
雇用者に占める割合を見ても、男性は40~49歳で、女性は60歳以上でその割合が最も高い。
解答:
誤っている肢は、Eです。
Eの第2文目の女性について、「20~29歳」とあるのが誤りであり、正しくは「60歳以上」です。
正誤を比較しますと、次のとおりです。
・誤りの設問:
「女性については、20~29歳の割合が最も高くなっている。」
・正しい内容:
◆「女性については、60歳以上の割合が最も高くなっている。」
月末1週間の就業時間が60時間以上の就業者の割合の推移として、男性については、40歳代、50歳代、30歳代で週60時間以上就業している者の割合が高いですが、女性については、60歳以上が最も多く、次に「50~59歳」が多いです(後掲の【第1-1-1-6図】参考)。
以前は、月末1週間の就業時間60時間以上の女性は、「60歳以上(台)」の割合が多かったのですが、平成26年頃からは「20歳代」の割合の方が多くなっていました。
しかし、今回は、再び「60歳以上」の割合が多くなりました。
【令和7年版 過労死等防止対策白書6頁から転載(次の図も同じ)】
以下、Eを除く、その他のA~Dを順に見ます(最初に設問を再掲します)。
A 我が国の労働者1人当たりの年間総実労働時間は、長期的には緩やかに減少していたが、令和3年からおおむね横ばいとなっている。
令和6年は、年間総実労働時間は1,643時間と、令和5年から7時間増加した。
総実労働時間を所定内労働時間と所定外労働時間ごとに見ると、所定内労働時間は1,523時間と令和5年から7時間増加した。所定外労働時間は令和3年、4年は増加したが、令和
6年は120時間と令和5年と同じであった。
解答:
正しいです(こちらの2頁)。
労働者1人当たりの年間総実労働時間は、長期的に減少傾向にありますが、令和3年は増加し(1,633時間。前年比12時間の増加)、令和4年は同じでしたが、令和5年及び今回の令和6年は増加しました。
所定内労働時間も、長期的に減少傾向が続いていましたが、令和3年は増加し、令和4年は減少し、令和5年及び今回の令和6年は増加しました。
所定外労働時間については、平成22年以降は増加傾向でしたが、平成26年及び平成27年をピークとして減少傾向に転じており、令和2年に大きく減少した後(令和2年は、その前年比17時間の減少となっていました。コロナ感染症の影響です)、令和3年と令和4年は増加し、前回の令和5年は減少し、今回の令和6年は前年と同じでした。
なお、「毎月勤労統計 令和7年分結果確報」(令和8年2月25日公表。白書対策講座のこちら以下(白書対策講座のパスワード))によりますと、令和7年においては、年間総実労働時間(1,621時間)、所定内労働時間及び所定外労働時間のいずれも減少しました。
令和6年までのデータについては、次の図をご参照下さい。
【令和7年版 過労死等防止対策白書2頁から転載】
続いて、肢Bです。
B 一般労働者とパートタイム労働者の別にみると、令和6年の一般労働者の総実労働時間は
6年連続で2,000時間を下回り1,946時間となった。
パートタイム労働者の総実労働時間も、6年連続で1,000時間を下回り962時間となった。
パートタイム労働者の割合が長期的には増加傾向にあることから、労働者1人当たりの総実労働時間の長期的な減少はパートタイム労働者比率の増加も寄与しているものと考えられる。
解答:
正しいです(こちらの3頁)。
一般労働者の総実労働時間は、前年より減少しています。
対して、パートタイム労働者の総実労働時間は、前年より増加しています(後掲の【第1-1-1-2図】を参考です)。
ただし、基本的には、一般労働者の総実労働時間は、令和2年から微増傾向であり、対して、パートタイム労働者の総実労働時間は、令和2年から横ばいです。
※ 総実労働時間について、ちょうど覚えやすい次の時間となっています。
・一般労働者 = 2,000時間弱
・パートタイム労働者 = 1,000時間弱
また、「労働者1人当たりの総実労働時間の長期的な減少はパートタイム労働者比率の増加も寄与しているものと考えられる」という点に注意です。
次の図も参考です。
【令和7年版 過労死等防止対策白書3頁から転載】
※ なお、「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(白書対策講座のこちら以下(白書対策講座のパスワード))では、令和7年の総実労働時間については、次のとおりです。
・一般労働者は、2年連続減少。年間1,926時間。前年比1.0%減。
・パートタイム労働者も、3年連続減少。年間949.2時間。前年比1.4%減。
前記の令和7年の過労死等防止対策白書のデータ(令和6年のもの)と異なり、令和7年については、パートタイム労働者は減少しています。
C 主な産業の年間総実労働時間の推移を見ると、令和6年は「運輸業、郵便業」、「建設業」、「情報通信業」、「製造業」、「学術研究、専門・技術サービス業」で全産業平均を上回った。「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食サービス業」は前年を上回った。
解答:
正しいです(こちらの4頁)。
これらの産業については、やはり、人手不足・人材不足の影響が大きく、労働時間の増加につながっているのでしょう。
他方、後掲の図(【第1ー1-1ー3図】)のように、「卸売業・小売業」は、年間総実労働時間が全産業平均より少なく、かつ、長期的に減少傾向にあります。
なお、「宿泊業、飲食サービス業」の年間総実労働時間は、さらに少ないです。
即ち、「飲食サービス業等」の労働者1人平均月間総労時間は、「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(7頁「第2表 月間実労働時間及び出勤日数」)によりますと、88.0時間(前年比0.7%減)であり、他の産業(例えば、「卸売業・小売業」は、126.8時間であり、調査産業の平均は135.1時間です)に比べ、かなり短いです。
「飲食サービス業等」では、労働時間の短いパートタイム労働者が多いことから、総実労働時間を引き下げる要因となっているものと解されます。
【令和7年版 過労死等防止対策白書4頁から転載】
D 月末1週間の就業時間別の雇用者の割合の推移を見ると、1週間の就業時間が60時間以上である雇用者の割合は、平成17年以降減少傾向にあり、令和6年は4.6%と令和5年より0.4ポイント減少した。月末1週間の就業時間が60時間以上である雇用者数は269万人と22万人減少した。
正しいです(こちらの5頁)。
月末1週間の就業時間が60時間以上である雇用者の割合は、平成17年以降は減少傾向にあります(次の図を参考)。
【令和7年版 過労死等防止対策白書5頁から転載】
以上、【問1】でした。次の設問です。
【問2】
労働時間等の状況に関する次のAからDまでの記述のうち、誤っているものはどれか。
なお、本問は、「令和7年版 過労死等防止対策白書(厚生労働省)」を参照しており、当該白書又は当該白書が引用している調査による用語及び統計等を利用している。
A 月末1週間の就業時間が40時間以上である雇用者のうち就業時間が60時間以上である雇用者の割合を見ると、長期的に減少傾向となっている。令和6年は8.0%と、令和5年から0.4ポイント減少した。
過労死等防止対策大綱では、令和10年までに週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週
労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とすることを目標としている。
B 月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者のうちその就業時間が60時間以上である就業者の割合の推移を性別、年齢層別に見ると、男性については、平成27以降40~49歳の割合が最も高くなっている。
女性については、60歳以上の割合が最も高くなっている。
雇用者に占める割合を見ても、男性は40~49歳で、女性は60歳以上でその割合が最も高
C 月末1週間の就業時間が40時間以上である雇用者のうちその就業時間が60時間以上である雇用者の割合の推移を業種別に見ると、令和6年は「運輸業、郵便業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」の順にその割合が高かった。
また、「複合サービス事業」、「製造業」、「医療、福祉」の順にその割合が低かった(ただし「鉱業、採石業、砂利採取業」を除く。)。
令和6年の割合を令和5年と比較すると、多くの業種で横ばい又は減少であった。
前年より0.5ポイント以上増加している業種は「不動産業、物品賃貸業」であった。
D 月末1週間の就業時間が40時間以上の雇用者に占める60時間以上の雇用者の割合を企業の従業者規模別に見ると、おおむね規模が大きいほど、その割合が高い。
E 年平均労働時間を国際比較すると、我が国は、欧州諸国より長く、また、週49時間以上働いている労働者の割合が高い。男性については、特にその割合が高い。
解答:
誤っている肢は、Dです(こちら)。
即ち、Dの設問中、「おおむね規模が大きいほど、その割合が高い」とある箇所が誤りであり、正しくは、「おおむね規模が小さいほど、その割合が高い」です。
Dを正しい内容に改めますと、次のとおりです。
◆月末1週間の就業時間が40時間以上の雇用者に占める60時間以上の雇用者の割合を企業の従業者規模別に見ると、おおむね規模が小さいほど、その割合が高い。
企業規模が小さいほど、月末の長時間労働者が多くなるというのは、常識により判断できそうです。
こちらの8頁です。次の図を参考です。
【令和7年版 過労死等防止対策白書8頁から転載】
以下、D以外の肢を見ます。
A 月末1週間の就業時間が40時間以上である雇用者のうち就業時間が60時間以上である雇用者の割合を見ると、長期的に減少傾向となっている。令和6年は8.0%と、令和5年から0.4ポイント減少した。
過労死等防止対策大綱では、令和10年までに週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週
労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とすることを目標としている。
講義 社労士合格ゼミナール






